1999.05.03
惨敗
東京マリオットホテル錦糸町東武 Standard Room
哀-1

2名1室で1泊1名9,500円サ込みという破格ながら、朝食とウェルカムドリンクチケット、夕食の20%割り引きチケットが付いている、お値打ちの宿泊プランを利用してみた。到着時、正面玄関に車をつけた時の印象は残念ながらよくなかった。ドアマンはいない様子だが、エントランスを入ってすぐのところにベルデスクがあり、2〜3人のベルガールがいるのがこちらから見えている。しかし、彼女らは外に注意を払っている様子がなく、気付いてもらうまでにしばらく時間を要した。

気付いて出てきてくれたベルガールは、「お待たせしました」と声を掛けるでもなく、「チェックインですか?」と落ち着いた面持ちで尋ねてくる。きっとのんきな性格なんだろう。そのまま彼女が部屋までの案内も担当してくれたが、なかなか感じのよいサービスをしており、きちんと教育さえすればもっと力を発揮できるはずなので勿体無いと感じた。

ロビーは2層吹き抜けで中心部にロビーラウンジ「クリスタルムーブメント」がある。営業時間が11時から19時までと短いのと、隣席との間隔が狭すぎるのが難点。コーヒーは700円だが、コーヒーミルクやシュガーはガストのものと変わりないポーション仕様だ。サービスも快適とはいえない。カフェレストラン「ベルカント」は内装もサービスもファミリーレストランの域を出ていない。サービス料を徴収するのだったら、もう少し考えてもらいたいものだ。朝食の提供はここ「ベルカント」での和洋ブッフェのみで1,800円。

客室の第一印象は天井が低く狭いことと、タバコの残り香が強いこと、そして近くを走る総武線の音が想像以上にうるさいことだった。ライティングデスクにランプが2つあり、右からも左からも手元に照明が当たるのはありがたいが、電話機が1台だけで不便を感じた。ランドリーサービスはエキスプレスなしで、更に休日はやっていない。

ルームサービスはかろうじてやっている程度の最低限の品揃えだ。バスルームはありきたりなユニットバスで、シャンプーは壁に備え付けになっており、アメニティも必要最低限だ。基礎化粧品などはロビー脇の自動販売機で扱っている。

客室のメンテナンスは先が思いやられる状態で、まだ開業してそれほど時間が経っていないにもかかわらず、絨毯は染みだらけ、バスルームの汚れや傷みが目立っていた。ラックレートで22,000円という設定はギリギリの線だろう。これ以上高いと不満が残りそうだ。

また、ホテル全体が安普請な造りで、さすが安いだけのことはあるという印象だ。ひとり1万円を切るプランで高い満足度に定評があるといえば、箱崎のロイヤルパークホテルが真っ先に思い浮かぶが、両者を比較してみると、施設の高級度、サービスレベル、客室メンテナンス、朝食の充実度などはもちろん、トイレットペーパーの質ひとつ取っても圧倒的にロイヤルパークホテルの勝ち。強いてこちらのよい点を挙げるなら、隣りにそごうがあることと、窓がすこし三角形に張り出していて、比較的眺めがよいことくらいだろうか。

1999.05.03
身近になったラグジュアリーホテル
「ベラルーサ」ホテル・ザ・マンハッタン
喜-2

開業当時の傲慢な姿勢はどこへ行ってしまったのか、今ではなりふりかまわず一円でも多く集めたいという必死の姿が逆に同情をそそる。以前の敷居の高い雰囲気は一掃され、サービスは気さくで接しやすい感じになった。当時座るだけで3,000円請求されたバー「スプレンディド」でも“得々フェア”や“さわやかメニュー”という世俗的なネーミングのプロモーションをして、今までの『成り金さんいらっしゃい』から『どなたでもお気軽にどうぞ』に作戦変更したようだ。

各レストランでも大幅な価格の見直しがなされて、手頃に楽しめるようになった。レストランの価格は概ね開業当時の半額だ。しかし、この立地ではこれこそが本来の姿で、初めからこの価格とクオリティーに更に上質のサービスとセンスを付加していれば、今こんなに泣きを見ないで済んだのではないかと思う。

2階にあるレストラン「ベラルーサ」は高い天井に白を基調とした清楚なコロニアル調インテリアが印象的。個性的なオブジェやシャンデリアなど、一度目にしておくのも損ではない店だ。予約無しでふらっと訪れたが、混み合っている様子はなく、すぐ席に案内してくれた。

昼のメニューは3,000円と5,000円の2コースのみでアラカルトはない。3,000円のコースには選択肢があるので、一通りのバラエティはあるといえよう。今回は3,000円のコースを注文してみた。オードブルとメインディッシュの2皿構成で、一品の量は少な目だから女性向きかもしれない。デザートはケーキ数種とアイスクリーム2種のワゴンサービスから好きなだけ楽しめる。料理はデザートを含め大変よく仕上がっている。

ワインは昼に限り幾つかの銘柄をバイザグラスで600円にて提供している。優良銘柄でお値打ち感は大きい。サービスは控えめで明るさには欠けるものの、概ね快適でよく気が付く。この日は5卓のテーブルを3人でサービスしていた。ワゴンサービスの存在を考えると、よくやっているといえるだろう。

また、店のメンテナンスは思いのほか良好で、フローリングの床や真っ白なシートカバーとカーテンなど、注意深く手入れをしていなければたちまち清潔感が損なわれてしまいそうな内装を実によく管理していると思う。夜の実力はどの程度か分からないが、幕張界隈ではもっともゴージャスな雰囲気でフレンチを楽しめる店だ。

1999.05.03
参加型ロビーウェディング
「ブローニュの森」新浦安オリエンタルホテル
楽-2

通りすがりに立ち寄ってみようと思いつき、エントランスに車を入れようとすると、係りが近寄ってきて「今日はどちらをご利用でしょうか?」と尋ねてくる。軽く食事でもしたいと答えると、すでにレストランはラストオーダーが掛かっていると言われ、では館内になにか軽く食べられうようなところはないのか聞くと、ラウンジでもよろしければと、駐車場を案内してくれた。

この若い女性の従業員は、丁寧な感じで受け答えをしてくれたので印象はよかったのだが、のっけからどこへ行くのかと尋ねる前にまず「いらっしゃいませ」と声を掛けるべきではないかと思った。どのような用向きでこのホテルを訪れたにしても客であることには変わらない。また、ラストオーダーだと案内されたレストランは、実際にはラストオーダーまで20分の時間が残っており、玄関ではあまり歓迎されなかったのかという印象になった。まぁ、宿泊客のための駐車場スペースの確保など、ホテルにも事情があるのだろう。

2階にあるフロントロビー周りには、各種のショップとレストランやラウンジがあり、一際目を引くのは中央に位置するアトリウムにあるラウンジ「ブローニュの森」とチャペルだ。ガラス張りの天井を持つアトリウムで、人造の木々が茂り、店名の示すように森の中にいるよう。ラウンジは座席がゆったりと配置され、自然光が降り注ぐ明るい雰囲気の中、快適なサービスでくつろぐことができる。

チャペルでは結婚式が執り行われていたが、即席のロビーウエディングではなく常設の施設で、しかも、通行人が参加できるように讃美歌の歌詞などが書かれたしおりも用意されているなどの工夫があり好感が持てた。全体的にサービスはフレンドリーで快適。今度は宿泊で利用してみたい。

Y.K.