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2002年4月20日

ホテル ザ・マンハッタン Plaza Suite
楽-3 正念場はこれから
リビングルーム
4月からラックレートが改められた。かつては100,000円だったプラザスイートは、70,000円になった。70平米なので、平米あたり1,000円。ロケーションを考えればまだのぼせているようにも感じられる。しかし、実際には各種宿泊プランやインターネット予約サイトで、結構おトクな料金が提示されているので、より気軽に利用できるようになった。とにかく、このホテルがまだ元気に頑張っていて、より健康に生まれ変わるところだということを、もっと広く知ってもらわなければなるまい。

ロイヤルパークホテルズの一員になってから、このホテルの雰囲気はずいぶんと変わった。気取った感じが払拭され、スタッフは明るさや親しみやすさを大切に振舞うようになった。フィットネス施設は廃止され、代わりにブライダルを充実させた。今更エグゼクティブ志向など、こんな辺鄙な場所では流行るはずもないのだから、正しい選択だと思う。これだけ立派な建物だから、ブライダルに力を入れれば、評判もよくなるだろう。客層もずいぶんと変わった。というか、以前は閑散としすぎていて、比較のしようがないのだが、以前は少なかったディズニーリゾートへのゲストや、女性のリラクゼーションお泊りが、ぐんぐんと増えているようだ。駐車場に入らず、正面玄関先に並べられたワゴン車が、客層の変化を物語っている。

客室は非常に立派。もうしばらくはこんなホテルが建つことはないだろう。細部にまで凝った造り、しっかりとした家具、壁紙ではなく塗り壁であることなど、どこを見てもたいしたものだ。しかし、ずいぶんと粗雑に扱われて来たのが、手入れの行き届いていない部分が目立つ。傷の修繕はまったくの素人芸。珍しい窓ガラスは汚れ放題。せっかくの建築を、いかに大切に長く使うか、これから頑張って目を向けてほしいところ。

プラザスイートは3つの部屋で構成されている。入り口から近い順に、リビング、寝室、バスルームとなっており、それぞれに同程度の面積を割いている。リビングの天井高は280センチ、バスルームでさえ270センチもの高さがある。シャンデリアが下がっていても邪魔にならないゆとりの高さだ。一方ベッドルームは245センチと低めになっている。寝室は、あまり天井が高すぎない方が落ち着いて休むことができる。

ベッドは125×195センチで、やわらかめのベッドだが、羽毛の掛け布団が心地よく、快適に眠れる。デスクはベッドルームに置かれているが、小さい上に電話機もなく、やや不便な感じ。リビングにはソファと肘掛け椅子がセットされているが、ダイニングテーブルがないので、休息やくつろぎのための設計が主眼となっている印象だ。客室入り口と、ミニバーの周辺には、ずいぶんと無駄なスペースがある。総じて客室は広くないので、もっと有効なレイアウトにするべきだったかもしれない。

バスルームは素晴らしい。窓際に斜めに配置されたジャクージ付きの大型バスタブはこの客室の顔。窓を開け放って浸かりたいところだが、たいした眺めではないだけでなく、あちら様から丸見えなので、周囲の皆さまの気分を悪くしないよう、ここは遠慮してブラインドカーテンを降ろす方がいいかも。ベイシンはダブルで、その奥には広いシャワーブース、別室になったトイレが設けられている。

そのほか、アクセントにもなっているグリーンのドレッサーがある。バスルーム内は細かく調光が可能なのもありがたい。しかし総大理石張りで豪華な空間に対して、ありきたりなアメニティは貧相だった。電球切れ、ポットの故障など、清掃の最終チェックが十分にできていないという現状もあり、まだこれからが正念場のホテルだ。

ベッドルーム 日差しが入る客室

リビングは狭い割りに大きな家具がある リビングの額

大きなソファ アーモアのてかり具合もいい

広いバスルームに大きなバスタブ ちょっとセコいアメニティ

アールデコのシャンデリア パブリックスペースの一角

2002年4月20日 夜
ホテル ザ・マンハッタン 「ベラ・ルーサ」 マンハッタンキュイジーヌ
楽-3 BGM
店の前のディスプレイ
天井が高く、白を基調とした店内は、ミュージアムのようでもあり、コロニアルスタイルの薫りが漂う。客席はカーブを描く壁面に沿って、数席ずつのセクションに分けてレイアウトされているので、ダイニングホールというより、サンルームやベランダのような印象を与える造りだ。この日は奥の窓に面した席を用意してくれたが、窓の外に見えるものと言えば、現実を感じさせるものばかりなので、むしろ窓の外が見えない席の方が、この店の雰囲気を十分に満喫できるかもしれない。とにかく、汚れた窓とその外に見えるものには興ざめする。

料理はコースが中心となっている。3千円台の手軽なコースから用意されており、5,000円のプリフィクスコースで、十分にこの店の料理を楽しむことができるだろう。料理はネーミングこそ、結婚披露宴のメニューのようで、読んでいて恥ずかしくなるようだが、なかなかの出来栄えだった。残念なのは、食後のコーヒーがぬるかったこと。

また、BGMには有線放送のジャズを流しているが、この店にはまったく不釣合いだった。最近はホテル内のBGMとしてジャズを採用するホテルが増えてきたが、ピタリと合っているところはほとんどない。失敗の原因は選曲にあると思う。一口にジャズと言っても非常に幅が広く、BGMとして適さない演奏も多い。この店で流れているのは、扇動的で派手なアドリブがあるピアノ演奏や、けだるいヴォーカルなど、何でも屋状態。もっとスムーズなものに的を絞った選曲をすべきだと思う。サービスには気取りがなく、親しみやすかった。

2002年4月21日 朝
ホテル ザ・マンハッタン 「おりじん」 日本料理
喜-3 霧噴水
朝8時過ぎ。いつもの朝よりは寝坊をして、朝食をとりに「おりじん」へ行ってみた。席について辺りを見回したら、他にゲストの姿はなかった。注文を済ませ、料理が来るまでの間、店の中をしみじみと見てみた。細部まで凝った造りになっており、面白い意匠の宝庫だ。また、窓の外には、ちょっとした庭があり、それがまたよくデザインされている。霧を吹き上げる噴水があって、それが独特の雰囲気をかもし出している。
料理もまたよくできていた。器も面白いし、サービスもなかなかいい線をいっている。後になって、ビジネスマンと思われる男性の一人客が何組か店に入ってきた。客層だけを見ると、エンジニア系の派手さのない、堅実な雰囲気のゲストが多く、この装飾的な内装を彼らがどう受け止めているのか興味深かった。

[ホテル・ザ・マンハッタン] 920502

Y.K.