1992.06.29
西のオークラ
ホテルオークラ神戸 Deluxe Room
喜-3

ホテルオークラ神戸は、東京のオークラによく似た部分が多い。特にパブリックスペースは東京によく似せて造られており、神戸に来たというよりも、オークラに来たという印象の方が強い。中でもロビーの感じはまさにオークラそのもので、正面玄関の向こうには、ゆとりのある配置のソファと音楽のない渋い空間が広がり、独特の雰囲気を醸し出している。インテリアはきらびやかなものは一切なく、燻し銀のような日本的テイストでまとめられているので、若い人にはうけないかもしれない。

周囲には店がほとんどなく、館内にも高級宝飾店や小さな売店しかないので、便利だとは言えない環境なのも、若い人には耐え難いものがありそうだ。玄関を入って左手にあるフロントカウンターでサービスに当たる係りは、みな熟練しているので信頼度が高い。部屋の間違いや請求の手違いなどは、何度となくこのホテルを利用していて、未だかつて一度もない。どの施設も若い女性よりは、熟年の役員クラスの人たちを意識したような設えで、実際のお客さんもそうした地位の高そうな方々が多いようだ。

今回利用した客室は山側に面しており、海を望むことはできない。神戸の100万ドルの夜景を期待したいところだが、すぐ眼下に元町の繁華街が広がり、明るいネオンサインがギラギラと輝いていて、山の斜面に広がる夜景は、その奥にボーッと見えている程度だった。神戸の雰囲気を満喫するには、どちらかというと海側の部屋の方がオススメだ。今回も、客室の清掃はよく行き届いており清潔だった。

宿泊客はオークラヘルスクラブが優待料金で利用できるので、出掛けてみた。充実した設備と、ホテルと同等の卓越したサービスがあり、お客さんの少ないプールでは、十分にリラックスできた。プールサイドには流水のプールがあってユニークだ。夏場にガーデンプールもオープンすれば、アーバンリゾートらしい雰囲気になるだろう。ヘルスクラブと「テラスレストラン」は別棟にあり、本館からはやや距離がある。余談だが、宴会場棟になっている部分は、客室棟と同じ35階建てのタワーを増築しツインタワーとする予定だったらしいが、事情で中止になったそうだ。

1992.06.29
和朝食
「山里」ホテルオークラ神戸
楽-1

オークラに何度も泊まっていながら、和朝食を選んだのはこれが初めてだった。いつも混み合っているようだったし、「テラスレストラン」や「レストランカメリア」でのブッフェが魅力的でそちらに足が向いてしまっていた。1階の日本庭園を望む店内は、やや採光が不足する感じがしないでもないが、サービスはとても快適で、朝から気持ちのいい時間を過ごすことができる。料理内容は、味、品数ともに満足ゆくものだった。やはり利用客の年齢層は高い。

Y.K.