サンルート東新宿のオープンは2007年4月。建物は高層だが、ホテルは低層階に位置し、外から見ると窓も小さい。明治通りに面しているが、この道路は現在拡張工事の最中で、ちょうどホテルエントランスの前も工事現場になっていた。この日はタクシーで到着したが、道路からエントランスまで工事中の歩道を通らなければならず、夜間はやや足元が不安だった。ホテルの性格からして、道路工事が完了しても、車寄せやアプローチは設けないと思われるし、専用駐車場もなく、地下鉄を使ってアクセスするビジネスマンが主たるターゲットであることが伺える。

ホテルフロントは1階。エントランスを入るとすぐにロビーがあって、フロントカウンターもわかりやすい位置に設けている。ロビーは広くて明るい雰囲気で、ガラス張りで外の通りからもよく見える。ダークな色調の床と柱やカウンターの間接照明が印象的だが、装飾性のないさっぱりとした仕上がりで、なんとなく銀行の待合室をイメージさせる。

到着は21時を過ぎていた。フロントの係は、家電量販店のスタッフのようにハキハキとしており、こういうタッチも悪くないと感じた。態度だけでなく、手続きの手際もよく効率的だ。ロビーにはパソコンが常設されており、同じフロアには「ロイヤルホスト」、地階には「バーミヤン」を併設している。

客室へのエレベータは2基。いずれもICチップ内蔵の非接触型ルームキーをかざさなければ作動しない。エレベータに乗ってしまえば、宿泊している階だけでなくどの階にもアクセスできるが、12階のレディスフロアだけはエレベータホールにキー作動式のセキュリティドアが設置されている。

今回利用したのは約21平米のツインルーム。ツインは各フロアに4室ずつあり、あと1室のSOHOシングルの他は全てシングルルームというのが標準的なフロアプランになっている。客室は外国人のデザイナーを起用したとのこと。ビジネスホテルにしては、シティホテルに近い雰囲気のインテリアだ。

特にベッドボードには工夫が感じられる。マットレスも心地よいが、ベッドリネンはやはりビジネスホテルの域を出ない。また、ベッドと窓との間にはイスを置く余裕がなく、やや窮屈な印象は否めない。

デスクユニットとチェストには、落ち着いたナチュラルな木目の家具を使っている。デスクにはスツール型のイスと簡単な背もたれの付いたイスが並んでセットされており、両方並べるとカウチみたいに使えそうな気もするが、それには小さすぎてなんとなく半端な感じがする。

二人で泊まる時は、このイスに仲良く座って、デスクに向かってお茶を飲んだりするのだろうか。それも何だか妙。かと言って、一人がイスに座ってデスクに向かってしまうと、ベッドとデスクの間をふさいでしまって、もう一人は通ることも出来ない。その都度、立ち上がって通れるようにしようにも、脇のスツールが邪魔になって立つにも一苦労という具合に、何だかストレスを誘発しそうなイスである。

チェストに載ったテレビは32インチの液晶で、地デジに対応している。その脇には小さなコーヒーテーブルも置かれている。照明はダウンライトとフロアスタンドの他、デスクのペンダント、ベッドボードの間接照明と充実している。

窓は珍しいほどに高い位置に設けてあり、眺めというよりは明かり取りのイメージ。開閉が可能で、見えるものはマンションが主だが、空き地の木々もちらほらと見える。カーテンはあるがレースはなく、代わりにブラインドが設置されている。遮音性も悪くないようだが、表の明治通り側はもしかすると静寂とはいかないかもしれない。その点、裏側はとても静かだった。

バスルームは160×200センチのユニット。タオルは3サイズ揃うがとても薄い。また、バスタブの内側が非常に汚かった。最近はクローゼットにリセッシュを常備するホテルも増えてきた。今度は、バスマジックリンも常設したらどうだろう。