1998.05.29
旧山手通り
フレンチレストラン「エブリーヌ」渋谷
喜-1

箱崎にあるロイヤルパークホテルのメインダイニングで腕を振るっていたフランス人シェフの店が、旧山手通りとR246の交差点近くにある。1階が結婚パーティーにも使用できるほどのスペースを有するサロンで、2階がダイニングになっている。料理は昼夜ともに大変リーズナブルで、一皿ごとのポーションが控えめながらも大満足の食事ができる。

この日はシェフが不在だったが、スペシャリテはもちろん、どの料理も良い出来映えだった。昼は3,300円で前菜、魚、肉、デザートまでがすべてグランドメニューから自由に選べる。選ぶ品物によっては別途追加料金が必要なものもあるが、豊富なメニューから選ぶ楽しみがあるので、その日の気分で、思い通りにメニューが組み立てられる。得意料理には印がついているので、参考になる。

この素晴らしい料理に対して、サービスにはいささか疑問が残った。この日はこの後直ぐにコンサートの本番を控えていたのでオープンと同時に11時30分に入店するよう予約を入れてあった。いざ到着してみると、入り口のすぐ横の大層落ち着かない席に案内された。きっとこの後常連さんがドッとやってくるのだろうから、めったに来ないぼくらはこの席でも仕方ないのかなって思っていた。

ところが、思いのほか席は埋まらず、奥の方の通常良い席とされるあたりには、予約無しの客が案内されていた。店には店の都合があるのかもしれないが、席のアサインには十分気を配ってもらいたい。

先日、有楽町でシャトーラトゥールを飲んだ際もそうだったのだが、この日もコルトンシャルルマーニュにショウジョウバエが入ってしまった。セコイ話しかもしれないが、グラス1杯で5,000円は下らないものが台無しになっても、店の対応はなんとも冷ややかなものだ。別にどうしてくれと言うつもりもないが、虫が入ったことを従業員に告げても顔色一つ変えず、ただグラスを替えて注ぎなおすだけ。

本来店内にいてはいけないものがいて、なおかつ料理に入ってしまったら、せめて遺憾を表現してくれても良い様に思う。それにしても、シャトーラトゥールで溺死できるなんて、なんて幸せ者だろう!

1998.08.16
渋谷にいい店、知りませんか?
フレンチレストラン「エブリーヌ」渋谷
喜-1

渋谷でおなかが空くと本当に困ってしまう。買い物といえばもっぱら渋谷の百貨店を利用しているのだが、デパートの食堂はぞっとしないし、近くにいいお店をまったく知らないので、大抵の場合は車で新宿か青山辺りへ出てしまう。

この日もどこへ行こうかと悩んだ末、ある店の真下から電話で予約を入れて出かけた。レストランへ行く時は、たとえ目の前からでも電話で予約を入れてから出かけることをお勧めする。店側にだって、たとえ1分でも準備の時間を与えた方がいいし、もし店に入ってから一杯だといわれて引き返すようになったら悲しいから。

店に着くと、いつもと同じ入り口脇の席に案内された。他に席はたくさん空いているのにいつもここにされてしまう。まぁ、いつも突然の予約だから仕方ないけれど。それとも、嫌われてるのかな?

入り口付近の席は好きでない。人の往来が激しいだけならまだしも、この店では度々自動ドアが開閉して、機械的な音が耳に入ってくる。一流店のメートルは、席のアサインに非常に頭を使う。店の雰囲気にも売り上げにも影響するからだ。今日はせっかくだからとびきりのワインでもと思っていたのに、グラスワインでいいやということになり、料理もあまり気張るのはやめようという具合に消極的になる。

結局、昼定食を注文して済ませてしまった。お粗末なサービスとは対照的に料理は元気だった。名物とも言うべき「赤ワインで煮込んだ牛頬肉と、人参の付け合わせ、クミンの香り」や「温製チョコレートのフォンダン、ココナッツのアイスクリーム添え」など、何度でも食べたい逸品だ。

帰り際に、7年の付き合いになるシェフとの雑談によると、近く代官山に自分自身の店を出店するとのことだった。11月下旬のオープンを目指しているが、まだ店名すら決まっていないそうだ。今からオープンが待ち遠しい。

Y.K.