格下げのリブランド
2007.06.27(水)
コートヤード・マリオット 銀座東武ホテル Courtyard Premium Double Room
Courtyard by Marriott Tokyo GInza Hotel
哀-3

外観 銀座東武ホテルは開業以来ずっとルネッサンスを名乗っていたが、開業20周年を機に、2007年4月からは同じマリオットグループのブランドであるコートヤード・マリオットに変わった。コートヤード・マリオットはビジネスユースを見込んだブランドであり、ルネッサンスと比べてアクティブな印象があるが、グレードはワンランク下がる感じがする。

このブランド変更に合わせて、客室を含め、全館の改装に着手しており、すべて完了するのは2008年の4月の予定。改装の第1弾として、2007年4月にロビーと客室2フロアの改装が完成したので、そのコートヤードプレミアムと呼ばれる新しい客室を利用してみた。

フロントロビーはモダンな雰囲気になり、中央の階段に掛かっていたシャンデリアは取り外されてしまった。シャンデリアはモダンデザインの宿敵なのだろうか。せっかく立派なものがあったのなら活用すればいいのに、改装といえばシャンデリアは取り外され、代わりに何か付くのならいいが、大抵は元より寂しくなってしまう。床は大理石のままだが、全体的には高級感が損なわれた印象。フロント脇にあったビジネスセンターは地下1階に移動し、同じ地下1階には宿泊客無料のフィットネスルームも完成した。

チェックイン時のサービスは、ただ仕事をこなしているという対応に終始し、どちらかというと感じがよくない。ロビーにはベルが配置されているが、部屋への案内は割愛された。以前は、10階と11階へはエレベータ内のスロットにキーを差し込まなければアクセスできなかったが、それは廃止された。

新しい客室のルームキーはIC式。エレベータホールも廊下も、ここはどこかと疑いたくなるほど安っぽくて驚いた。レギュラーフロアの方がずっと立派で快適。そして、部屋の鍵を開けて中に入ろうとしたら、室内はカーテンが閉じられて真っ暗闇。加えて空調も停止しているので、蒸れたようなひどい臭いが立ち込めている。あまりに暗くて、照明のスイッチがどこなのかもわからず困惑した。

照明を点けて部屋を見回すと、そこは驚愕のチープさ。レベル的にはロイネットやワシントンの質感に近く、こんな内装では、いくら銀座でも2万円以上は払いたくない。木目はすべてシールで、真っ白い壁紙とデスク上の蛍光灯間接照明が、事務室のような無機質さを感じさせる。家具類やミラーもひどく安物で、今時学生の一人暮らしでもこんなものは選ばないだろう。テレビは20インチ液晶とこれまた小さい

だが、あちこちにコンセントが設置されていることや、狭い部屋にしては引き出しや棚が多く、長期の滞在にも便利に造られている点はいい。電話機もデスクとベッドサイド両方に設置してある。一方で、ルネッサンスの頃は全室LANは無料だったのに、コートヤードになったら1泊1,000円になった。有料だったのが無料になるならわかるが、その逆とは時代の流れに思い切り逆らっている。

ベッドは160×200センチサイズで、高さは60センチある。低反発マットレスを採用し、5つもの枕をセットしてあるが、ベッドリネンの感触はあまりよくなかった。ナイトランプは電球で調光が可能だが、ベッドの真上から照らすハロゲンのリーディングライトは調光できない。

窓はこれまで開閉できなかったが、改装時に窓ガラスまで取替え、ほんの一部ながら開閉できるようにした。カーテンボックスには発光ダイオードの間接照明を設けているのもユニーク。窓際にはカウチソファを置き、コーヒーテーブルを添えている。カーテンの両脇をミラーにしたのも、26平米という窮屈な面積を広く見せる上で効果的だ。また、温度調節とは別に、湿度のコントローラが設けられているのは珍しい。以前は全室に備わっていた有線放送は、この改装でなくなってしまった。

バスルームは160×200センチサイズ。偶然にも、ちょうどベッドと同じ面積だ。バスタブは新調されたが、ベイシン脇の棚は健在で、トイレは以前のまま使っている。シャワーカーテンのレールがカーブしているものに改められたにもかかわらず、カーテン自体がペラペラで、シャワー中に体にまとわりついて気持ちが悪いのも難点。アメニティは、ルネッサンス時代よりアイテムが減ったが、ビジネスホテルにしては充実している方で、タオルも3サイズが4枚ずつという大盤振る舞いだ。バスローブはない。

また、清掃状況も極めて悪い。あちこち汚れが目立ち、それをティシューで拭き取っていたら、まっ茶色になってしまった。看板を替えるだけでなく、基本的なことがきちんとできるよう、まずは初心に帰ってはどうだろうか。

 

低反発マットレスが自慢のベッド デスクはシンプルというより殺風景 ベッドから入口方向を見る

ベイシンとトイレ 新しくなったバスタブ ルネッサンスのアメニティにコートヤードのシールを貼って使っている

窓からの眺めは悪い 無料で使えるフィットネスルーム モダンになったラウンジ「オアシス」

ロビー中央階段のシャンデリアはなくなった フロントカウンター前 正面玄関を入ったところ

 
コートヤード・マリオット 銀座東武ホテル

960115 000101 030102 050103 050321 050501 051230


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