無人のフロントにて
2006.09.12(火)
ハイアット・リージェンシー・オーサカ Deluxe Room
Hyatt Regency Osaka
怒-3

フロントから客室棟への通路 ハイアット リージェンシー 京都からハイアット・リージェンシー・オーサカまで、電車やタクシーを乗り継いで、ちょうど2時間を要した。もう少し近い気でいたが、実際にハシゴしてみると思ったよりもずっと遠かった。その理由はハイアット・リージェンシー・オーサカの立地に因るところが大きい。大阪南港はアクセスに不便な辺鄙な場所。地下鉄と新交通を乗り継ぐか、大阪駅からとホテルを結ぶシャトルバスを利用するかが主なアクセスルートだ。もう少し便利な場所にあれば、このホテルはもっと賑わうに違いないのだが。

ホテルに到着した時は、想像以上に遠かったこともあって疲れていた。それも気分的に。でも、スムーズにチェックインを済ませ、広々とした部屋に入れば、たちまち気分はリフレッシュできるだろうと思っていた。だが、手続きのためにフロントに行くと、カウンターには一人しか係がおらず、その一人もすでに接客中だった。その後程なく、その係はこちらをチラリとも見ることなく、対応中の客とともにどこかへ行ってしまった。せめてアイコンタクトだけでもいいから、「少々お待ち下さい」のサインを送ってくれれば印象は違うのに、これでは無視されたような気分になる。

とうとう無人になってしまったフロントで待つこと数分。ここは本当に営業中なのか?と疑いたくなった時、奥から一斉に3人の係が出てきてカウンターにスタンバイした。ほう、集団でトイレか。それとも、ストライキ?なんて、嫌味のひとつも言いたくなる。係の一人がこちらに気付いて「伺ってますか?」と尋ねたので、「いいえ」とやや不満を込めて答えた。だが、その不満のニュアンスは伝わらなかったらしい。係は表情を変えることなく、「お名前は?」と手続きに入った。ちょっと待った。これは一言言わせてもらわなければ気が済まない。

「あなたは今出てきたばかりで知らないかもしれないけれど、無人のカウンターで数分も放っておかれたんですよ。」と不満を述べると、そっけなく「接客中でしたので」との返事。「それはお待たせして申し訳ありませんでした。」とか、「気が付かずに失礼致しました。」とか、何かしら反省の弁が聞かれればそれで満足だったのだが、予想外の返事に失望した。フロントが数分もの長きに渡って無人になることや、そこで客を待たせておくことなど、このホテルでは当然だというのだろうか。係の手が接客中でふさがっていたにしても、客を待たせるのが非礼に当たることに変わりはない。いずれにしても、最低限の礼儀さえ持っていれば、このような返答にはならなかったと思われる。

今回の客室はキングサイズベッドが入ったデラックスルーム。このタイプでは、すべての部屋にコネクティングドアが付いているらしい。案内された部屋の隣室には中国人らしきグループ客が入室して、ドタバタと賑やかな音を立てながら、大声で喋りまくっていた。この調子ではどうにも堪えられそうになかったので、早速ルームチェンジを頼んだところ、喫煙室でもよければ隣室に客のいない部屋が用意できるとのことだった。消臭に15分を要するといわれ、しばらく待って新たな部屋へと移動した。

40平米のデラックスルームと30平米のゲストルームの主な違いは、バスルームにシャワーブースがあるかないかで、その他の点はそれほど大きな差はなく、窓際のデスクの大きさやイスのタイプなどが異なる程度だ。だが、10平米のゆとりを体感として味わってしまうと、ゲストルームの30平米は窮屈に感じるかもしれない。ベッド幅は約180センチで、真っ白いデュベカバーで仕上げているが、マットレスの感触はいまひとつ。客室の天井高は220センチから255センチで、最高部分でもそれほど高くはない部類だ。

インテリアは極めて渋い。色彩感を抑え、モノトーンに近いコントラストの世界でデザインされている。90年代には新鮮さがあったが、今見るとやや退屈で殺風景な印象すらあり、なにかスパイスとなる味付けが欲しい。窓からの眺めも、なんとなく侘しいものがある。遠くには大阪中心部のビル群が見えるが、間近には集合住宅が多く、何か現実的で、見ているうちに前向きな気分が醒めてしまうような気がする。少なくとも、希望や活力が湧いてくるような眺めではない。

バスルームはまさにモノトーン。トイレの上に掛かる植物の写真だけが瑞々しさを与えている。6.6平米の面積があり、独立したシャワーブースを設けている。ベイシンの隅にはガラスの棚があって、持参した化粧品などを整理して並べておくのに便利だ。タオルは厚みがあり、大型で使いやすかった。また、バスルームの床や、居室の床の一部がベコベコしていて、静かに歩いていても音が響くのが気になった。

レストランは軒並み閑散としていた。「ザ・カフェ」は、月曜から木曜の間だと午後6時で閉店してしまう。コーヒーショップがディナータイムに営業していないのは、かなり痛い。朝食ブッフェは同店で3,200円で提供される。大きな窓と高い天井の店内は、朝食に相応しい明るさがあるが、料理にもサービスにも3,200円の価値は感じられなかった。オムレツにパルメザンチーズを入れるというのは、関西風なのだろうか。東京のホテルではあまり見かけないが、大阪ではよく遭遇する。

 
夕暮れの室内 ベッド幅は約180センチ ガラス天板のテレビ台

バスルームの扉は引き戸 バスルーム内はモノトーン トイレとシャワーブース

部屋の入口 ロビーラウンジ エレベータホール

 
ハイアット・リージェンシー・オーサカ 940925 961123 971003 010320 041208 041217


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