1999.04.23
ラストオーダー
欧風台所「ラ・パレット」中央林間/「ザ・バブルオーバー」市ヶ尾
楽-1

この日の夜は、まずラパレットで食事。真弓マネージャーオススメのアルザスワインと新メニューで構成されたコースを楽しんだ。どの料理も季節感たっぷりで、素晴らしい出来映えだ。このレベルをコンスタントに保っているのは、実力のあらわれだろう。都心で遊びなれた友人は、もしこの店が代官山や青山あたりにあってこの価格だったら、連日満員に違いないと豪語していたが、確かにこの立地にはもったいない店だ。

しかし、いつも残念に思うことは、閉店時間に対しての観念が厳格すぎることだ。ラストオーダーの時間は昼が14時30分夜は21時だが、例えば21時間際に入店しようとすると22時が閉店だからと断られるケースがあるらしい。また、予約の時間に遅れラストオーダーの時間を過ぎてしまったら、何とか対応してくれたものの、ひとつの料理を食べ終える前に次々と料理を出され、煽られているようで落ち着いて食事ができなかったという話しも耳にする。

いくらでも選択の余地がある飲食店の中からこの店を選び予約を入れ、何かの事情で遅れながらも急いで駆けつけてくるゲストを無理に急かしてみたり、まだオーダーストップ前なのに「残念でした、又の機会にどうぞ」と店先でゲストをあしらえる神経はどうしても理解できない。なにも、夜半過ぎまで待てという話しではない。せいぜい1時間程度閉店が遅くなり、帰宅が少々遅れるだけだ。それも我慢がならないというのであれば、この仕事には向かないような気がする。

どうしても時間通り終わりたければ、役所に転職するといい。逆に、遅くなった場合でも、厨房の火を保ったまま待っていてくれ、いつも通りの料理とサービスを提供されたら、その店に一層魅了されるに違いない。それがサービスというものだし、喜んで待っていられるのがプロではないだろうか。注文の品数も食事のペースもまちまちだから、時間を限定するには無理がある。

そもそも、ラストオーダーの時間を設定しているのなら、閉店時間を決め込む必要はないと思う。少なくとも、時間内に受けた注文は、間際だろうと何だろうと、水準をクリアしたサービスと品質で提供するべきだ。一日も早く考え直して、ゲストの立場と気持ちを重んじ、柔軟に対応できるレストランになって欲しい。

食事が済んでから、また友人ひとりと合流。その友人が空腹だというので、場所をかえようということになり、市が尾の「The Bubble Over」に向かった。246号線を利用して、中央林間から15分ほどのドライブで到着。「The Bubble Over」は静かな住宅街にある、オールドファッションのアメリカンレストランで、金曜日の夜とあってか、駐車場は満車。店内もかなりの盛り上がりを見せていた。

ちょうど、初期のイエスタディの雰囲気そのもので、懐かしく思える。BGMは60年代のアメリカンロック。メニューは「ハードロックカフェ」のような内容で、オムレツやハンバーガー、ピザなどが中心。バーカウンターもあり、各種カクテルや輸入ビールがそろう。ケーキは店内のケーキファクトリーで焼かれる自家製で、ビッグサイズ。値段はどれも手頃。

Tシャツ姿でサービスに当たるスタッフは、気さくで明るい。店内の喧騒のせいで、オーダーをするにもおしゃべりをするにも、声を張り上げないとならないから疲れるが、これがこの店のノリなのだろう。客層は10代から30代前半までで、それ以上の人はほとんどいない。ぼくらが席についていから帰るまで1時間ほどだったが、その間他の客はほとんど席を立っていない。

賑わってはいるものの、相当回転率が悪いようだ。入り口では、空席待ちの列ができていて、「どのくらい待ちますか」との質問に対し、スタッフは「すぐ空くと思うんですけどねぇ・・・」と答えていたが、実際には1時間以上待っていた。辛抱強さに感心。予約も受けるらしいので、電話してからでかけた方がいいかもしれない。045-972-2424

Y.K.