コンサートで会いましょう喜怒哀楽トップページへ20052004200320022001200019991998199719961995199419931992ホテル別インデックスレストラン別インデックス

2005.02.11.(金)

フォレスト・イン 昭和館 Standard Twin Room
Forest Inn Showakan
哀-2 カラオケ、足音、非常事態警告
ロビーのシャンデリアと池の眺め
しばらくぶりで訪れたJR昭島駅前は、新しい集合住宅やショッピングセンターなどが整備され、近代的で便利な街へと変貌していた。駅からフォレスト・イン昭和館へは、無料のシャトルバスが10〜30分間隔で運行しているが、その整った街並みを歩いて向かうことにした。開発された地域を抜けると、広大な空き地が出現し、ホテルが見えてくる。駅からホテルまでは一本道なので、迷うこともない。

ホテル周辺の環境も緑が多く、広い敷地にゆとりある設計がなされている。建物も立派で、大理石造りのロビーにはユニークなシャンデリアが下がり、一面の窓からは池やその向こうの森を望む。このホテルはオークラチェーンの一員だが、オークラ独特の雰囲気はさほど感じなかった。フロントのサービスはゆったりとしたテンポを保ち、緊張感はまったくない。

案内を見れば趣味講座を開催したり、生演奏が楽しめるレストランがあったりと、コミュニティホテルの手本のような企画が盛んだ。一方で、かつては取らなかった飲食のサービス料を加算するようになったり、ディナーのメニューから値ごろ感が消えるなど、値段だけは高級路線に走りつつある印象もあった。

用意された客室は、客室階としては最上階に当たる8階のスタンダードルームだった。森側にはスイートが並ぶフロアで、エレベータホールや廊下の内装は他のフロアよりも立派だ。

30平米のスタンダードルームは、よくコーディネートされている。明るい色合いの木材、クラシックな中にもモダンさが光る家具デザインやファブリックなどが質感の高さをうかがわせる一方、石に見えるところはすべて人造建材であったり、白く見える天井は塗りではなく紙を張っているなど、バランスの悪い部分もある。窓は大きく、目の前を遮る建物もないのだが、駅側の眺めはあまりパッとしない。ミニバーには、最近では珍しくミニボトルのリカー類が充実。ドリップコーヒー、紅茶と3種のハーブティーのティーバッグ、ミネラルウォーターが全て無料なのはありがたい。

バスルームは白を基調に清潔感たっぷりのデザインだ。かつて革製のポーチに収められていたアメニティは一気に簡素化した印象で、マルセイユソープなどの珍しいアイテムは姿を消した。それでも大型のチューブに入ったシャンプー類は目を引くが、品質そのものは今ひとつだった。タオルはとても肌触りがよく好印象。また、バスソルトや基礎化粧品など、リクエストすればもらえるアイテムのリストは現在も充実している。バスローブはなかった。

ホテルの10階にはバーラウンジとカラオケルームがあるが、とりわけカラオケルームから漏れ聞こえる素人の歌声には参った。エコーの効いた演歌が延々と続き、ホテルにいるというより、蒲田あたりのカラオケスナックの隣で寝ているような侘しい気分になった。カラオケが終わったら次は非常階段を凄まじい勢いで昇降する従業員の足音に悩まされた。客に聞こえるという意識はないのだろうか。

翌朝はよく晴れていたので森まで散歩してみたが、ほとんど落葉していたし、寒かったので早々に退散。ホテルの池や芝の周囲にある花壇の花も、毒でも撒いたようにほとんどが立ち枯れ状態で、なんともみすぼらしかった。部屋に戻ってシャワーを浴びていると、突然けたたましく警報が鳴り、テレビ画面に非常事態を知らせる警告がでた。何事かと思いつつ、すぐに出られるよう身なりを整えたが、その後なんの音沙汰もなく表示は消え去った。誤報を知らせるアナウンスがあるわけでもないし、チェックアウト時にも説明や詫びがなく、このホテルの安全管理に対する感覚に疑問を感じた。

30平米のスタンダードルーム 家具はそれぞれが独立している

ベッド アームチェアとテーブル

ベイシン ユニークな形のバスタブ

[フォレスト・イン 昭和館] 990624 991120

Y.K.