1996.10.06
スペインフェア
「ラバンチュール」ロイヤルパークホテル
哀-1

ラバンチュールでは、この10月にスペインフェアを開催している。この店は多彩なイベントがあり、季節ごとに各国の料理を取り上げ、その度に現地の提携先ホテルからシェフとサービスのチーフを招いているらしいが、タイミングが悪いのか、イベント期間中に何度来訪しても、シェフはともかくとしても現地のサービス人というのにお目にかかったことがない。

この日は、いつも親切にしてくれるマネージャーや、顔見知りの従業員がだれもおらず、盛り上がりに欠けたさみしい食事だった。席につくとメニューが渡されるが、次々にいろいろなメニューが出てきてびっくりした。ランチタイムサービスメニュー、スペインフェアアラカルトメニュー、スペインフェアコースメニュー、通常のコースメニュー、通常のグランドメニューと5冊のメニューを渡され、もてあましながら、どれを注文したものかとあれやこれや悩みまくった。

その上更に、ソムリエおすすめワインのリスト、スペイン産ワインのフェアリスト、そしてロイヤルパークホテルのグランドワインリストと3冊のワインリストを渡され、テーブルは8冊のメニューで埋め尽くされた。せっかくだからじっくりとメニューを見て検討しようにも、これでは混乱してしまう。フェアの度にこのようになるのなら、バインダー形式のメニューでも用意してくれるとありがたいのだが。

また、料理のネーミングについても疑問が生じた。「スモークサーモン バルセロナ風」とあったので、どのようにバルセロナ風なのか尋ねてみたが、説得力のある回答はなかった。たぶん給仕たちもどこがバルセロナ風なのか、わからないのだろう。百聞は一見にしかずと注文してみたが、実際はツナサンドの中味状のものがサーモンにくるんであるのがそれだった。なら、そうとわかるネーミングにしてくれる方がありがたい。

「DISTINCTION」という名のついたスペイン産のワインを試してみたが、その名が意味する「傑出」とか「卓越」といったイメージとは程遠いものだった。大好きな店だが、この日は残念なことが重なった。まぁ、こういう日もあるわな。

Y.K.