混雑を避ける「ちょい前作戦」
2006.12.31(日)
ホテルパシフィック東京 The Pacific Floor Double Room
Le Meridien Pacific Tokyo
楽-2

様々な光が輝く室内 大晦日のチェックインタイム、おそらくフロントはかなり混雑するだろうと踏んで、少し早めに到着するように予定を立てた。約1,000室もの客室を持つホテルだと、いくらフロントに人員を増強したとしても、客が一気に集中したら大行列になってしまう。そうなる前にチェックインを済ませれば、時間を有効に使えるし気分もいい。実際に到着したのは規定のチェックインタイムの10分前。その時点ではフロントに客はほとんどいなかったので、予定通りスムーズに手続きを終えることができた。その20分後にフロント前を通りかかったが、その時は案の定長蛇の列。「チェックインタイムちょい前作戦」は大成功だった。

今回予約した部屋は、改装されたザ・パシフィックフロアにある一番広いダブルルーム。レギュラーフロアではデラックスルームがある位置に、趣の異なる2タイプが用意されているが、面積はいずれも37平米だ。明るい色調で和風小上がりのあるタイプAと、落ち着いた色調で書斎風ワイドデスクのあるタイプBのうち、後者のタイプBを選んだ。今回の宿泊料金は、定価。やや高いかと思ったが、様々な特典が付いているが割高な正月プランよりは、シンプルでいい。このタイプは普段でもそれほど安く売っていないので、相対的に考えればオトクな感じもする。

部屋に入ってまず気になったのは、扉を開くと室内が丸見えになること。そして、扉からすぐの場所にマッサージチェアを置いてリビングスペース的な意味合いを持たせいるのだが、これでは落ち着けないという印象だ。できるだけ室内を広々とした空間に仕立てたかったのだろうが、逆に狭いわけではないのだから、入口近くに洒落たパーテーションを設置して、プライバシーと変化のある動線を確保してもよかったのではないかと思う。

インテリアは一見工夫に満ちているように見える。少なくとも同フロアのレギュラータイプと比較すると、桁違いの気合いを入れてデザインしたことが伺える。ベッドは180センチ幅のキングサイズで、マットレスやベッドリネンは快適。窓際には幅一杯のカウンターデスクを据え、下にはミニバーや引き出しを設置している。ベッドの反対側の壁には飾り棚を設け、その中央に37インチのフルスペックハイビジョン液晶テレビを掛けてある。美しい映像が楽しめる他、BOSEのDVDプレイヤーと、サブウーハー付きサラウンドシステムを備えている。

クローゼットは入口の脇に設けられているが、奥行きがないのでハンガーに掛けた服の肩が擦れてしまう。クローゼット近くには独立したドレッサーもある。室内にソファの類はなく、座って落ち着ける場所がないのはマイナスポイント。マッサージチェア、オフィスチェア、ドレッサーの木製スツールは、それぞれ目的があって設置されているものであって、リビングのソファ代わりには適さず困惑した。また、窓に設置されたブラインドは、電動なのは結構だが、完全に上げるか下げるかのどちらかにしかならず不便に感じた。

この室内で、最も工夫が凝らされているのは照明デザインだ。棚、ベッドの下、ベッド側の壁の縁、デスクやドレッサーの下など、多くの部分に間接照明を使い、それぞれの部分を立体的に浮かび上がらせている。ハロゲンのダウンライトや、白熱灯のスタンドなどを併用することで様々な表情が生み出されるが、ここまで来ると客室デザインというよりは、ショップデザインの域である。よいか悪いかは好みの分かれるところだろう。

バスルームにも、それなりの工夫が見られる。サイズは改装前と同じ210×165センチで、バスタブとトイレは以前のものを使っているようだ。だが、窓側の壁を一部切り取り、スイッチで透明−半透明が切り替わる液晶パネルをはめた。また、扉を曇りガラスの引き戸にし、ステンレスの柱部分にバスルーム照明と液晶切替スイッチを埋め込むことで、さほど面白みのないバスルームを、特別な空間に仕立てるほどの効果を生んでいる。

ベイシンは新調され、照明はハロゲンダウンライトに取り替えられた。アメニティはこのフロア専用のアイテムに加え、スイート用の歯ブラシセットと男性用化粧品セットを備えている。そして、バスルームをはじめ、室内の各所には小さいながらも観葉植物が多数飾られ、瑞々しさを感じさせてくれる。全体の印象としては、同フロアのレギュラールームよりは力作だと思うものの、値段を考えると満足できるものではなかった。

29階の宴会場では、800円で年越し蕎麦が提供された。冷たいシンプルな汁蕎麦だが、ホテル内で食べられるのはありがたい。元旦、「ピコロモンド」の朝食ブッフェには、いつものアイテムに加え、雑煮、おしるこ、そしておせちアイテムが幾つか並び、気は心程度の正月気分が味わえた。ロビーでは初釜に琴の演奏。ベタな演出だが、老舗巨大ホテルらしくて安心感がある。

 
37平米のダブルルーム全景 壁の意匠はユニーク ベッドにも間接照明

ベッドの脇にはバスルームの窓がある ベッド脇から反対の壁を見る 部屋の奥から入口方向を見る

マッサージチェアとドレッサー ベッド脇から入口方向を見る テレビは角度を変えられる

ナイトテーブルのコントロールパネル ミニバーと正月のウェルカムアメニティ 広いデスク

バスルームとベッド バスルーム内から窓越しに見る バスルームの鏡

ベイシン バスタブ アメニティ

窓からの景色 入口 エレベータホール

 
ホテルパシフィック東京 000105 000418 000927 020315 020608 030225 030713 030802 031231 050822 051125 060611 060627 060710 060729 060804 060813 060819 060913 060917 060918


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