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2002年11月3日

フォーシーズンズホテル椿山荘東京 Deluxe Room City View
喜-2 灰皿
客室に用意された茶のセット
東京にフォーシーズンズが登場してから10年が経った。ホテルも10年経てば、多少古臭さを感じさせるものだが、このフォーシーズンズは、微塵も古さを感じさせない。建物のメンテナンスは間違いなく国内最高レベルだ。では、サービスはどうだろう。最初がよかったとは言えないので、開業当時と比較したら、ある意味洗練もされたし、椿山荘という立地条件にマッチした独自のサービススタイルも確立してきたように感じられる。

豪華な設備とブランドイメージがあいまって、華美な婚礼が少なくなった今でも人気を博していることもあり、平日と週末とでは同じホテルとは思えないほど、雰囲気が異なる。週末にチェックインしようとすれば、かなりの混雑を覚悟しなくてはならないが、スタッフたちも相当に身構えていることだろう。その結果、客は待つものという考えが定着してしまった感が否めない。

チェックインをするのに、名前を尋ねられ、順番にカウンターに案内される。カウンターではラグジュアリーホテルらしく、一組ごとに丁寧な対応を心がけているが、それが更に待ち時間を長くしているのも事実だ。手続きが済むと、今度は部屋へ案内する係の手があくまで待つことになる。椅子も各所にあるが、混雑した館内で腰掛けるにも、相当の強運が必要だ。やっとの思いで部屋に案内されると、今度は荷物の到着を待たされる。

正面玄関で預けた荷物は、別便で部屋へと届けられる。マニュアルにはお届けまでの制限時間も記載されているが、それが守られることは少ない。こうも待つことが重なると、スタッフの優雅な物腰に、苛立ちを感じることもある。優雅さとキビキビとした動作とは、なにも相反しはしない。慌てて雰囲気を壊すことはタブーだが、ゲストの時間を一瞬でも無駄にしないという基本姿勢は、常に念頭に置くべきだろう。

今回利用した客室は、シティビューのデラックスルーム。ちょうどエレベータホールの隣に当たる、折れ曲がった建物の節目に一番近い客室だ。スーペリアルームを横に引き伸ばしたような形状だが、窓の大きさはスーペリアルームと同じ。ベッドのある壁と、デスクやアーモアのある壁とが、かなり遠く離れているため、室内の中央にとても広い空間ができている。そこには特になにも置かれていないので、ダンスでもしたくなるようだ。広いのは結構だが、ベッドからテレビまでの距離が遠すぎて、寝そべってテレビを見るには不都合な広さでもある。

バスルームそのものはスーペリアルームとまったくもって同じだが、バスルームの手前に独立したドレッサーが置かれ、鏡の前で過ごす時間が長い人にとっては欠かすことのできない空間になっている。しかし、総じて広さ以外にこれといった魅力がなく、わざわざ高い料金を払ってこの部屋を選択する必要はまったくないだろう。ツインルームには通常ひとつしかないソファがふたつあるというのも、この部屋の特徴となるくらい、特別なウィークポイントのない客室だった。

そして、客室内では静かに過ごしたいという人は気を付けなければならないことだが、このホテルではエレベータ(ゲスト用、業務用とも)、非常階段、サービスステーションに隣接した客室では、静寂はあり得ない。どうも音が響きやすい構造のようで、これらの条件の客室では、昼夜を問わず、それ相当の音に悩まされることだろう。チェックイン時にリクエストを忘れずに。

フォーシーズンズでは、禁煙室にも灰皿が置いてある。といっても、喫煙室のようにテーブルに載っているわけではない。おそらく引き出しのどこかに隠し置かれているはずだ。ここが禁煙室だと知らずに訪ねてきた人が、間違ってタバコに火をつけてしまった場合、それを始末する場所として、念のために用意されている。(ならマッチを添える必要はないのでは?と思うのだが、マッチも付いている。)

この灰皿を見て、禁煙室を頼んだはずなのに、喫煙室の灰皿を隠しただけで即席禁煙室にして売ったんだろうと怒り出すゲストもいるそうだ。確かに、そうした手段を使うけしからんホテルも少なくない。喫煙室かどうかは、カーテンに近づけばすぐにわかるし、たとえ喫煙ルームだとしても、完全に臭い対策を講じていてくれれば、それはそれで構わない。自分の鼻と許容範囲を信頼することだ。

今回はチェックインでは少々待つことがあったが、それ以外のシーンでは、迅速な対応に恵まれ、快適に過ごすことができた。そして、とにかくこの洗練を極めた空間で、丸一日過ごすだけでも、十分にリフレッシュができるだろう。

ロビーから続くゴージャスな空間 鏡の縁もそれぞれに個性的

バンケットフロアのロビー バンケットフロアの一角

シャンデリア ロビーにある中国箪笥の扉

ロビーから4階への階段 ロビーからバンケットフロアに階段で降りたところ

ベッドカバーの掛かった状態 リビングリビングスペースは窓に囲まれている

室内の中央には非常に広いスペースがある ダンスの練習ができそうなほど広い

2002年11月3日 夜
フォーシーズンズホテル椿山荘東京 リストランテ「イルテアトロ」
喜-3 ポルチーニと白トリュフ
イタリアを代表する香る食材、ポルチーニと白トリュフを使ったプロモーションを行っていた。プロモーションメニューには、眺めているだけで、香りが出てきそうな、魅力的な料理が並んでいる。アラカルトでいくつか選び、それぞれの料理に、白トリュフをエキストラでトッピングしてもらうことにした。トッピングの白トリュフは、目の前で削られ、削る前と後とで重さを量り、その差の重量に値する料金が加算される。

テーブルを担当した係は、優雅な雰囲気とは程遠く、どちらかというと調理人か、はたまた漁師などが似合いそうな生真面目な人だった。テーブルの演出力には欠けていたが、よくテーブルを見ていて世話をしてくれた。ところが、時間が遅くなり、空席が多くなると、係が徐々に仕事から上がりだし、担当エリアが広くなるのか、次第に目が行き届かなくなっていった。

また、運ばれてきたワイングラスが使用後のものだったり、コーヒーの器が汚れていたりと、初歩的ながら致命的なミスが続いた。もしかすると、視力に問題があるのかもしれない。

料理は非常に素晴らしかった。サービスも頑張ってはいるが、料理のレベルには追いついていない。また、店の中央に飾られた花は、随分とモダンな雰囲気になったが、店のインテリアには合っていないし、見た感じもダサい。

[フォーシーズンズホテル椿山荘東京] 920523 930710 930715 930721 940402 960105 960921 970321 981015 990320 000319 000330 011113 020713

Y.K.