町家の宿
2006.01.08(日)
十八楼 和室
Juhachirou
楽-3

宿の玄関 鵜飼いで名高い長良川に面した「十八楼」は、江戸時代末期に創業した歴史ある宿だ。岐阜駅からタクシーで15分掛かり、便利とは言えない立地。かつてはすぐそばの長良橋まで路面電車があったのだが、地方博開催の際にそれも廃止されてしまったという。それでも周辺の環境と調和した風情ある佇まいや、いつまで眺めても飽きることのない川の流れに恵まれており、足を延ばすだけの価値はある。117の客室と大小の宴会場を備え、宿としてはそれなりの規模があるが、玄関は意外にも小さい。前の通りには戦災で焼け残った町家風建物が軒を連ねていて、昔ながらの街並みが楽しめる。材木問屋や美濃和紙でできた団扇の店など、ぶらりと見て歩くだけでも楽しい。

日が暮れる頃にチェックイン。玄関を入るとすぐにフロントがあり、係が温かく歓迎してくれる。手続きが済むと、仲居が部屋に案内し、茶を淹れてくれた。用意されたのは、7階の改装されたフロアの標準客室。同じ階には、新たに設けられた露天風呂付き客室も10室あるが、この部屋に露天風呂はない。十畳の和室と広縁があり、窓はとても大きい。目の前には長良川を望み、対岸には岐阜都ホテルが見える。ちょうど真下には鵜飼いの船乗り場があるのだが、今はシーズンオフなので、船が係留されているだけ。鵜の姿もないが、鵜はどこで過ごしているのだろう。

一息入れていたら、すぐに食事の時間になった。今回は宿泊した部屋ではなく、廊下の向かいの小さな客室に食事が用意された。空いている客室を活用したのだと思われるが、別室で食事をする方が、部屋ににおいが残らずありがたい。名物の鮎をはじめ、地元の味が並ぶ夕食は、ボリュームもたっぷりだった。翌日の朝食は洋風の大宴会場にてブッフェ。内容は特段変わったこともないものだったが、多くの客で賑わっており、比較的静かだった館内に、これほどの客がいたということに驚いた。

茶色い濁湯の長良川温泉が愉しめる大浴場は、古くからあるものと、新しく作られたものの2箇所が用意されており、時間帯で男女が入れ替わる。古いほうは以前の男女別浴場をひとつにまとめて広くしたという感じで、ウッドデッキなどを設けややモダンに改装されている他、シルキーバスや薬草風呂もある。新しい方は木曾石やひのきを使った野趣溢れる趣。いずれも長良川を望む露天風呂を備えている。湯上がりの休憩処も充実していた。

パブリックスペースの改装も進められており、和のテイストをベースに、至るところにモダンな要素を採り入れている。ロビーラウンジは広く、芭蕉の「十八楼記を写したレリーフが印象的。これはアルミ鋳物に特殊加工を施した作品で、この他にもフロントカウンターなどに用いられ、芸術的な風合いを醸し出している。

翌日は歩いて数分のところにある岐阜城址や岐阜大仏あたりを散策してみた。街並みに見事に溶け合い、川の流れにも似たゆったりとした時間。サービスにも人間味が感じられ、安心して過ごすことができた。

 
玄関とフロントカウンター 広いロビーラウンジ 一角には芭蕉の十八楼記が

湯上がり処 宴会ロビー 客室階廊下

客室階廊下 町家が並ぶ通り 岐阜大仏

十畳の和室 食事のスタート 対岸の都ホテル

 
十八楼


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