1997.01.21
4連泊
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル Harbor Suite
哀-3

神戸からやってくるゲストのためにスイートを4日取った。このホテルのスイートは少しも豪華ではないが使いやすい客室だ。客室係はなかなか優秀で、一度依頼したことはその後いつでもそのように取り計らってくれる。

それもそのはず、ゲストからのリクエストはフォリオに蓄積され、客室係は常にそれを参照しながら仕事をしている。これが単なる決まりごとでなく、働く人たちからの思いやりであって欲しい。客室係よりも優秀なのがコンセルジュだ。有能な女性チーフコンセルジュが先頭に立ち、若い人らを鼓舞している。彼女の仕事ぶりは言葉一つ一つにまごごろが込められており、実務的でありながらもホスピタリティにあふれている。

若い男性コンセルジュたちはエネルギッシュで機敏に働いており、見ていて気持ちがよい。このホテルへ出かけたなら、宿泊中でなかろうとなんでも相談してみるとよいだろう。

「インルームダイニング」

かつてこのホテルのルームサービスは群を抜いてバラエティに富んでおり、国際的ホテルチェーンならではのアイデアに満ちていた。例えばシャンパンとキャビアに始まるプリティーウーマン気分のゴージャスな朝食や、各国のチェーンホテルを代表する各国料理のセットメニューなどがあった。それが今はなんとも味気ないメニューになってしまった。インルームダイニングというからにはもう少し充実させて欲しい。

大阪のロイヤルホテルのルームサービスメニューは非常に多彩な品揃えを誇っており、何日部屋にこもっても飽きないだろうし、ホテルオークラは写真が多くイメージしやすい上に、写真同様に入念に盛り付けされた見た目にもおいしそうな料理が運ばれてくる。ホテル西洋銀座では、サンドイッチでさえメインダイニングの器に盛られ銀のフォークで提供される。ウェスティンホテル東京ではポーションを好みで多くしてもらっても料金が変わらないシステムがあるし、各レストランのメニューからもオーダーできる。ルームサービスの充実はホテルの格に直結している。名ばかりの24hルームサービスにだまされるな!

「マリン・カフェ」

まだ閉店までにはずいぶん時間があるのに、「すでに朝食のご準備となっておりますので…」ということで、中央の落ち着かない席に案内された。別にどこでもかまわないが、理由が気に入らない。朝食の準備と言ったって、ちょっとテーブルに上に皿やカップやジャムをならべただけなのだから、客が希望したのなら好きなテーブルを使ってもらって、また後でやればいいのに。

あれこれ豪快にオーダーしたからすぐにテーブルがいっぱいになってしまったので、空いた皿はすぐに下げて欲しいのに誰も来てくれない。皆「朝食の準備」に忙しいのだ。何度も頭上に空いた皿を掲げ持って、誰かが気付いてくれるのを待たなければならなかった。料理もひどいものがあって、パエリアはびっしょり油に浸かってしまってこれでは猫でも食べないだろう。でも、シーザーサラダはポーチドエッグが乗っていて結構オススメ。

「ラ・ヴェラ」

お昼のセットは3,200円なり。ブッフェスタイルのアンティパストにメインディッシュ(6種からチョイス。パスタ・ピッツァが中心。)そして、同じくブッフェスタイルのドルチェとカフェ。アンティパストはオーソドックスながら、本格的な品が並ぶ。メインの料理は品目によってずいぶんとポーションが違った。

また、イタリア語のネーミングだけではどんな料理か想像できない人もいるのだから、メニューを出すときに要点をまとめてスマートに一通り説明してはどうだろう。それから、パスタには髪の毛が入っていた。

「マリン・カフェ」その2

性懲りもなく2日続けて同じ店に入った。遅い時間に食事をしたい場合選択の余地はないのだ。今日はブッフェにしてみた。コーヒー付きで4,000円。サラダ、オードブル、魚、肉、パン、ケーキ、チーズ、フルーツ…いろいろあるにはあるけれどあまり食欲をそそらない。ターキーのカットサービスやステーキのグリルサービスは楽しい雰囲気を盛り上げていてなかなか良かった。

この手の店はノリが良い方が楽しく食事ができる。それから、ブッフェレストランはオープン時間早々に出かけるのが良い。手つかずの料理を存分に味わえるし、店によっては早い時間帯に割り引きを設けているところもあるので要チェック。

「アジュール」

トリュフフェアをやっているというので出かけてみた。昼定食には4,000円から3段階の値段設定があるのだが、トリュフ主体のコースは4,000円のコースだけだった。店の設えはエレガントで、やや高めの天井高がゆったりとした雰囲気を出している。しかし、サービスも料理もそれにふさわしくない。

オードブルに使用されていたカットレタスは、明らかにコーヒーショップ等と共用で、傷んで茶色く変色した部分が多かった。肝心なトリュフからはあの馥郁たる香りがまったくといっていいほどしてこない。香らないトリュフなんて破れた救命胴衣のように意味がない。料金が安いから、トリュフの産地はとやかくいえないまでも、入荷日をコントロールするとかで品質に極端な差が出ないようにして欲しい。また、その日のトリュフの状態で、例えばスープに使うベーコンの量やソースのバルサミコ酢の量を加減して、力の衰えたトリュフの香りをことさら殺すことの無いよう工夫してもらいたい。

Y.K.