グランドプリンスホテル新高輪 Twin Room
Grand Prince Hotel New Takanawa
2008.02.29(金)
東京都港区
楽-2

バルコニーから見る竹林
 
緑間近なバルコニー 高輪と新高輪の両プリンスは、姉妹ホテルでありながら、それぞれに異なる個性を持っている。ロビーの改装に関しては高輪の方に気合を入れたようで、新高輪のロビー周辺にさほど大きな変化は感じられない。天井が低く、落ち着いた雰囲気のある高輪のロビーに対して、新高輪は高い天井と広々とした空間に開放感がある。

また、高輪の客室はすべてリニューアルしたが、新高輪はまだ既存の客室が5フロア分残っている。高層階のスタイリッシュな客室と、不思議なテイストの既存客室とでは趣がまったく違うだけでなく、ベッドの寝心地やテレビの画質などにも大きな差があるので、泊まるのなら新しい客室の方がいい。けれども、古い部屋もいずれは改装されて姿を消すと思うと、やっぱり未練が残るのである。

そんなわけで今回は旧タイプの客室を利用することにした。チェックインはスムーズだった。19時過ぎの到着だったが、ロビーに客の姿はほとんどなく、一層がらんとした印象だ。手続きはサインのみ。予約時に禁煙室を希望し忘れたので、それを言わなくてはと思っていたが、頼むまでもなく禁煙室が用意された。履歴を参照して気を利かせたのだろう。いつもこうあってもらいたいものだ。

荷物が少なかったので案内を辞退して客室へ向かった。ロビーからエレベータホールは少し離れている。いつもなら駅のコンコースのように多くの人が往来する廊下だが、どういうわけか人通りが少ない。エレベータは6基あるが、そのうち3基が改装中で利用できなくなっている。

客も少ないようだし、7階から11階の客室も現在改装中だというから、エレベータが混雑することもないだろうと思っていたが、それは甘かった。半分しか動いていない場合、待ち時間は3倍になるという印象だった。しかも、各駅停車のように各階でストップする。エレベータの待ち時間というのは、ホテル内で最もイライラさせられることの代表格だ。早く改装が済んで欲しいけれど、いったい内装はどうなることやら。せっかくの貝殻天井は残してくれるといいけれど。

用意された客室は5階。2階から6階がリニューアル前の部屋なので、その中では高層階の方だ。廊下もまた懐かしい雰囲気。各客室の前には梅や竹の図柄を配した門が設けられており、その門の上部や部屋番号表示の上部には、玄関灯のような照明が施され、ユニークな趣がある。

室内もまた面白くて懐かしい。英国風なのだろうか、チェック柄のカーペットに花柄のベッドスプレッドがあしらわれ、欧風スタイルの椅子やシャンデリアを配している。それらは本来調和してもよさそうだが、似て否なりかな、どうにもちぐはぐだ。そこに、クローゼットや家具の日本の伝統美にも通じる意匠が加わり、いったい何が基調なのかよくわからない。

だが、この混合というか混濁ゆえに、またとないインパクトを感じるのだ。新調した客室よりも、こちらの方が長く記憶に残ることは間違いないだろう。そして、家具のひとつひとつは立派で、丁寧に造ってある。特に天然石の天板を持つドレッサーや冷蔵庫も収納するアーモアは、曲線を生かした味わいのあるデザインだ。

そして29平米というさほど広くない空間に、椅子の類が4つ、バスルームのスツールを加えれば、5箇所も座る場所があるというもの個性的。クッションがやわらかいソファは、座位が低いので天井が高く感じられる。椅子類はすべて木目部分を白く塗装しているが、対するテーブル類は自然な木目のままと、ちぐはぐになっているのも何か意味があるのかもしれないが、そのココロを読み取るのは難しい。

バスアメニティは過渡期なのだろうか、シャンプー類にはロゴが入っていない。タオルも古くなったものを使っており、肌触りがいまひとつだった。だが、バスローブや無料のミネラルウォーターを備えるなど、グランドプリンスになってアメニティの向上に努めている一面も感じられた。

バルコニーはこのホテル最大の魅力だが、今回の部屋からは目線の高さにも木々が見えるし、見下ろせば風にそよぐ竹林があって、緑を間近に感じられた。だが、翌日午前中は工事の騒音に悩まされた。あちらこちらからドリルの音が5.1チャンネルサラウンドで聞こえてくる。これにはストレスを感じたし、結構疲れてしまった。

チェックアウト後は「エーデルワイス」でざくろ坂セット1,750円を。本日のパスタ、スープ、コーヒー、デザート盛り合わせが付く。カジュアルなパーラー風だが、パスタはオープンカウンターで茹で上げているので、茹で加減はいい。テラス席があり、ざくろ坂からも気軽に入れるよう直接入れるエントランスが設けられているのだが、それが開く度に寒い風と花粉が店内に舞い込んで来る。

 
賑やかな内装のツインルーム 壁紙にも貝のような光沢がある 和テイストのクローゼット

ドレープも濃厚な柄だ ベッドは110センチ幅 ナイトテーブルは割と幅広

ユニークなドレッサー 小さいデスク ティーセット

ベイシン バスタブとトイレ バスアメニティ

バルコニーから見る高輪の町 改装前フロアの廊下 午前中の廊下は客室係の天下

エレベータは半分工事中 フロント前のメインエントランス フロントカウンター

メインロビー ロビーとしては最大級の空間だろう ロビーの絵

ロビーの端から端まではかなり遠い 非常階段を活用した駅方面からのアプローチ 外観

「エーデルワイス」のカウンター 「エーデルワイス」のテラス 「エーデルワイス」ざくろ坂セットのパスタ

 グランドプリンスホテル新高輪(公式サイト)
 以前のレビューはこちら→ 950415 010708 020322 031116 040319 040330 041114 041212 070329 070504 070623 070709


公開中リスト | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 |
| ホテル別リスト | レストラン別リスト | 「楽5」「喜5」ベストコレクション |