2000.03.03
63回目の誕生日
「シンポジオン」鉢山町
喜-1

叔母の誕生日にあたり、食事に招待した。昔はオシャレなことに目がなく、豪快で颯爽とした女性だったが、歳とともに茶目っ気が出てきて、今ではすっかりかわいいおばあちゃんになっている。子供のころ同じ屋根の下に暮らしていたが、夜毎おめかしをして、今日は銀座だ赤坂だと出かけまくっていた彼女を見ながら、早く大人になりたいと密かに思いつづけていたのもだ。時には富士山や箱根まで思い立ったようにドライブに連れて行ってくれたり、ホテルでの食事に連れて行ってくれたりと、その時の気分を大切に過ごす彼女のライフスタイルは今の自分自身にも大きな影響を与えてきた。

そんな彼女に再び都会のときめきを呼び起こしてあげたかったこともあり、この店を選んだ。店からシャンパンのプレゼントがあり乾杯をして、メニューを眺めつつ今日の料理を決めてゆく。叔母の好みに合わせてチョイスしたものが、偶然にもこの日のコースとほぼ一致していたので、それを注文することにした。マリネした魚介を使ったサラダ、パスタ、子羊、そしてデザートと続いたが、それぞれに斬新なアイデアと大胆な盛り付けがなされ、ユニークながら味の良い料理ばかりであった。シソやしょうゆなど、日本の味覚をフレンチに巧みに取り入れてあり、これなら年配の人でも抵抗なくおいしく楽しめるだろう。

食後にはケーキのプレゼントがあり、希望すれば歌も歌ってくれそうだった。この店はしつらえも然ることながら、客層が都会的な感じなので、全体の雰囲気がとてもよく調和している。しかし、やもすればスマートさを心がけているつもりのサービスが鼻につくこともあり、そのあたりに留意してほしいところ。また、女性スタッフの中にパフュームがきつい人がおり、食事の席に果たしてふさわしいのかどうか疑問だ。食事中一人が中座している途中に料理を平気で出してしまうなど、フレンチのスタイルに注力し続けるひらまつにしては、らしからぬシーンもあり残念に思った。

しかし、叔母は久しぶりのシャンパンに酔いつつ楽しかったと満足げだったので、それ以上望むことは何もない。翌日から1週間、沖縄でのコンサートツアーに参加し、毎日元気に振舞っていたが、いついつまでもその調子で元気でいてもらいたい。

2003.03.16

「シンポジオン」鉢山町
喜-1

コースの内容が新しくなった。たまたまタイミングが良かったのかもしれないが、また違ったものを楽しめるとはうれしい限り。量を抑えて雰囲気を大切にした料理だが、目で見るよりも舌に対するインパクトの方がより大きい。また、次々と補充してくれるパンが種類も豊富でとてもおいしく、ついつい手が出てしまうので、料理がくる前におなかがいっぱいになってしまうからご用心。食後は空いていれば是非バーラウンジに席を移してくつろぐことをオススメしたい。バーのみの利用客も多く、座席数が少ないので残念ながらできないことが多いが、どうしてもという場合には、ダイニングの席を予約すると同時に、バーも予約するといい。

この日はボールルームでは「花の展示会」(ぼくの耳には「墓の展示会」と聞こえ、ずいぶんと瀟洒なロケーションで墓をセールスするんだなと思ったが単なる聞き違い)があり、各個室でもプレゼンテーションなどが行われており、非常に賑わいを見せていた。この店にはこうした活気が良く似合う。トイレには香が焚かれており、なかなかセンチュアルないい雰囲気。消臭効果もあっていいだろうが、嫌いな人は気をつけるべし。

Y.K.