1997.09.13
大きな窓
小田急ホテルセンチュリー相模大野 Deluxe Room
哀-2

小田急ホテルセンチュリー相模大野は、相模大野駅の真上に位置するコミュニティ型ホテルだ。小田急線沿線では、新百合ヶ丘のホテルモリノ、町田のホテルザエルシィ、海老名の第一ホテル海老名、厚木のロイヤルパークホテル、そしてこのセンチュリーが代表的なコミュニティホテルとして営業している。

どのホテルも規模は概ね同程度だが、開業年度が新しいものほど内装的な意匠は凝ってきた。だが、建物は古いものの方がしっかりと建っていてホテルらしい雰囲気がある。このホテルは駅の真上という好立地にありながら、正面玄関が駅改札から離れているので、正面から入ろうと思うと一度屋根のない部分に出なければならない。雨の日には少々不便だ。

または、ショッピングビルを6階まで上がれば、食堂街の先にホテル連絡口があるが、食堂街とホテル内とにさほど格差がなく、ホテルに来たという気がしない。そもそもこのホテルにホテル気分を要求するのは間違っているかもしれないが・・・

駐車場はホテル専用のスペースとエントランスを確保しているのでありがたいが、出し入れに時間が掛かるリフト式だから、滞在中ちょっとそこまで出掛けたいという時に不便。

今回のデラックスルームは各階のコーナーにあり、壁面をいっぱいに使った大きな窓が特徴だ。逆に通常客室の窓は、あまりにも小さすぎるので、この格差たるや激しいものがある。窓が大きいからといってたいした物が見えるわけではない。せいぜい相模大野の繁華街程度だが、周囲に高い建物が多くないから、割と遠くまで見通しがきく。向きによっては丹沢の山々を望める部屋もあるので、近くよりも遠くを眺める方がいい。

客室は決して広くはないが、この窓のおかげで圧迫感はない。バスルームもベッドもオーソドックスなつくりで、さすがに高級ホテルのものと比べれば見劣りがする。ライティングデスクも小さく、仕事をするには向いていない。ところが、BGMには440chの有線放送を導入し、TVはワイド型で娯楽性は高くなっている。

このホテルのパンフレットを見ると、パーソナルタッチなサービスを売りにしているようなことが書いてあるが、そのような傾向は実際にはまったく見られなく残念。バスタオルの追加を借りようとフロントに電話をすると「バスルームに置いてあるはずです」とはねつけられてしまった。

周囲に飲食店が充実しているので構わないが、ルームサービスの営業もない。デラックスルームで21,000円だから価格設定は手頃だが、プランを設ていないので、定価で利用することになる。すると、場合によっては都内の高級ホテルの朝食つきプランの方が安くなることがあるから、そう考えると、このホテルのコストパフォーマンスは、あまり優れているといえない。前出の通り、レストランのレベルは最低だ。それに比べれば、宿泊はまだ救われる。

Y.K.