苦い思い出
2006.03.14(火)
ヒルトン大阪 Executive Room
Hilton Osaka
楽-2

障子に襖に低めのイス。これぞヒルトン。 ヒルトン大阪のエグゼクティブラウンジは32階にある。かつて極めて苦い思いをしたこのラウンジをふたたび訪れることなどありえない気がしていたが、16年の歳月はそんな決意をも風化させてしまっていた。底意地の悪かった当時のスタッフなど誰も残っていないだろうし、改装されて雰囲気も変わったことだろう。そうは思っていても、エレベータで上昇するにつれ、16年前の記憶が甦り、腹立たしさと情けなさに襲われる。まるでエレベータがタイムマシンであるかのように。

だが、ラウンジで待ち受けていたのは、快活でヒルトンらしいスタッフたちだった。以前は女性しかいなかったが、今では男性の方が多く、積極的なサービス姿勢と若々しいタッチが好印象だ。チェックインが済み、スタッフのひとりと雑談をした後、客室へ。

30平米のオーソドックスな客室は、昔ながらのヒルトンテイストだ。障子と襖、そして深い掛け心地のソファ、彩りを抑えた淡いカラーの家具が整然とレイアウトされている。落ち着いた雰囲気の中にも、襖やライトスタンドにゴールドや真鍮をあしらって、華やかさを加味。目新しさはないが、使い勝手のよい中にも、エグゼクティブフロアらしいクラス感のある客室だ。階下にはモダンなテイストに改装された新しい客室もあるが、むしろこちらの方がヒルトンらしくて落ち着くように思う。

ベッドはシルキーベッドと名付けられており、心地よいマットレスが自慢らしい。確かにヒルトンのレギュラールームで使用しているマットレスは寝心地がよくない。その点、このベッドなら、体に馴染むマットレスと軽やかなデュベを使っていて快適だが、枕がひとつしか用意されていないのがケチ臭く感じた。リーディングライトはハロゲンのダウンで、その他のスタンドはすべて本物の白熱灯が使われており、温かみのある光が部屋を包み込む。ただ、壁紙が安っぽいビニールクロスであることが残念だ。

バスルームはレギュラーフロアと同じく、タイル張りのユニットバスで、約4平米の面積がある。照明がベイシン上のブラケットのみで、全体的に薄暗かった。アメニティは一通り揃っているが、シャンプー類は25mlのボトルが1本だけと、これまたケチ。タオルも3サイズ2枚ずつしか置いていない。特別階でありながら、あれこれ引き締めて掛かっているなぁという印象が残る。

夕方、7階にあるフィットネスセンターを利用した。スタッフは親切で好印象だが、設備はどれもコンパクトで、今となっては古い感じ。ロッカーは狭く、サウナやバスも小さかった。プールサイドにはジャクージがあるが、妙に温度が高かった。客層はメンバーが中心という様子で、平均年齢が70歳に迫るのではないかと思われる。

運動で気分もスッキリした後は、ラウンジでのカクテルアワーに出かけた。120平米のラウンジは、バーのような賑わいを見せ、グルメカウンターには小皿に盛られたオードブルやスイーツが並ぶ。特にスイーツはデザートブッフェのような充実ぶりだ。モエエシャンドンのシャンパンなど飲み物も充実しており、このフロアに滞在するなら、ぜひともカクテルアワーは利用してみたいもの。

夕食は「チェッカーズ」のディナーブッフェを。平日は3,700円で、コーヒーも付いている。東京の「チェッカーズ」と比較するとやや品数が少ないが、ポイントをおさえた品揃えで、十分に楽しめる内容だった。朝食ブッフェには、焼きそば、日本そば、お好み焼きなど、大衆的な料理も並び、大阪らしさも感じられる。だが、サービス陣に笑顔がなく、全体的に停滞した空気だったのが気になった。

 
オーソドックスな客室レイアウト デスク周辺 ベッド

ベイシン バスタブ アメニティ

窓からの眺め エグゼクティブラウンジ カクテルアワーに並ぶ小皿料理

 
ヒルトン大阪 021223


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