1997.10.04
ライバルはファミレス
京王プラザホテル Executive Deluxe Room
哀-3

前泊地大阪南港を車で午後3時に出発して、名神・東名自動車道を経由して午後9時頃、新宿の京王プラザホテルに到着した。新しいホテルのスイートばかりを泊まり歩いていたせいか、ここ京王プラザホテルのデラックスルームでさえ、とても狭く感じてしまう。また、新しいホテルはインテリアに工夫を凝らしているし、欧米の著名なデザイナーを起用していることが多いので、この客室のように昔ながらの日本のホテルらしいインテリアに囲まれると、時代をさかのぼったかのような錯覚に陥る。

さほど夜遅く到着したわけではないが、ロビーはいつもよりひっそりとして静かだった。到着してからずっと感じのよい従業員にばかり接することができ、この日は当たりだったらしい。夕食は、時間も遅かったのでコーヒーショップ「樹林」を利用した。改装して明るい雰囲気になったが、早くも清潔感は損なわれ始めている。特に絨毯の汚れが著しい。利用客が多く、また、営業時間が長いために清掃が行き届かないのかもしれないが、信号を渡ったところにある「ロイヤルホスト」の方が清潔感があり、安いわけだからそちらに出向くこともしばしばだ。

ホテルのレストランであるにもかかわらず、ライバルがファミレスというのも、情けない話しだ。更に情けないのは、ファミレスの方がおいしいこと。「樹林」のナシゴレンは単なるピラフだし、サンドイッチはいつ注文してもパサパサのパンで提供される。コーヒーも煮詰まっていることが多く、おかわりしたら胃潰瘍になりそうだ。それでもコーヒーについてはファミレスの倍の価格を掲げている。

ところが、料理はお値打ち感の大きいセットメニューがいくつかあり、それに関してはファミレス並みの価格設定になっている。コース仕立てになっているディナーが2千円台だ。その他、ファミレスより優れている点は、順番を無視した料理提供を決してしないことと、ちょっとしたワガママが通用することくらいか。また、この店は汚れたユニフォームを着用している従業員が目立つが、改善して欲しい。

エレベータが1台改装工事中になってるせいなのか、いつもよりも待ち時間が長かった。20年以上も前の高速エレベータだから、高層階まで上がると耳がツーンとするし、小刻みな振動があるので、せっせと高速で上がってるんだなぁという実感がある。また、階数標示がデジタルでなく、47個ある標示が順番に点燈するのも昔風でおもしろい。振動といえば、強風の日は客室にいてもわずかに揺れているのがわかるし、建物が鈍い音をたててきしんでいるのが聞こえてスリリングだ。もちろん安全だと思うが。

Y.K.