1995.05.01
ビデオデッキ故障
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル Harbor Suite
哀-1

みなとみらいのインターコンチネンタルは、ロンドンを拠点とする高級ホテルチェーン、インターコンチネンタルの日本上陸第1号として、西武セゾン系が手掛けたことは周知のことだが、老舗のホテルニューグランドも参画していることは意外と知られていないようだ。ホテル名の「グランド」はニューグランドに由来している。伝統あるニューグランドに比べてスケールが大きく、客層はぐっと若い層が中心だ。

サービス的にはどちらもゲストをさばいているような体温のない接客ぶりが目に付くが、規模の大きなインターコンでは一層その傾向が強い。この日もゴールデンウィークの中日ではあるが、連休を楽しむ人の姿が多く、ロビーはかなりの賑わいを見せていた。

ハーバースイートはちょうど建物の先端部分にあって、ベイビューとパークビューの両方を楽しめるベストポイント。各階に1室しかない分、低層階から高層階までさまざまな階層に位置しており、このホテルではもっとも多いスイートだ。面積は80平米強で、入口を入り左にリビングルーム、右にベッドルームとバスルームがある。入口を入ったところが前室になっていて、ゲスト用のクローゼットと化粧室がある。その化粧室も見事な総大理石張りでゴージャスだ。

リビングには4人用のダイニングセットと、ソファセットが置かれ、ミニバーとテレビ、ビデオデッキが備えられている。広くはないが、必要なものは揃っている。また、横浜港を望む景色も素晴らしい。ベッドルームは天井が低いので圧迫感があるが、2面の窓があり、一方がちょうど建物の先端部分で床までがガラスの弧をえがいた窓になっているので、その開放感に救われている。その窓に向かってコーヒーテーブルと椅子がセットされているので、就寝前にくつろぐにはうってつけのポイントだ。クローゼットは広く、ウォークインタイプ。

圧巻なのはバスルームで真っ白な大理石をふんだんに使い、大きく取られた窓から港を一望でき、思わず長湯をしてしまいそう。シャワーブースにはスチームサウナが設置されているハーバースイートもあり、今回の部屋はサウナ付きだった。残念なのは、シンクがひとつなのと、便器がバスタブのすぐ横にあって、バスタブに横たわると必ず視線に入ってしまうことだ。アメニティも豊富でシャンプー類と石鹸はニナリッチ。男性用、女性用のオードトワレも用意されている。また、このホテルのバスソルトはなかなか香りがよく、気に入っている。

今回、夜の10時過ぎになって、リビングルームのビデオデッキが壊れていることがわかり、ルームチェンジすることになった。ホテルにとっても面倒なことだろうが、ゲストの立場ではもっと面倒だ。ビデオデッキが壊れていたのは、ホテルの責任であって、ゲストのせいではないのだから、余計な手間を掛けて申し訳ないという態度と言葉を示して欲しいものだが、そういった配慮は感じられなかった。

中国料理「馬華 馬留」

最上階31階にある中国料理レストランで、規模的にも位置的にもこのホテルのメインダイニング的性格のあるレストランだ。ワンフロアを贅沢に使い、淡いグリーンを基調とした店内は非常に広々としており、天井も高く、大きな窓からは横浜港の景観を一望でき、中華街とはまた違った魅力で勝負している。個室もあり、グループでの食事には便利だ。構えも立派ならお値段も立派だ。

夜は8,000円からのコースで、この日は15,000円のコースを注文した。サービススタイルは西洋風で、一皿一皿コース仕立てで提供するというのがこの店のコンセプトであるはずなのに、食べているそばから次々と料理が運ばれてくるので、途中でストップを掛けた。その上で、一皿一皿ゆっくりと味わいたいので、タイミングをよく考えて調理するようにと注意をした。店の雰囲気は申し分ないが、このように配慮のないサービスぶりを目の当たりにするとせっかくの雰囲気も興ざめだ。味も悪くはないが、接待などでは使えない店だ。

Y.K.