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2003年7月5日

羽田東急ホテル Standard Room
喜-2 梅雨の狭間のひとときの夏
プールからホテル棟を望む
羽田東急ホテルのプールがオープンする初日、その日は土曜日だったが、東急ホテルから送られてくる会報誌で紹介されていた「の〜んびり夏ご宿泊プラン」に空きがあったので予約してみた。1室2名利用、プールが2日間自由に使え、朝食が付いていて1室20,800円サ込みと手頃だった。さらに女性にはアユーラの化粧品やとうがらし茶などがセットになった透明ポーチがプレゼントされる。その上、コンフォートメンバーなら、通常11時のチェックアウトを3時まで無料で延長できるのもうれしい。

チェックインの前後でもプールを利用できるとのことだったので、午前中のうちにホテルに到着し、チェックインの手続きだけ行い、プールの利用券などをもらって、早速プールサイドに出てみた。プールの係たちは、まだ初日だからか、システムに慣れていない様子で、チケットの取り扱いや設備の説明などがぎこちなかった。プールはオーソドックスな長方形で、特段面白い仕掛けなどはない。プールサイドにジャクージなどがあるわけでもなく、本当に昔ながらのプールといった感じだ。

プールの脇には広大な芝生のガーデンがあり、そこには相当な数のデッキチェアが置かれているが、それを利用するには別に1,000円の料金がかかる。プール受付でデッキチェアの利用を申し出て1,000円を支払うと、専用の大きなタオルが渡され、それを好みのチェアに敷いて使うというシステムだ。芝のガーデンにはところどころ南国風の木が植わっており、それをビーチパラソル代わりにして寝転ぶとちょうどいい。しかし、この日の日差しは強く、午前中にほんの1時間寝転んでいただけで、肌が真っ赤になるほどだった。

プールの水もまだ新しくキレイだが、水温が低いので体を慣らしながらゆっくりと入る必要があった。初日だからか、ホテルの黒服や関係者が次々にプールサイドを訪れ、様子を伺っていた。ここのプールサイドは裸足で過ごすという決まりがあるにもかかわらず、ホテルスタッフたちが靴のまま何の憚りもなく闊歩する様子は不愉快だった。

ガーデン内にはガーデンレストランがオープンしていた。バーベキューが人気で、家族連れなどがテーブルを囲んで楽しんでいたが、結構料金は高い。自分たちで調理もしなくてはならない割には随分な値段設定だと思った。昼間に限っては、チャーシューメン、カツカレー、焼きそば、牛丼がそれぞれ1,000円(税込み)で販売されている。肉気のない料理はないのかと尋ねると、トマトサラダを薦められた。トマトをスライスして500円。なかなかいい商売をしている。あまり食欲をそそるものがなかったので、トマトサラダだけを食べて、昼過ぎにはプールを後にし、コーヒーショップに向かった。

食事を終えてチェックインしたのが、午後2時ごろ。このプランのチェックインタイムは午後3時からだったが、早目のチェックインにも応じてくれた。フロントはとても小さく、地方の役所の観光課みたいな雰囲気がある。正面の壁に掛かった色気のない時計が一層そんな印象を深めている。ロビーにはソファなどが用意されているが、数がさほど多くなく、アジア系のエアクルーたちに占拠され、ロビーでのくつろぎを実感する機会は得られなかった。

客室へと向かうエレベータは旧型。改装する前のキャピトル東急と同じ緑の丸いボタンが付いている。廊下も古びているが、室内はもっと古びている。古い客室独特の湿ったようなにおいもする。面積は23平米程度とツインルームとしては狭いが、シングルベッドを使用しているので、さほど窮屈な感じはしなかった。肘掛け椅子にライティングデスク、そしてスタンドと、オーソドックスなホテル客室だが、今となってはこうした何の変哲もない古びた客室の方が珍しくなりつつある。あと10年もすれば絶滅してしまうだろう。

デスク付近にコンセントを探したが、バゲージラックを手前に引きずり出してやっと見つける事ができた。モジュラージャックはなく、ナイトテーブルの電話線を引っ張り出す必要があり、オンラインを確保するのは大仕事だった。デスクの脇にあるテレビは、以前キャピトル東急ホテルのエグゼクティブフロアで使われていたものと同じなので、もしかするとキャピトルを改装したときに、こちらに持ってきたのかもしれない。窓の外にはモノレールが走り、その向こうのかつて空港ターミナルがあった空き地は荒涼としている。2重窓にはなっているが、モノレールの音や遠くの滑走路から聞こえてくる旅客機の音は結構聞こえてくる。まるでのぞみが通過する新幹線沿いのような音が低く響いていた。

バスルームはタイル張りで、室内同様オーソドックスなもの。アメニティは一通り揃うが面白みがあるものではない。しかし、これだけ古い設備を、丁寧に長く使い込んでいるのはたいしたものだ。不潔な印象もなく、必要な水準は満たしている。安っぽいビニールクロスよりも、タイルの方が風合いがあってずっと高級に見える。高さを自在にコントロールできるシャワーヘッドのホルダーや、三面鏡にもなるミラーが便利だった。トイレは洗浄機能付きで、タオルは3サイズ揃っている。

このホテルにはメインのホテル棟のほかに別館があって、バスタブを持たないシャワーのみのシングルルームをはじめ、リーズナブルな客室が1階と2階にある。この棟はかつて羽田プリンスホテルだったそうだ。夜に外から見ると、宴会場として利用されているパーティハウスのネオンサインがアメリカンな雰囲気で、興味をそそる。それにしても、プールサイドから見るホテル棟のフォルムは美しくない。増築した時の処理が中途半端だったのだろう、まるで田舎の公立学校の校舎のようにも見える。空港新ターミナルが完成したら転居するとのウワサもあるので、このホテルが建物としての役割を終える日もそう遠くはないのかもしれない。

翌日は朝から小雨が降っていたが、プールは営業を始めていた。しかし、程なくして悪天候を理由に営業を休止。午後には雨もやんできて、時折晴れ間ものぞいでいたので残念だった。チェックアウト時のベルデスクの対応は早かった、客室係とベルデスクの電話番号が同じなので、客室係に用があって電話をすると、ベルデスクですと応対し、ベルを呼ぼうとすると客室係が応対するなど、ちぐはぐであった。なぜ分けないのか不思議。

ノスタルジックな室内 ベッドはシングルサイズが2台

ドレッサーを兼ねたライティングデスク ちょっとレトロなランプ

アメニティ ベイシンの脇にトイレが配置

客室階廊下 窓のすぐ外にはモノレールが行き交う

ロビーから2階への螺旋階段 ロビーのシッティングスペース

パーティハウス とても小さなフロントカウンター

デッキチェアの並ぶガーデンにはチャペルも ガーデンからホテル棟を見る

2003年7月5日 昼
羽田東急ホテル レストラン「バルーン」
喜-1 カレーフェア
お蕎麦屋さんの鴨カレーライス
昼過ぎに行ったら、すでに食事を終えて店を後にするゲストが多く、程なくして貸しきり状態になった。ランチタイムにはお得なメニューが用意されているが、全国の東急ホテルズで開催しているカレーフェアのメニューが興味深かった。東急ホテルズの各地区ごとで料理コンテストを開催し、それぞれの地区の優勝作品をランチタイムに味わえるというもの。いくつかのカレーが紹介されていたが、今回目を引いたのは、関東ブロック優勝、赤坂エクセルホテル東急の「お蕎麦屋さんの鴨カレーライス」だった。1,500円でサラダバーがついている。モダンなスクエアの皿に山椒が入った炒めご飯と鴨とネギの串焼きが添えられ、ダシの効いたマイルドなカレーがポットで提供される。もうランチタイムも終了間際なのに、サラダバーには新鮮で状態のよい野菜が並び、ディスプレイも美しく、ゼリーなどの軽いデザートもあった。

翌朝の朝食にもこの店を利用した。入口で朝食券を渡すとその後はどうぞご自由にという感じで、席への案内もなく自由席だ。和洋のブッフェだが、特に和が充実。2種の焼き魚、肉じゃが、焼きたらこ、とろろ、豆腐となめこの味噌汁など、豪華版ではないが安心感のある日常的な品揃えだ。昼の閑散とした様子がうそのような賑わいで、客室の稼働もなかなかだったことをうかがわせていた。朝食券がない場合は1,700円で利用できる。

2003年7月5日 夜
羽田東急ホテル 天ぷら「天松」
楽-3 閉店間際
21時半には閉店する店に、21時に入った。その時間でちょうどラストオーダーになった。この天ぷら店はホテル直営ではなく、テナントらしい。ホテル内の店として恥じない清潔感と、個人店のような安らぎとぬくもりのある店だった。夜食代わりだったので、一番手頃な2,500円の清流コースを注文した。造り、冷奴、もずく酢に、天ぷら一式、そして食後にはフルーツもつくという充実の内容だった。目の前で丁寧に揚げられる天ぷらは香ばしい。華やかさはないが、ほっとくつろげるいい店だった。閉店間際に入って、安い注文しかしない客であったが、いやな素振りを見せることもなく、きちんといい料理を提供してくれた。

[羽田東急ホテル]

Y.K.