2001.11.29
グリーンコイン
和歌山東急イン Single Room
楽-1

アメニティとグリーンコイン

関空から高速道を経由して30分余り、見事な紅葉が映える山並みを縫って走るうちに、和歌山へ着いた。和歌山は美しい城下町だが、本格的な国際級シティホテルが存在しない。国際ホテルを建てようという声は、各界からあがっているようだが、和歌山には古くから栄える旅館街があり、なかなか実現には及ばない現状があるそうだ。そんなわけで、和歌山でホテルといえば、和歌山東急インと和歌山ターミナルホテルのどちらかが、最も高級な部類にあたる。

和歌山東急インは、市の中心地に程近く、目の前には和歌山城を望み、立地的にはビジネスにもレジャーにも申し分ない。1階フロントは小さく、ロビーにも数人が掛けられるソファがある程度。奥にはティーラウンジがあるが、それも規模は小さい。その他にレストランや宴会場もあり、インとしては充実している方だと思う。

今回利用したシングルルームは、改装を終えたばかりでまだ新しい感じがした。面積は狭いが、必要なものはコンパクトにまとまっており、使い勝手は悪くない。しかし、クロゼットがないので、服は壁のフックに掛けるしかなく、コートや本番用のタキシードなど、着替えが多いために掛けきれず困ってしまった。ペイテレビは、自販機コーナーにあるカード販売機で、1,000円のカードを購入して、テレビに挿しこむ仕組みだった。冷蔵庫にもドリンクは入っているが、4階には自販機もある。氷は自販機コーナーに無料で用意されている。ズボンプレッサーは全室に標準装備。デスクにはモジュラージャックがあるが、パルス式のアナログ回線だった。

改装では、照明が主にリフレッシュしたようだ。235センチの天井にはシーリングライトが設置され、室内は非常に明るい。デスク、ベッドのほか、姿見にもライトがついている。ベッドには羽毛布団を使っているが、枕はひとつだけ。デスク引出しに常備されている、和歌山のガイドブックは寝しなの読み物としてうってつけだった。

バスルームは非常に狭かった。なんと、1.8平米。天井高は200センチしかない。バスタブは、先端が細くなっているタイプで、幅は広いところで55センチ、狭いところでは45センチしかない。タオルは2サイズが1枚ずつのみ。シャンプー類はディスペンサーで、その他のアメニティも必要最低限だった。歯ブラシやシェーバーなど、アメニティを一切使用しなかった場合は、アメニティトレーに載せられているグリーンコインをフロントに持参すると、森林保護への寄付ができるというシステムを取っている。ただ洗剤を節約しろだのという説教じみた提案でなく、実際に寄付に繋がる運動なら、協力のし甲斐があるように感じられた。

ワンルームマンションも降参のバスルーム シングルにはクロゼットはない

テレビとデスク 最小記録を更新したバスタブ

2001.12.01
紀州の梅とみかん
和歌山東急イン Semi Double Room
楽-1

和歌山城のライトアップ

一日置いて改めてチェックインした客室は、前回よりも心持ち客室幅にゆとりがあり、シングルベッドの代わりにセミダブルベッドを置いたタイプだった。その他の違いは、ナイトテーブルが設けられていることと、窓際に小さなクローゼットがつくといったところで、あとはシングルベッドの部屋と同じ。バスルームもまったく同等だった。前の部屋で重宝した和歌山のガイドブックは、この客室には置いていなかった。

このホテルでは、城側と裏側とで、眺めに雲泥の差がある。裏には隣接してすぐにビルがあり、まったく持って閉塞的な眺めになっている。このホテルに泊まるときは、ぜひ城側を利用した方がいい。

朝食は最上階のレストランで用意されている。和洋のブッフェスタイルだが、圧倒的に和が充実している印象だった。品数で勝っているというよりも、紀州の名産品コーナーの印象が強いからだ。釜揚げしらす、肉厚の梅干、かまぼこ、みかんなど、どれもさすが現地の品物といった感じで美味しかった。

シングルに比べて広々したベッド 室内全景

窓際にクロゼットがある 昼間の和歌山城

Y.K.