最近の傾向として、狭い室内をより広く感じさせるために、余分な備品を排除して、スッキリと見せる工夫をするホテルが多くなった。余計なものを取り払うのは結構だが、中にはあって欲しいと思われるものをなくしてまで、スッキリ感を追い求めるケースもある。イスはあってもテーブルがないとか、収納スペースがほとんどないとか、スペースと引き換えに犠牲になるものが後を絶たない。

その点、このパークツインルームに、犠牲になったものはとりあえず見当たらない。欲を言えば、ゆったりくつろいで座れるソファが欲しいところ。それでもイスは2脚あるし、引き出しもあるし、デスクは独立している。そして、限られた面積にはもったいないほどの立派なバスルームは、約6平米の広さがあり、石を使って贅沢に仕上げてある。

今回の部屋は、正面玄関側、南向きだった。日中は日当たりに恵まれ、わずかにレインボーブリッジを望むが、交通量の多い首都高速から伝わる騒音が想像以上に大きかった。それでも、絶え間なく流れる車の列は、大都会らしい眺めの象徴でもある。眠らない街を眺めながら、夜明けまでぼんやりと過ごすのも悪くない。だけど、今日はコンサート後の移動でくたびれッシモ。持参した耳栓をして、おやすみなさい。