ケンカし合うイス
2006.10.03(火)
グランド・ハイアット・福岡 Grand Room
Grand Hyatt Fukuoka
哀-3

夜の外観 タクシーで正面玄関に到着した。エントランス前にあるデスクにドアマンが立っていたので、すぐにこちらに駆け寄ってくれるものだと思ったが、車から降りて呼びかけるまで気付いてくれなかった。今日の第一印象は、不合格点だ。更に不快なことに、そのドアマンは「お待たせしました」でも「いらっしゃいませ」でもなく、「チェックインでしたら午後2時からとなりますが」と言った。午後2時にならなければ、ドアマンのサービスもしないということだろうか。

到着早々の客にチェックインにはまだ早いというようなことを言うホテルは少なくないが、これは不適切だ。こんなことを言うホテルは一流ではない。部屋に入れるかどうかは別として、チェックイン手続きは早朝であったとしても出来るはずだ。第一、この時は午後1時30分を過ぎていた。役に立たないドアマンごときに、つべこべ言われる筋合いなどない。ドアマンを無視して、そのままフロントに向かった。

フロントのサービスもべっとりと重苦しかった。笑顔は曇り、生き生きとした感じがまったくない。昨日まで葬儀受付のバイトでもしていたのか。こちらの気まで滅入りそうだ。伝染する前に早く立ち去りたいと思っていると、幸いなことに、すぐに部屋が用意された。

今回利用したのは、11階の禁煙フロアにあるグランドルーム。グランドルームは通常34平米の面積があることになっているが、この部屋に限っては30平米程度しかない。外壁は緩やかにカーブを描いており、この位置が一番奥行きが短い。しかも、隣室から壁が張り出しており、その分だけ部屋の横幅も狭くなっている。おそらくグランドルームの中では、最も窮屈な条件の悪い部屋だと思われる。だが、劣っているのは面積だけで、室内設備に欠けているものは何もない。

最も窮屈に感じるのは、窓際のシッティングスペースだ。ベッドと窓の間に、無理矢理押し込んだかのようにアームチェアが置かれ、カーテンと寝具を圧迫している。ここに座ることも容易ではない。もうひとつのアームチェアは、デスクチェアと背中が当たり合ってケンカしている。同時に使用するのでなければ、実質的に具合が悪いこともないのだが、空間配置的なバランス感に欠け、見た目が悪い。テレビは32インチ液晶型に入れ替わり、同時に地上波デジタル放送にも対応した。他の部屋よりもテレビを収納した家具が迫り出しているので、ベッドで見る分には近くていい。

通常はテレビに並んでバゲージ台があるのだが、この部屋では入口付近にクローゼットと並んで設置されている。入口付近は、通常のグランドルームよりも広く取られているが、だからと言って、壁から家具が迫り出して狭くなってしまった居室空間の代役にはならない。窓からは那珂川を望み、川面が美しいが、周辺環境は雑居ビルばかりで下品なので、眺めがいいとは言いがたい。バスルームは広くて快適。照明や空調吹き出し口が埃で汚れているのが気になった。

出発時のドアマンの対応もよくなかった。丁寧に客を出迎え、気持ちよく見送る。それが出来ないのなら、エントランスに立つ資格はない。

 
113センチ幅ベッドが2台 家具が迫り出しているので圧迫感がある 無理に詰め込んだとしか思えないイス

窓からは那珂川が見える デスクのイスとアームチェアの背中が当たってしまう バゲージ台は入口付近にある

室内には木目が多く使われている フルサイズのバスルーム バスタブと洗い場が並ぶ

ロビー ロビーの一部は吹き抜けになっている メインエントランスへのアプローチ

 
グランド・ハイアット・福岡 060802


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