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2004.04.24.(土)

帝国ホテル Moderate Room
Imperial Hotel
哀-3 プライドとともに揺らぐホスピタリティ
正面玄関
正午だったチェックインタイムを14時に改めてから、14時から15時くらいまでの間、チェックインがとても立て込むようになってしまった。病院の待合場のようにイスに座って名前を呼ばれるのを待たなければならない。ファミレスと大差ない状況の中、これが天下の帝国ホテルかと思うと情けない気もする。しかし、数多い客室を埋めるために、未だかつてない低価格を打ち出したことで、客層そのものにも大きな変化があるようだ。実際のところ、働くもののプライドこそが、最も揺らいでしまっているのかもしれない。一日も早くかつての風格を取り戻して欲しい。

しかし、この調子では復活を遂げる日はまだまだ遠い先だと考えざるを得ない状況も散見された。今の正念場を誇り高く乗り切らずにどうするのだろうと、腹が立ちもした。日本のホスピタリティを象徴してきた憧れのホテルは、いまどこへ向かおうとしているのか。現状を打破するための大胆なアイデアに期待を寄せるとともに、その感覚の微妙なズレに危機感を募らせずにいられない。そんな滞在だった。

行列に並び、やっと名前を呼ばれてカウンターに立った。係の態度は感じがよかった。部屋のアサインが決まり、支払方法について尋ねられた。今回は自費での滞在でないので、現金で支払ってしまいたかった。そのように答えると、デポジットを12万円よこせと言われた。クライアントに負担を掛けないよう、一休.comを探して、2泊で3万円という手頃なプランを予約してあっただけに、いきなり宿泊料の4倍のデポジットを要求されて驚きを隠せなかった。

何かの間違いではないかと尋ねたが、「お部屋代金が1泊43,000円の2泊で86,000円となりますので、少し多めにお預かりしたいのですが」とのこと。この時点で初めて予約内容に誤りがあることがわかった。それにしても、このゴールデンウィークの最中に、ラックレートで宿泊するゲストなど、もしいたとしてもごく少数なはずだ。彼はチェックインをひっきりなしに担当しているわけだし、一休.comからの予約であることは初めから把握していた。にもかかわらず料金がおかしいのではないかと疑問を感じない鈍さにはあきれてしまう。

無駄な時間を要しながら手続きを終えたが、今度はベルアテンダントの手が空くのを待たなくてはならなかった。診察が終わったら、今度は薬待ちというのと同じような状況だ。やっと待って案内された客室は、ベッドがひとつ。今回はツインで予約していたはずなのに。ここでまた待たされることに。これはダメだと思い、マネージャーを呼び、一連のことを説明すると、一応の詫びがあった。ひとつひとつはたいしたことはないが、ミスが連続すると、不満は指数関数的に膨らんでゆく。今の帝国ホテルは、ホテル業界の大手銀行だ。

やっと落ち着いた客室には、マネージャーから花とフルーツが届けられた。新鮮で美しいものは、苛立ちを鎮めてくれる鎮静剤だ。42平米のモデレートルームは、窓際に広いリビングスペースを持つゆとりの客室だった。居室を広く取った分、バスルームが狭いタイプだが、全体に使いやすいレイアウトをしている。眺めは帝国ホテルの中では最も悪い部類ながら、ビルの谷間の上に広い空を感じられた。チェックアウト時にも改めて詫びがあり、害した気分も元に戻して出発できた。

日比谷公園から望む帝国ホテル 本館の正面に掲げられたロゴマーク

ゆったりとしたリビングスペース 客室奥から入口方向を見る

デスクやテレビのあるサイドを見る お詫びのお花

新鮮なフルーツ 花越しにベッドを見る

[帝国ホテル] 920504 940213 960812 990701 991125 991212 010131 011130 011229 020209 020425 021016 021219 021221 030921 031207 031223

Y.K.