ホテルメッツ国分寺 Twin Room
Hotel Mets Kokubunji
2008.08.15(金)
東京都国分寺市
楽-3

窓から見る多摩丘陵
 
ホテルエントランス前で水浴び ホテルメッツを利用するのは川崎に次いで2軒目である。いずれのホテルも駅に隣接しているというフットワークのよさが最大のウリになっており、ここ国分寺も例外ではない。ただ、案内には駅から徒歩0分とあるのに、実際には駅舎から出て、駅ビルを回りこむように歩かなければアクセスできないので、いささか誇大な表現ではないかと思った。最大のウリにケチが付くようではまずいだろう。

そして、ホテルのエントランスは、実にらしからぬロケーションにある。初めて来ると、本当にここでいいのか?と疑わずにはいられない。駅ビルの裏口みたいなところにある階段を上がった先の、ビルとビルの狭間にある薄暗い通路に面したエントランスは、広く人々を迎え入れるというよりは、人目をはばかる必要のある人に配慮したかのようである。

到着時には、同じ建物に同居する保育園の園児たちが、廊下に設置された空気で膨らませたプールでちょうど水遊びに興じているところだったので、陰気な通路に子供たちの歓声が響いていた。その楽しそうな様子を見ていたら、涼しさと童心のお裾分けをしてもらったような気分になった。

ホテルのエントランスを入ると、またも階段がある。いくら駅から近くても、重い荷物のある人は、ここまで来るだけでも息切れしてしまうかも。そして、なかなか来ない2基のエレベータを使って3階にあるフロントへと向かう。フロントもまたとても小さくて、パリのプチホテルのような感じ。

手続きを済ませると、淡々とした雰囲気のフロント係は「エレベータはあちらです」と指し示し、部屋へ向かうよう促すのだが、この時、まだ肝心なものを受け取っていなかった。それはルームキーである。それなしには部屋に入れまい。係に「キーは?」と尋ねると慌てて探して差し出したが、その前後での表情の変化はなかなかの見ものだった。

今回利用したのは21平米のツインルーム。ラックレートでも15,000円と手頃だが、少々の割引があった。ホテルの建物は四角柱のひとつの角が切り取られた五角柱の一種で、なんとなくセルリアンタワーにも通じる形状だ。ツインルームはその切り取られた部分に面しており、部屋の形やレイアウトに違いのある2種類のタイプがあるらしい。

せっかくならコーナー部分に位置する五角形の部屋になれば面白いと期待していたが、用意されたのはそれと隣り合わせの四角い部屋だった。平面図で見る限りは五角形の部屋の方が広いようだが、実際のところは謎だ。

客室内は実に無駄のない造りになっている。ドアを開けると、廊下らしい廊下はなく、すぐ右にむき出しのクローゼットがあって、左には簡単な衝立を隔ててベッドが並んでいる。ベッドは窓の方に足を向けるように設置されており、窓とベッドとの間にはアームチェアとテーブルを据えた。

窓は小さいが2面あり、目の前にマンションが迫るものの、間からは多摩丘陵が見渡せる。カーテンにはなかなか立派な生地を使っているし、アームチェアなどの家具も安物ではないが、やや傷みが目立つ。くたびれた印象の備品が多い中で、カーペットだけは新しそうに見えるが、それでもより愛着が感じられるのは、ボロボロになりつつも品位を損なうことなく存在し続ける古いものたちであった。

テレビは部屋の片隅に追いやられているが、26インチの液晶タイプで、地デジも衛星デジタルにも対応している。テレビの下には冷蔵庫、脇にはズボンプレッサーも備える。デスクはバスルーム入り口脇に設置されているが、サイズ的にはかなり小さい部類だ。無料のLANがあるが、コンセントは不足気味。とりあえず三つ又プラグが用意してあった。

空調は温度設定が出来ず、L/M/Hの切り替えのみ。吹き出し口がちょうどデスクの真上にあるのだが、何かの留め金が外れているのか、部品の一部が垂れ下がっており、いつかは全体が崩落するのではないかと、デスクに向かっている間中気が気でなかった。天井高は240センチ。ベッドは120センチ幅で、ラベンダー色のコンフォーターケースが印象的だ。

バスルームは140×180センチサイズのユニット。バスタブは小さいが深めなので、思ったよりはゆったりと感じられた。ドライヤーは壁掛けの他に、イオンドライヤーを備えている。タオルは大小に加え、ウォッシュクロスが用意される。

朝食はロビー階にある「オーバル」で7個から9時の間に振舞われる。宿泊客なら無料だ。朝一番で混雑し、その後20分ほどで落ち着いた。ブッフェ台には卵、スパゲッティ、ポテトサラダ、マカロニサラダ、2種類のパン、フレッシュサラダ、杏仁豆腐、ホットドリンク、オレンジジュース、牛乳が並ぶ。テレビモニターでは北京オリンピックの様子が放映され、みな食事をしながら画面に見入っていた。

全体的に古びた印象のあるホテルだったが、それがむしろ旅情を醸しているようだった。

 
ベッドのすぐ脇がドア 部屋の一番奥にテレビ 窓は小さいものが2面

シッティングスペースからバスルーム扉方向を見る ラベンダー色のベッドスプレッドが珍しい 比較的立派な家具

デスクは小さくて手狭 ユニットバス エントランスホール

正面玄関 正面玄関前の通路 外観

 ホテルメッツ国分寺(公式サイト)
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