披露宴
2006.10.15(日)
ホテルメトロポリタン高崎 Single Room
Hotel Metropolitan Takasaki
喜-3

披露宴でもらったフラワーアレンジ この日、ホテルメトロポリタン高崎で知人の結婚披露宴があった。仕事柄、披露宴でのお祝いの演奏を依頼されることが時折ある。大抵の場合は、余興の締めくくりとして、ひとこと挨拶をした後で1〜2曲演奏するのだが、今回は披露宴全編を通じての演奏を頼まれた。迎賓からお見送りまで、音楽が必要な場面で演奏するわけだが、普段のコンサート以上に気を遣うし、緊張感もいつもとは違う。

披露宴で演奏するにあたっては、気を遣う事柄が多数ある。まず音楽が主役ではないということ。常に、音楽が第一義にあるコンサートとは、この点が決定的に違う。コンサートの場合は、すべてのスタッフが音楽のために存在し、最大限の努力をすることでコンサートを成功に導く。だが、披露宴では当然のことながら新郎新婦が主役だ。音楽は脇役でなければならない。かといって、気を抜いたり、手を抜いて演奏するわけにはいかない。真剣に、さりげなく。このさじ加減が難しい。

そして、自分のペースで事が進まないということにも慣れなければならない。例えば新郎新婦入場では、ふたりの客観的なイメージと当人の希望を踏まえた上で、この時だけのために新しい曲を作曲することが多い。司会から入場のコールがあってからテーブルに着くまで、標準的な披露宴ならば1分10秒から1分40秒程度を要するが、歩く速度や経由するルートによって時間が変化するので、秒単位でフレキシブルに対応できるような構成にしなければならない。そして、着席と同時に曲が終わるよう、微妙に調整しながら演奏する。まだ緊張感のあるこの部分でバシッとキマると、なかなか気分がいい。

この披露宴では、列席者の一人として席が用意され、食事も出してもらったのだが、結局楽器から離れることができず、せっかくのご馳走は食べそびれてしまった。そのため、披露宴がめでたく結びとなり、客室へと引き上げ、とりあえず楽な格好に着替えた後、1階にある「フレッシュネスバーガー」で軽い食事をした。

部屋はスタンダードなシングルルーム。面積は15平米程度だ。駅直結のホテルで、ビジネスマンの利用が多いのだろう。客室は最大級にタバコ臭かった。その臭いを紛らわすために、こんなこともあろうかと思って持参したアロマルームスプレーを振りまき、披露宴で分けてもらってきたフラワーアレンジメントを、ミニバーにあった無粋なビールグラスに挿して、ベッドサイドに飾ってみた。それで随分と雰囲気が良くなった。

室内の設備は、シングルベッド、テレビ、デスクユニットと標準的なシングルルームの仕様だが、レイアウトは少々変わっている。ベッドが窓を頭にするように配置され、ベッドの足元部分に折りたたみ式扉のクローゼットがある。クローゼットは狭く、ハンガーは3本しかないが、それでも扉があるだけマシだ。イスはデスクに添えられたものだけで、アームチェアやソファの類はない。くつろげるのはベッドの上だけだ。

照明はシーリングライトがあるのでとても明るく、無料のLANを備えるなど、最近勢力を重ねて勢力を拡大しているビジネスホテルチェーンに対抗している感じが伝わってくる。バスルームは120×160センチと狭いユニットバスで、2色のタイル仕上げになっている。バスタブも小さいが、深さは55センチ。アメニティも最低限で、タオルは3サイズが1枚ずつだ。

このホテルは、前回宿泊した際も廊下が騒々しくて辟易したが、今回もまたかなりうるさかった。深夜だというのに、若いサラリーマンのグループが互いの部屋を行き来しながら、廊下でも大声で話している。その様子から酩酊していることが伺える。混雑するビジネスホテルでは、こうした状況は避けられないと思った方がよさそうだ。禁煙ルーム、レディースルームなどは一般的になってきたが、これからは、静かな環境で過ごしたい人たちだけをアサインする「トランキーロルーム」みたいな部屋を考案してほしい。部屋は「哀」だが、披露宴がいい感じだったので「喜」。

 
変わったレイアウトのシングルルーム ベッドとテレビの位置関係がよくない ベッドから入口方向を見る

デスクユニット 窓からの眺め ユニットバス

 
ホテルメトロポリタン高崎 060324


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