星のまち
2007.09.20(木)
佐久グランドホテル Studio Single Room
Saku Grand Hotel
楽-2

小海線佐久平駅ホーム 真昼の強い日差しの中、初めて降り立った佐久平駅はにはまだ真新しさが残るが、ホームを渡る空気には高原の風のような甘さが感じられた。連絡通路を経て行き当たった小海線のホームは、新幹線をまたぐ高架に設けられているので、周辺の風景がよく見える。新幹線開通でにわかに建った商業施設や集合住宅がなければ、のどかな田園風景に戸建ての住居が点在するだけだったろうが、その景観は変化しつつあるようだ。遠くに見える山並みだけは、そう簡単には変わるまい。

小海線は単線で非電化のため、ホームもまたシンプルに造られている。同一ホームに上下線の気動車が進入するので、初めての旅人は間違った方向に乗車しないかと心配になる。また、ワンマン運転のローカル線は、乗り口と降り口があらかじめ定められていたり、きっぷの受け渡し方法など、常用者でないと知らないことがあって、目的地に到達するまでは何かと心配事が絶えない。今回も、近くに乗り合わせた土地の方に乗車の作法を伝授してもらったので、まごまごして皆様に迷惑を掛けることはせずに済んだ。

20分ほどローカル線の旅を楽しんだところで、臼田駅に着いた。ここからコスモホールまではタクシーを使うようにと指示されていたので、運よく駅前に1台だけ待機していたタクシーに乗って会場へと向かった。程なくしてロケット型の棟が見えて来たので、そこがホールかと思ったが、運転手さんに聞くと、それは稲荷山公園内にあるロケット型の展望台「コスモタワー」だそうだ。

なぜコスモなのか。自然と湧き上がった疑問だったが、運転手さんによれば「晴れの日が多く、空気が澄んで星が美しいことと、巨大パラボラアンテナがこの地にあること」が由来となり、「星のまち臼田」と呼ばれているのだという。だが、これから2日間の公演期間中に、星空を見上げる余裕はなさそうだ。

1日目のステージが終わり、用意された佐久グランドホテルに到着したのは午後10時頃だった。正面玄関前はすでに照明が落とされ、とても暗かった。看板も消灯している。ロビーにはソファやベンチシートなどが配され、どことなく結婚式場をメインとしたホテルであることをうかがわせる雰囲気。

フロントはロビーの一角にあり、とてもこぢんまりとしている。係は声を掛けるまで不在だった。夕食がまだ済んでいなかったので、食事のできる店を探したが、館内の店はすべて閉店しており、周辺にも店らしい店はないとのこと。佐久に、以前から一度利用したいと思っている「ブランカン」というフレンチレストランがあるのだが、この時間では遅すぎるし、翌日もスケジュール的に利用できそうもない。仕方ない。今夜は絶食だ。

客室は4階から7階にあって、フロント脇にある1基のみのエレベータでアクセスする。今回用意されたのは、スタジオシングル。スタンダードタイプのシングルよりも奥行きがあって、窓際にソファを配置してあり、そのソファを使用すれば2名でも宿泊できるという。

クローゼットはなく、壁にハンガー掛けが設置されている。デスクユニット、120センチ幅ベッド、ソファというシンプルな設備だが、ピンク系のパステルカラーでコーディネートされ、あまりコントラストのないやわらかい内装に仕上がっている。壁紙は花柄、ベッドスプレッドはペイズリー風と90年代のテイスト。ファブリックも家具も、ビジネスホテル仕様よりもワンランク上の高級品を使っているので、室内の質感は意外と高い。

冷蔵庫は空で、以前は引き抜き式だった名残りがある。バスルームは110×160センチサイズと小型。タオルは緑色で、大小1枚ずつのみが用意されている。バスタブも小さいが、結構な深さがあり、年配の人は跨ぐのに一苦労しそうだ。窓は開閉可能で、千曲川を望む。

夕食抜きだったので、早朝にお腹が空いて目が覚めた。千曲川沿いを1時間ほど走って、シャワーを浴びてからレストランに一番乗りした。和か洋のセットメニューの他、シンプルなコンチネンタルや、和洋のコンビネーションセットもあるが、今回は洋セットをチョイス。オーソドックスな内容だったが、味やサービスは悪くなかった。

 
細長いスタジオシングル デスクユニット 窓際のソファ

窓側から入口方向を見る ユニットバス 窓からの眺め

客室階廊下 レストラン店内 アメリカンブレックファスト

小さなフロント ロビー 外観

エントランス ホテルの前にいたにゃんこ 千曲川

 
佐久グランドホテル


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