1995.06.10
ハーバーサイド
ホテルパシフィック千葉 Luxuly Corner Room
喜-3

今回利用した客室は、ちょうど建物の側面に位置しており、46平米というスペースはもちろん、ワイドな窓からの眺めと、ゴージャスなバスルームが印象的だ。スタンダードルームが29平米で、文字どおりスタンダードな造りなのと比べると、こちらの客室は文字どおりラグジュアリーだ。料金の差以上に内装の差が大きい。家具やベッドはエグゼクティブフロアと同等のワンランク上質のものを採用しており、明るい色調の家具やファブリックが爽やかな雰囲気を演出している。

窓は横に広く、ほぼ客室の幅一杯に広がっているだけでなく、1メートル弱の出窓になっているので、千葉の港や問屋町の眺めがダイナミックだ。決して美しい景観とは言えないが、寂れたような感じの街並みは、独特の風情を持っている。その大きな窓に向かうようにして、ライティングデスクと2台のベッドが配置されており、窓際のリビングセットには、カウチソファも設えてある。

バスルームは本格的な総大理石張りで、天井以外は本当にすべての部分に大理石を張ってある。客室総面積の約3分の1を占めるバスルームは外光こそ入らないのが残念だが、極めてゆったりしており、自在に調節できる照明が便利。特にシャワーブース内が広々しているのはうれしい。水圧も十分だ。アメニティは通常の客室と同等で、国産ブランドを中心にした品揃えだ。タオル類は多めに用意されていて、バスローブも備えている。

ホテル周辺にはこれといって見所のようなものはないのが、この客室なら、一日中室内で過ごしていても苦痛にならない。ホテルにとっては気の毒なことだが、館内に人が少ないのでゆったりと過ごせる上に、サービスにも余裕があって細やかな対応を期待できる。また、個性的で興味深いインテリアのレストラン・バーが揃っており、雰囲気の割に値段が手頃なので気軽に利用できる。

「ブルーパシフィック」

最上階にあるスカイラウンジ「ブルーパシフィック」は広々としたスペースと高い天井、窓からの開けた景色とで、非常に開放感のある空間に仕上がったスカイラウンジだ。ややアールデコを思わせる30年代ニューヨーク風のインテリアで、なんとなくわくわくした気分にさせてくれる。食事のあと、ナイトキャップにふらっと立ち寄るのにちょうどいい。

「ピコロモンド」

サーカスをモチーフにした大きな壁画が印象的な店内は、利用客がたくさんいれば楽しさが伝わってくるのかもしれないが、ひっそりしていると、この動的なモチーフがかえって寒々しく感じる。また、従業員一同、どうも気持ちが入っていないようで、朝からこちらの気分まで萎えてしまいそうだった。アメリカンブレックファストは特筆すべき内容はなかったが、焼き立てのトーストは美味しかった。 

Y.K.