馬の絵
2007.10.17(水)
ホテル中村荘 Single Room
Hotel Nakamura-So
楽-3

とある学校の校庭

都城から串間に向かう途中、とても大きな木に囲まれた学校の校庭を見た。青空と白いフィールドと木々の深いグリーン、そのどれもが「自分の色が一番眩しいぞ」と競い合っているかのようだった。そこに立って、風に耳を澄ませてみる。砂の舞う音、木の葉が擦れ合う音、それに何処から聞こえてくるのか分からない色々な音が感じられる。こんな場所で、いつでも自由に走り回れる子供たちがうらやましいと思った。

都城も串間も宮崎県だが、その間の移動には一度鹿児島県に入って峠を越える方が早いそうだ。地元の運転手は道に慣れているのだろう。続くカーブを物ともせず、ローラーコースターのように疾走するものだから、程なく目が回ってしまった。山々の緑に囲まれた都城を出て2時間弱。気が付けば、そこは太陽のふるさと、串間だ。

仕事が終わり、向かったこの日の宿は中村荘。民家の並ぶ国道沿いに建つ小さなホテルだ。串間駅からも歩いて5分程度らしいが、周辺に駅に近いと感じさせる賑わいはなく、小さな町の小さな日常を見るような雰囲気。裏手には日南線が通っており、時折カタコトと音をたてながら、少ない客を乗せた気動車が、のんびりと過ぎ去ってゆく。

ホテルの外観は、なんだか建設会社の社屋のよう。だが、よく見るとなんとシースルーエレベータ付きだ。フロントは1階で、家庭的な雰囲気のサービスをする。ロビーにはソファセットがあるし、花も活けてある。また、都井岬の御崎馬にちなんで、馬をモチーフにした絵画が多数ディスプレイされており、それらをひとつひとつ眺めていると、とても気持ちが和む。

このホテルはスポーツ合宿で利用されるケースが多いらしい。周辺にフィールドや体育館、プールなどが点在しており、温暖な気候で充実したキャンプをすることが出来るのだという。この日も外国人のスポーツ選手たちを何人も見かけた。それ以外にビジネスで利用する客も多く、この日も満室だという。

用意された客室はシングルルーム。建物はかなり老朽化しており、廊下や扉はまるで古いアパートのようだ。室内も決してよい状態だとは言えないがカーペットだけは新しい。。扉はロックできるけれど、チェーンや2重ロックはない。ベッドは大きな窓を頭に置かれており、幅は120センチ。幸い寝具は清潔だった。

ベッド脇にはデスクがあって、スタンドと古めかしい電話機が載っている。デスクの側面がナイトパネルを兼ねており、アラーム時計やスイッチが埋め込まれているのだが、時計が常時ジージーと音を立てるのが気になった。ベッドの足元に空の冷蔵庫、テレビ、ハンガー掛けが設置されてる。唯一の魅力は大きな窓。思い切り開けることができるし、のどかな眺めも新鮮だ。

バスルームは110×150センチのユニットと、これまでの最小記録更新かもしれない小ささ。鏡は曇り、バスタブはカビが多く、あまり入りたくない感じだ。だが、17:30から23:00は大浴場が利用できるので、部屋の風呂を使わずに済んだ。大浴場はあいにく男性専用。女性の皆さんにはいろいろな意味であまりオススメできない宿である。

各フロアには自動販売機が設けられており、市場プライスだというのも嬉しい。1階には居酒屋「駒」がある。外に食事ができるような店も少ないので、そこを利用した。呑む人だけでなく、食事がしたい人にも嬉しい各種定食が揃っており、いずれも安い。やはり海の幸がメインだが、串揚げも美味しかった。郷土料理の「むかでのり」(海草をゼリー状にして味噌漬けしたもの)はちょっと苦手な味だった。店員は気のいいおばちゃんたち。「あなた、何する人?」「何処から来たの?」と質問攻めにされたが、そんな風に興味を持ってくれて結構嬉しかった。

 
窓の大きなシングルルーム ベッドサイドにデスクがある 古いアパートのような雰囲気

古めかしい電話機 ユニットバス 男性用大風呂

外観 フロント 居酒屋の店先

朝食 部屋から見る夕日 ホテル裏手の線路

 
ホテル中村荘


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