1994.11.03
窓が3つあるバスルーム
パークハイアット東京 Diplomat Suite
喜-3

リビングルーム

プレジデンシャルスイートの下、同じ向きにあるディプロマットスイートを利用した。両開きの扉を入ると、石張りの広い前室があり、その奥にリビングルームが広がっている。ベビーグランドピアノ、8名がゆったりと掛けられるシッティングスペース、その脇にはオーディオも収まった書棚が天井までのびている。隣室へのコネクティングドアも、部屋のデザインに合ったパーテーションで目隠しをしてあるなど、デザインを損ねることのないように細部までこだわっている。

リビングルームの一角には大きなガラス天板のダイニングテーブルがある。広い空間にありながらも、ほどよい落ち着きが得られ、ゆったりと語らいながらの食事の席にピッタリだ。リビングルームとベッドルームの間には、隠し扉に守られているかのようなゲスト用のトイレと、広いキッチンがあって、各種食器も揃っている。

ベッドルームにはクイーンサイズベッドが2台並び、幅広のドレッサーが置かれても尚余裕がある。家具のすべてが大きいので、広いという実感はないのだが、これらを普通の客室に入れたら、相当窮屈に感じることだろう。ベッドルームに続いて、大きなボードルームも備えられている。客室全体を通じて高度な調光システムが採用され、好みに合わせてシーンを設定したり、それを記憶させることも可能だ。

バスルームは魅力あふれる空間だ。引き戸から奥のバスタブまで、バスルームとしてはかなりの距離を持っており、3面の窓を有している。奥に進む間にステップを上がり、バスタブの脇が丁度窓と同じ高さになる。バスタブは非常に長い。バスタブまで至る途中には、独立したふたつのベイシンがそれぞれ窓に向けて設置されている。壁側にはトイレのブースと、ボディシャワーを備えたシャワーブースがある。アメニティは通常の客室とほぼ同じだった。

部屋にあるピアノは、指慣らしや作曲には便利だが、小さすぎるし表現力がないので、きちんと演奏するには適さない。基本的にはインテリアの一部なのだろうが、日中は気が向いたら軽く弾いて楽しめる。2タイプあるディプロマットスイートのうち、狭いタイプにはヒノキ風呂が備わっているという。洋室にヒノキ風呂というのもオツな感じだ。

Y.K.