1998.01.02
変動レート
京王プラザホテル Executive Deluxe Room
楽-1

今年初のお泊まり。1月2日といえば、まだ正月プランの延長上で、どこのホテルでも高額の宿泊プランをすすめられるか、それが嫌ならラックレートで予約するかどちらかだ。しかしどちらもいやだったので、シックスコンチネンツクラブのレートを利用して1室20,000円で宿泊した。

インターコンチネンタルホテルといえば、ヨコハマや東京ベイにある、カップルに人気のオシャレなホテルをイメージするが、ヨコハマのインターコンチネンタルができるはるか昔から、ここ京王プラザホテルはインターコンチネンタルの一員だ。(余談だが、ホテルオークラもその昔、一時期インターコンチネンタルの一員だった。)

したがって、京王プラザホテルでは、シックスコンチネンツクラブの特典が利用できる。しかし、宿泊料金は「その日に用意できる最も低価格の客室レートを摘要」という、わかりにくいというか不安定な料金設定だ。同じタイプの部屋を利用していても、ある日は20,000円だったり、またある日は29,000円だったりする。なぜ、いつも同じ料金にできないのか、理由が定かには分からない。

例えば、29,000円という料金を提示された時、「いつもは20,000円っておっしゃいますけど」と尋ねたことがあるが、その返答は「20,000円の部屋はふさがっていますので」とのことだった。20,000円で売ろうと、29,000円で売ろうと結局アップグレードされるのだから、20,000円の部屋は使わないのに。まぁ、とりあえず、正月プランに比べたらお値打ちで泊まれるのだからよしとしよう。

客室は本館の高層階エグゼクティブフロアにあるデラックスルーム。エグゼクティブフロアといっても、ラウンジがあるわけでも、専用チェックインカウンターがあるわけでもない。聞いたところによると、ホテル会員か、もしくは5泊以上連泊のゲストが利用できることになっているらしい。また、最近ではエグゼクティブスロア利用のパッケージプランも登場している。

一般階となにが違うのか、一般階の客室のことがよくわからないので比較ができないが、エグゼクティブフロアの客室には、バスローブがあり、アメニティも割と充実しているし、金庫が設置されている。寝具は羽毛布団で、ターンダウンサービスもある。最近改装をしたばかりにしては、あまりセンスがよくない配色で、ソファはビニール張りだったりする。扉の下もかなり開いているので、廊下の声がよく聞こえる。ということは室内の声も聞こえているのだろう。

一方、バスルームは狭いながら明るく清潔感があるし、ライティングデスクが大きく整理棚も付いていて、デスクのスタンドにはハロゲン灯のスポットがあり手元を明るくできるなど、機能性はよい。窓は大きく十分な採光ができ、ドレッサーがあるのも便利だ。また、シックスコンチネンツクラブのメンバーにはフルーツとミネラルウォーター、プレス無料券、ウェルカムドリンク券、花、ギフトが用意されているが、このギフトが結構笑える。

外国人ゲストを意識して用意したものと思われるが、変な柄の風呂敷きや、力士をデザインした栞など、もらってもあまりうれしくないが安くはないだろうという品をいただける。その分、朝食などをサービスしてもらえるといいんだけれど。館内はいつになく着物姿のゲストが多く、また、干支に因んだ装飾がとてもコミカルだったので「楽」。

1998.01.15
ロビーウェディング
京王プラザホテル Deluxe Room
哀-2

晴れの門出に水を差すのは気が引けるが、最近はやりのロビーウエディングに関しては、心から祝福できないことがある。いつからホテルのロビーはキリスト教徒のための施設になったのだろう。海外から来た友人が、国際ホテルならば、イスラム教徒のゲストだって宿泊しているかもしれないのに、ホテルのメインロビーで特定の宗教儀式を行うのはあまり感心しないと言っていた。そこで摩擦が生じるとは想像しがたいが、そういう感覚というのもあるんだなぁと、改めて考えされられたことがある。

ぼくも、かねてからあり感心しない節があったが、それは、大勢のゲストが訪れ、待ち合わせや歓談に利用するホテルロビーを堂々と占拠し、セレモニーに参列するゲスト以外はまるで邪魔ものみたいに扱われたことが一度や二度でないからだ。

例えば、極めて特別なゲストの、せいぜい年に一度あるかないかのセレモニーなら、たまたまそこに居合わせた縁を思って気持ちよく祝福できるが、こうも度々では正直言って歓迎できない。ロビーで人と待ち合わせているときが一番困る。やるなら、全館貸し切りでするか、通行人も何かの形で参加できるような形式にしたらどうだろうか。

たまたまなのかもしれないが、ここ京王プラザホテルでは、よくロビーウエディングに出くわす。ホテルの規模に比べて狭いロビーがほとんど占拠されてしまう。ホテルのロビーは正面玄関から到着したお客さまが最初に踏み入れる場所だ。それに相応しい雰囲気とスペースはいつでも用意しておいてもらいたいものだ。最近、多くのホテルが「結婚式場」と化してきているのは、ぼくにって「哀」だ。

今回利用した客室は、南館のデラックスルームだ。南館の方が後からできたが、本館客室は改装したばかりなので、南館客室は古く感じる。角部屋に当たるデラックスルームは、ちょうど廊下分奥行きが増した感じで、バスルームと窓際のリビングスペースがゆったりと取られている。客室面積は40平米くらいだろうか、本館のデラックスルームよりも広々しているが、本館の方が使い勝手はいいと思う。

バスルームの設備は通常の部屋にビデを加えて広くしただけで、シャワーブース等があるわけではない。ベイシンはバスルーム内とクロゼット前の化粧台の2個所にあり便利だ。室内にはシーリングライトも備わっているが、インテリアの色調のせいか、明るいという印象はない。

南館の冷蔵庫は引き抜き式で、本館に比べるとかなり種類が少ないし、テレビも旧式でビデオオンデマンドやCATVは利用できない。ただし、南館の高層階には飲食施設がないので、宿泊客以外が利用することが少なく、エレベータが比較的スムースに来るように感じた。

1998.03.24
うなぎの寝床
京王プラザホテル Executive Superior Room
楽-3

今でこそ日本一の超高層ビル街である西新宿だが、このホテルが開業した時は、まわりになにもなかった。浄水場の跡地で、野原みたいに何もないところにいきなり47階建てのビルが出現し、しかもそれがホテルだというのでだれもがびっくりした。最上階には展望室が設けられ、長蛇の列をつくり、見物料を払って上がったものだ。ちょうどオープンしたてのランドマークタワーのような状態だった。また、入ったレストランのテーブルシートにインターコンチネンタルホテルの宣伝がかかれていて、何でよそのホテルの宣伝をするのかと、提携というシステムを知らなかったぼくは、子供心に不思議に思った記憶もある。

今回はいつもとは客室のタイプが違って、ウナギの寝床みたいに細長い部屋だった。どうやら、デラックスでなくスーペリアらしい。ウナギの寝床だから、バスルームも細長いし、クローゼットはバスルームとベッドの間にウォークインの形で配置されていてユニーク。アメニティは同等だった。一度は興味深く利用してみたが、やっぱりデラックスルームの方が一層快適だと思った。

Y.K.