4月1日、ラディソン都ホテル東京は、シェラトン都ホテル東京になった。看板は明るいオレンジ色になり、バスのロゴも変わった。だが、ロビーに足を踏み入れても、これといって違いが見られない。人も客も雰囲気も、多くの部分がこれまで通りであるようだ。チェックインの際、係の対応がこれまでより積極的で明るくなったような印象を受けた。健康的で溌剌としたシェラトンのイメージに一歩近づいたような感じだ。

シェラトンになり、スターウッド・プリファード・ゲスト（以下SPG）の特典も利用できるようになった。コーヒーメーカーとミネラルウォーターを用意した11階と12階をSPGフロアにあて、メンバーを優先的にアサインするそうだ。プラチナメンバーのラウンジアクセスに関しては、このホテルがラウンジ付き特別フロアを持たないため、ロビーラウンジ「バンブー」でのドリンク無料利用（時間とメニューを限定）、「カフェカリフォルニア」での朝食（専用メニュー）またはルームサービスでのコンチネンタルブレックファストを提供する。その他、ヘルスクラブ無料利用、ウェルカムアメニティ（500ポイント、ミニバー600円分、オリジナルCD、万年筆からチョイス）がサービスされる。

「バンブー」でのドリンクサービスは10:00より20:00までの間利用でき、専用メニューには各種ソフトドリンクの他、カクテルなどアルコールもあり、結構充実しているだけでなく、通常の客と同じようにフルサービスを受けられるので、コーヒーを1杯飲むだけでも利用価値は高い。「カフェカリフォルニア」での朝食は、4種類のセットから選べ、マクロビオティック朝食もある。このように店舗でのサービス内容が充実しているので、ラウンジが備わっていないことに対するマイナスポイントは感じさせないが、ラウンジやレストランが混雑している時には、待たされることもあるかもしれない。

用意された客室は7階のデラックスルーム。最も新しく改装された「フロアセブン」と呼ばれる特別階にある36平米の客室だ。ラックレート上は8階以上のデラックスルームと同等だが、室内設備に幾分の差がある。デザイン性では8階以上の方が優れており、特にバスルーム周辺や壁紙の質感では結構な違いを感じる。だが、7階の方がより実際の使いやすさを考慮してデザインされており、機能性は7階に軍配が上がる。改装への気合いは、8階以上と6階以下との中間程度だろうか。

その中途半端な印象を穴埋めすべく、アメニティを充実させ差別化を図った。液晶テレビとDVDプレイヤー、「THALGO」のポーチ入りアメニティセット、カミソリ倶楽部のシェービングセットなどが代表的で、それらは目を引くが、他にポイントとして挙げられているワイングラスやヘルスメーターなどは訴求力にはならないだろう。それでも、全体的にスッキリとしたインテリアで、8階以上の部屋よりは使いやすくていい（料金が高くなければの話だが）。

ベッドはこれまでと同じだが、名称はシェラトン・スイート・スリーパー・ベッドに変わった。鶴の図柄の赤いアクセントクッションは、いずれシェラトンのロゴ入りの白いものに取って代わるようだが、部屋の雰囲気には現在のものの方がマッチしているので残念だ。

夜は「カフェカリフォルニア」で十数名で誕生日会をした。奥のコーナーを個室風に使わせてくれたのはいいが、目が行き届かないことが多くて残念。グラスが空になったり、パンやコーヒーのおかわりを頼みたい時など、いちいち係を呼びに行かなければならなかった。また、事前に誕生日だと伝えてあったが、特別なサービスは一切なかった。