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2005.09.15.(木)

大阪全日空ホテル Premium Floor Superior Single Room
ANA Hotel Osaka
哀-2 プレミアムのないプレミアムフロア
ロビー階のエレベータホール
2004年11月に改装を終えたプレミアムフロアは19階から23階までの高層階に位置し、これまでの優しい色合いと木肌を生かしたインテリアとは打って変わって、エレベータホールや廊下から客室までの全体をモダンテイストに改めた。確かにパッとみれば新鮮な印象だが、しみじみ見るまでもなく、かつての方が質感は高かった。改装前の客室には、気が滅入るような薄暗さがあったが、それはそれで落ち着きもあった。だが、新しいプレミアムフロアの客室は、安っぽくて無味乾燥でつまらないという印象だった。

それは、シングルルームを利用したからかもしれない。ツインやダブルなら、洗い場を設けたバスルームや、機能的なデスクなど、モダンなテイストが生きてくる設備が整っているようだが、それに比べるとシングルルームは変化の度合いが乏しい。

用意された客室は、予約通りのスペリオアシングル23平米。幅が狭く細長い部屋だ。入口からミニバー、クローゼット、バスルームが縦に並び、廊下を抜けると居室になる。140センチ幅ベッドがバスルーム側の壁を頭に、壁に寄せて置かれ、ベッドの足元と窓の間には、回転する台に載った小型の液晶テレビがある。寝具はベッドカバー一体型で、流行りのデュベカバー仕上げに比べると快適さに劣る。

ベッドと反対側の壁側にデスクとバゲージ台があり、デスクミラーのすぐ下にコンセントやLANがあって便利だった。デスク脇やバゲージ台下に引き出しが備わり、収納面ではなかなか機能的。入口のミニバーには1泊につき1本の無料ミネラルウォーターが用意される。その他のソフトドリンクは315円。

デザイン的には確かに今風だが、かつてよりもグレードアップしたという感じはしない。壁やカーペットは彩度の低い色使いをし、ベッドスプレッドと赤いクッションでアクセントをつけている。家具はダークブラウンだが、ちょっと気の利いたビジネスホテルでも採用している程度のクオリティだ。そして、部屋の雰囲気を大衆的にしているのは、なんと言っても照明。天井シーリングもデスクライトも蛍光灯で、まったく安らげない。また、カーテンが薄っぺらく、それがかなりの安っぽさを感じさせている。用意されたゴミ箱が非常に小さくて不便だった。

タイル仕上げのバスルームは、天井は高いが驚くほど狭い。シティホテルとしては最小の部類だろう。3平米にも満たない広さだ。一応改装されているようだが、とりわけ感心するような部分はまったくなかった。アメニティはラ・テデュールを揃えるが、フェイスソープやバスジェルがないなど、アイテムは少なめ。

このホテルを見ていると、全日空ホテルにとって大阪とはどういう位置づけなのか不思議に思う。フラッグシップの東京と比べると気合い不十分なのは仕方がないが、こうもクオリティが違うというのはどういうことだろう。頑張って改装してこの程度。これなら富山の方がよっぽど立派だ。かつて大阪全日空シェラトンと名乗っていたころ、このホテルはもっと輝いていた。大阪で最初に外資チェーンの名を冠したホテルであり、意地の悪いヒルトンのサービスよりも、格段に親切で人間的なところが気に入っていた。だが、それから15年以上が経ち、時代も変わった。なんだか残念。

やたら明るい部屋 カバー一体型ベッド

デスク プレミアムフロアのエレベータホール

ベイシンとトイレ 小さなバスタブ

[大阪全日空ホテル] 040320

Y.K.