コンサートで会いましょう
喜怒哀楽トップページへ

2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
ホテル別インデックス
レストラン別インデックス

2003年6月29日

パークハイアット東京 Park Room
喜-2 ホテル界のホストクラブ
ベッド上のオブジェ
ラグジュアリークラスのデザインホテルのさきがけとして東京にオープンたのが1994年。以来、圧倒的な演出力でゲストを魅了し、開業から9年経った現在でも、不動の人気を保ち続けている奇跡のホテル。それまでのホテルに対するイメージを大きく塗り替え、斬新なアイデアを盛り込んだ戦略で、競争の激しい東京において先頭を走っている正真正銘の勝ち組。それがパークハイアットだ 。

そして、多くのホテルがパークハイアットの成功にあやかろうと、デザインを真似たり、業態を真似たり、あの手この手で悲しい二番煎じを演じ続けている。しかし、デザイン以外に真似る価値があるところなんて存在するのだろうか?高いデザイン性と卓越したセンスによって完成した、ゆとりある贅沢な空間さえあれば、サービスの実力などこの際どうでもいいという気にもなってくるから不思議だ。

この日もチェックインからチェックアウトまでマイナスポイントとなる事柄が続いた。チェックインを担当した若い男性の係は、表情こそソフトだが、何かにつけて言い訳がましい言葉を口にするばかりか、肝心な宿泊予約内容の確認などをまったくせず、曖昧な部分を聞きただすと、随分と挑戦的な態度を取ることも気になった。案内された客室は清掃が不十分だった。床には掃除機を本当にかけたのだろうかと思うほど、前の客が床に散らかしたフランスパンのクズが散乱したままだった。

家具のいたるところも皮脂かなにかで黒光りしていて気持ちが悪い。また、窓際に置かれた竪琴に手を添えた様子をかたどったテーブルでは、その竪琴の弦に見立てた糸が片寄ってだらんと垂れ下がっていたが、自分でいじってみたらすぐに直ったので、これも客室清掃の最後にチェックをする者の見落としだといえるだろう。バスタブの脇にはシャンプー、コンディショナー、ボディローション、バス&シャワージェルが並べてあるはずだが、バス&シャワージェルはなく、シャンプーが2本置かれていた。しかも、それぞれあらぬ方を向いており、だらしない印象を受けた。

しかし、ターンダウンでは何をしていたのだろう。使用したタオルを下げるのみで、新しいタオルは補充していないし、ベッドにもまったく手を加えていない。バスタブに落ちていた何本もの長い髪の毛もそのまま。ちょっと照明を落としてあるだけで、ラグジュアリーホテルにおける夕方のメードサービスとしてはいい加減な部類だ。

これらのことがなければもっと快適だったと思うが、それでも50平米を越える客室で過ごす時間はなかなかのものだった。そして、10周年を翌年に控え、客室内の部分的な改装にも着手しており、今回利用した客室はすでに改装されたものだった。基本的なテイストはまったく変わっていない。ファブリックもインテリアのコンセプトも当初のまま。目に見えて手が加えられたのは、ミニバーやAVシステムを収納するキャビネット部分だけだ。

新しいキャビネットは以前にも増してデザイン性に優れ、家具に仕込まれた照明の効果もあって、単なる収納ではなく、魅せる収納として室内にスパイスを与えている。テレビは大型プラズマテレビになり、DVD/CDプレイヤーを備えている。また、新しく導入された氷入れは、置物としても存在感のある品物だ。これを改装と呼ぶにはあまりにマイナーな変更だが、以前よりもずっと便利になっただけでなく、見栄えもよくなった。LANは無料。ミニバーにセットされた無料のコーヒーも、本格的ドリップ式のものが用意されている。

バスルームはまったく手を加えていなかった。高い天井、調光可能な照明、多数のチャンネルを楽しめるテレビ、ふかふかのバスローブと、モルトンブラウンのアメニティなど、大変よく考えられたバスルームだ。しかし、それだけに非常に残念だったのは、タオルの質だった。くたびれて黒ずみ、おまけにくさいタオルばかりがセットされ、肌触りのよいタオルは1枚もなかった。このような耐用期限を過ぎたタオルを平気でセットする神経だけでも、ラグジュアリーホテル失格だ。

以前にも感じたことだが、パークハイアットで最もサービスが優れているのは、クラブオンザパークだろう。明るく快活で、しかも親切。どうして、宿泊やレストランの連中もこのようなサービスができないかといつも不思議に思う。いつもは気になるプールの水質も今回はよかった。ただ、天井の照明に電球切れがあるのが目立っていた。

翌日は12時過ぎにチェックアウトした。出発に際してベルアテンダントを呼んだが、いくら待っても来ない。新宿駅から特急列車を予約してあったので、時間的な余裕がなくあせっていたが、こういう時に限って待たされる。しばらくしてからもう一度電話を入れて様子を尋ねてみるが、「今、向かっています」との返事。しかし、その後もなかなか現れず、荷物を部屋に残したまま、チェックアウトをするためにキャッシャーへと向かった。

キャッシャーでは、まず部屋に荷物を残してあるが、急いでいるので早く下ろして欲しいと伝えた。そのあたりでうろうろしているベルアテンダントを捕まえればいいものを、私の管轄外だというような顔をしながら右往左往。ちょっと強く出たら、やっと行動を起こしてくれた。結局、会計が済んでから、レセプション前のソファに座って待っていたが、荷物に関してはどうなっているのか声を掛けてくれる者はいなかった。

痺れが切れそうになり、係をつかまえて尋ねてみると、すでにエントランスでタクシーに積み込んであるとのことだった。そのような華麗な手回しができるのは天晴れだが、そうしたことを本人に告げなくては、意味がないのではないだろうか。エントランスから乗り込んだタクシーの運転手は、非常に親切だった。物腰もやわらかく、紳士的に感じた。それもパークハイアットとのギャップゆえだろうか。急ぎであることを伝えると、少々無理をして駅まで急いでくれ、荷物を途中まで運んでくれるという親切ぶり。チップをはずんで別れを告げた。

今回の滞在を振り返ってみて、不満だったのかというとそうでもない。行き届かない点はあっても、便利で広く雰囲気もある客室で、だれにも邪魔をされずに過ごす時間は快適そのものだし、館内のどこを見ても一貫したデザインコンセプトのライン上からはみ出しているものは微塵もない。これは見事なことだし、このホテルの最大の魅力でもある。寝て起きるだけで7万円。その価格を考えれば、お菓子やコーヒーなどちょっとしたうれしい小細工はすべて料金のうちだろうと言えないこともないが、それがゲストの気持ちをぐっと掴んでいることも事実なのだ。

サービスはまだまだ。値段を考えれば許しがたいレベルでもある。しかし、このホテルが本質に目覚めたら、無敵のホテルになれるだろう。今のパークハイアットは、性根が悪くても、ちょっとしたプレゼントやリップサービスの連発で、次々と獲物を手に入れるジゴロ的なホテルだ。そのうぬぼれ具合や、中身の無さも承知の上で酔わせてもらえば、結構楽しい遊びができるホテルなのだ。そして、ゲストのサイフの紐を緩ませる巧みなテクニックはまさにホストクラブ的。難しいことを考えずに、遊び心だけで散財するというのも、悪くない。

ゆとりのある室内 元祖真っ白なベッド

シンプルだが機能性を極めた客室 肘掛け椅子とコーヒーテーブル

新しく導入さっれたキャビネット 単なる収納ではなく魅せる収納だ

たかが茶。されど茶。 ウェルカムお菓子

キャビネットをオープンすると、ミニボトルが美しくディスプレイされている ポットも不要なときは隠れるのがいい

オブジェとしても見栄えがいい氷いれ 満載の冷蔵庫

インルームリラクセーションに用意されたCD DVD/CDプレイヤー

シャンパングラス ライティングデスク

西日を浴びるベッド ベッドサイドのラック

ウォークインクローゼット ベイシンの両脇にはガラスのドレッサー

巧みなレイアウトで広々使える 縦配置のバスタブ

モルトンブラウンのアメニティはなぜかシャンプーが2本 アメニティはカゴに入っている

プール プールサイドにはジム

エレベータホール 客室階廊下

ロビー階の一角 ライブラリ

パークハイアット東京 950324 960518 970104 970216 990412 990530 011225

Y.K.