1992.05.05
食欲旺盛
リストランテ「ビーチェ」フォーシーズンズホテル椿山荘東京
楽-2

毎日毎日よくぞというほどよく食べる。我ながら感心することもあるが、果ては糖尿病か心臓病になるに違いない。いつまでこうして健啖家でいられるかわからないが、今は食べられるし食欲もあるわけだから、それがあるうちに楽しんでしまおう。しかし、ハードに働いてカロリーを消費しているおかげで、少しも太ることはない。というわけで、今日も「ビーチェ」に来てしまった。

サービスに当たる人たちも、ゴールデンウィークの繁盛でさぞかしお疲れだろうと思うが、予想に反して快適なサービスを提供してくれた。むしろ余裕さえ感じられ、にこやかにサービスしている。15,000円のコース料理を注文したが、印象的な料理は特になく、海の幸のリゾットがいつもながらおいしかったのと、仔牛のラビオリに効いていたローズマリーが心地よかった程度。逆に、赤座海老はもう少し身が締まっている方がよかったし、デザートに洋梨のタルトとアイスクリームを盛り合わせただけというのは、ブラッセリー並みで感心しなかった。

ワインはフルボトルしか扱っておらず、少量だけ楽しみたい時にはグラスワインを注文するしかなく、少々物足りない。しかし、グラスワインの品揃えが豊富で選択範囲が広いのは大変結構なことだ。注意すべきなのは、グラスワインの場合、いつ抜栓したのかが定かでないため、品質の保証がないことだ。場合によっては、やや品質が低下しているものを提供されることもある。

このホテルの場合、グラスワインを注文しても、裏でグラスに注いでくるようなことはなく、席でボトルから注いでくれる。その際、残り少なかったら要注意だ。その営業時間ないに開けたものなら我慢できるが、昼に抜栓したものを夜の営業で出されるだけでも、銘柄によっては気になることがある。もし、味わってみて変だと思ったら、遠慮なく申し出た方がいい。グラスワインといえども、一杯2〜3千円するのだから。ハーフボトルの用意をしてくれれば、一番うれしいのだが・・・

1999年のコメント:最近はやっとハーフボトルも若干揃えてくれるようになりました。それも好きな銘柄ばかりで、とてもうれしく思っています。しかし、市場の価格に対して非常に高価な気がします。以前はソムリエがおらず、ワインサービスもすべてのサービス人が同等に行っていましたが、やはり高級銘柄を楽しみたい時には不安がありましたし、実際にもワインサービスという点ではお粗末な場面がたくさんありました。最近は比較的若い年齢層のサービス人に対して、高齢に感じるほど貫禄のあるソムリエが常駐するようになりましたが、ソムリエにワインサービスを受けたことは未だかつてありません。ソムリエなら割って入りたくなるようなワインの注文をすることもしばしばですが、興味がないのか、はたまた若いサービス人にチャンスを与えたいのか、いずれにしてもいつも知らん顔です。そして、妙な抜栓の仕方でコルクくずが瓶に入ってしまったり、テイスティングの際タラタラと垂らしてしまったりと、カッコ悪いったらありません。それでもフォローに入らないのですから、ぼくは感心できません。ソムリエは格好だけなんでしょうかね。

Y.K.