1996.01.26
パラダイス
宮古島東急リゾート Coral Suite
喜-4

宮古島でのプライベートコンサートのため、東京の自宅を午前5時に出発。すでに渋滞が始まっている保土ヶ谷バイパスと湾岸線を通って羽田空港へ。宮古島への直行便は通常午前7時20分発だが、この日は6時55分発だと言われていた。往路はコンサートにかかさず来てくださるオシャレでステキな老夫婦と同行した。ぼくのスケジュールは翌日にはとんぼ返りだが、ご夫妻は本島も周遊してゆっくりするので、帰路は別行動だ。

空港では早朝から営業しているレストランで簡単に朝食をとった。到着したらすぐにリハーサルだから、このチャンスを逃したら、終演まで何も食べられなくなる。搭乗案内があり、ゲートを抜け駐機場までのバスに乗り込んだ。バスにはぼくらの他、島の人らしき雰囲気のおばあさんが一人いるだけ。今日のフライトは静かになりそうだとほっとした。しかし、いつまでたってもバスが出ない。すでに離陸予定時間を過ぎている。不安になったが、ここではどうしようもない。

しばらくすると、がやがやという騒がしい声と共に、団体客が大勢乗り込んできた。どうも茨城の農協さんたちらしい。そして口々に「おかしいわねぇ、出発は7時20分でしょ?なんで急がせるのかしら?しつれいしちゃうわねぇ!」と不満を言っている。ツアコンさんがしっかりしていないのかな?と思いつつ、これで無事に出発できるのだから、まぁいいやとひとりごちた。機内で今日の進行や内容を考えていたら、あっという間に3時間が経ち、宮古島に到着。空港で出迎えてくれたみなさんと挨拶を交わし、とりあえず一緒にホテルへ向かった。

車で10分ほどで宮古島東急リゾートに着いた。周囲はほとんどサトウキビ畑だけで、のどかな風景が広がっている。まずチェックインをし、荷物を部屋においてからロビーに集まることになった。ご夫妻の部屋よりもぼくの部屋の方が大きなスイートだったので、「ぼくはひとりだから交換しましょうよ」と勧めたが遠慮なさり、結局一人で広い部屋に泊まることになった。

このホテルには、開業当時からの本館「オーシャンウイング」と最近完成した新館「コーラルウイング」がある。正面にビーチを望むコーラルスイートはベージュを基調としたインテリアで、ファニチャーの色調も濃く、落ち着いた雰囲気の客室だ。リビングルームの壁が鏡張りになっており、一層広々感じられる。荷物をほどき、軽い服装に着替えてロビーへ。

ロビーでは、出張で留守中の総支配人に代わり副総支配人と営業部長が待っており、みなさんと一緒にテラスでトロピカルドリンクを飲みながら、しばらくおしゃべりをする。程なくコンサートスタッフの迎えが来て会場入り。コンサートがはねたのは21時ごろで、その後全員のゲストと握手をしてからレセプションへ。疲れておなかが空いているはずなのに、あまり食欲がなかった。

ホテルへ戻ったのは23時過ぎだった。いつもならコンサート後はたくさんのスタッフに囲まれているので寂しくないが、今回はプライベートな依頼で来たので終演後はひとりきり。広い客室にひとりというのは寂しいものだ。窓のには海があるはずだが、真っ暗で何も見えない。ゆっくりと風呂に浸かって、すぐに眠ることにした。

翌朝はご夫妻と7時に朝食の待ち合わせ。和食「やえびし」での朝食はとてもおいしかった。ホテルでこんなに豪勢な朝食は見たことがないというほどだった。昨日の食欲不振がウソのようにたくさんたべられた。食後は「シャングリラ」のラウンジでコーヒーを。貝殻と珊瑚をふんだんに取り入れたインテリアは、南国のイメージそのもの。中央に白いグランドピアノが置かれていたので、軽く演奏してみた。相当手入れをしていないらしく、かなり調律が狂っていたが、高い天井と材質のせいか、とてもよく響き気持ちがよかった。今度はぜひバカンスで来て、ゆっくりと滞在してみたい。

1996.01.27
豪快グリル
ステーキ&シーフード「キャプテンメリアン」宮古島
楽-3

チェックアウト後、フライトまですこし時間があったので島内を案内してもらった。小さな島だと思っていたが、車で一周すると結構広いことが実感できる。高い山がないので、どこにいても見通しがよく、空が広い。海の青さと共に、空の青さもまた印象的だった。昼食には平良市街の「キャプテンメリアン」におじゃました。店の外にはカラフルな電飾があってレトロな感じ。店内は船をテーマに統一されていて、この島の雰囲気にぴったり合っている。従業員はみな気さくで親しみがあり、それだけでも楽しい雰囲気になる。

料理は豪快なアメリカンスタイルのグリル料理だ。大きな鉄板にステーキとワイルドに焼いたりフライにしたシーフードが盛り合わさっている料理が中心。コースで注文しても3千円程度とお値打ち感もある。デザートのホームメードケーキは、本当にアメリカンホームスタイルの素朴な味で、懐かしささえ感じさせる。実際にこのケーキは店のマダムが毎日焼いているそうだ。宮古島へ出掛けたら、ぜひ一度は立ち寄りたい店だ。

Y.K.