ヒルトン東京ベイ Executive Room
Hilton Tokyo Bay
2008.10.28(火)
千葉県浦安市
怒-3

「王朝」のエントランス
 
「王朝」 山口での第九を終え、午前中の便で羽田に戻った。ひとりのコンサートと違って、大勢でのアンサンブルはより神経を使う。でもヘトヘトというよりは、スポーツの後の爽快さに近い。とは言っても、年末までステージが次々と控えているので、無理は禁物。今日一日はせめてリラックスして、ゆっくりとした時間を過ごしたい。

そう思ってヒルトン東京ベイを予約してあった。海を見てぼんやりしたり、気分転換にジムやプールを使ったり、万が一、人恋しくなった場合には、ロビーに行きさえすれば祝祭のような活気に触れることも出来る。だが、午前中に羽田まで来てしまってはチェックインに早すぎる。

かといって他に時間を有効に使うプランが思い浮かばず、ちょうど出発するところの舞浜方面のリムジンに乗り込んだ。急ぐ旅ではない。のんびりバスに揺られるとしよう。だが、そんな時に限って、バスは極めて順調に走行した。客も少なく、ほとんどの停留所をスキップして、30分と掛からずにヒルトンに到着してしまった。

まだ12時を過ぎたばかりである。さすがにまだ部屋は仕上がっていないだろうと思ったが、顔見知りのドアマンにデスクまで案内され、そのままスムーズにチェックイン。ここでもまた、急いでいない時に限ってとんとん拍子である。しかし、やはり部屋は出来ていなかった。ならば、食事に行くことにしよう。マネジャーにそう告げると、30分以内には部屋を仕上げておくとのことだった。いや、そんなに急がなくても。今日はゆっくりでいいんだってば。

このホテルでランチすることは滅多にない。少なくともパッと考えて記憶にない。どの店にしようかと悩むほどの選択肢はないのだが、あまり利用しない「王朝」に行ってみることにした。店内は思ったよりも賑わっていた。パーク目当てに来ている人たちは、この時間はパーク内にいるらしい。今店内にいるのは、いったいどういう人たちだろう。見るとビジネスマンもいるし、中小企業の社長さん的雰囲気の人も少なくない。もしかするとスポーツクラブのメンバーかもしれない。

メニューを差し出されたので、しみじみ見てみたが、これまたランチタイムとしての選択肢は多くない。1,990円と手頃なバランスランチがあり、その次に高いのはいきなり6,000円のコース。この中間があってもいいように思うが、あとはアラカルトしかないので、ひとりでコースを注文する気にはなれず、安いバランスランチを注文した。

オマケ程度の前菜風サラダとスープが来て、次はチョイスしたメインディッシュ(豚肉の黒胡椒炒め)とチャーハン(もしくはつゆソバも選べる)が運ばれてくる。その後は、ホール中央付近にセットされたデザートカウンターから、好きなものを好きなだけという内容。これならお値打ちと、気分よく店を出た。フロントに戻ると、すでに部屋の用意が出来ていた。天気もよく、部屋でのんびりと過ごすにはもってこいだった。

ランチの印象がよかったので、ついついディナーにも「王朝」を選んでしまった。結果的にはこれが大失敗だった。いつかの週末とは違って、店内はゆったりとした雰囲気が保たれており、それだけでも好印象だった。そして前回のことを覚えていたマネジャーやテーブル担当からも、再度の利用を歓迎する挨拶があった。それですっかり機嫌をよくし、開業20周年を記念したコースを注文してしまった。前回、「この店は一番安いもので十分。それ以上の価値なし。」と心に決めたのに。結局、料理もサービスも怠慢だった。

店内は最大で7組しか客は入らなかった。手に負えないなどという言い訳は通用しない状態である。なのに、料理はなかなか出てこないし、やっと来たかと思えば、ずっと空いたままになっていた前の料理の皿を下げることもせず、その脇に料理を置こうとする始末。サービスの基本がなっていない。そればかりか、テーブルのサービスそっちのけで、閉店作業に没頭する係までいるではないか。料理はまだかと苛立っている客の目の前で、よくも片付けが出来るものだ。

不機嫌な中、デザートが運ばれてきた。どこかで見たなぁと思ったら、さっきランチで食べ放題だったものとほとんど同じではないか。1,990円で食べ放題の菓子を、20周年記念の10,000円コースで出すとは、どういう神経だろうか。記念コースなら、相応の創意工夫を盛り込んで欲しい。このホテルは20年間、何を積み重ねてきたというのだろう。この思い入れの浅さが、まったくもってじれったい。やっぱり、この店は一番安いので十分だ。

翌朝、久しぶりに「スクエア」での朝食に行ってみた。サラダはキャベツのみだし、相変わらずコストの安いものばかりが並んでいる。でも、ヒルトンのいいところは、ブッフェであっても卓上で玉子料理やスペシャリティを注文できること。ポーチドエッグとフレンチトーストを注文し、それらが運ばれてくるのをコーヒーを飲みながら待った。だが、来たのは30分後。しかも、ポーチドエッグはすっかり冷めているし、フレンチトーストは焦げていた。苦情を言っても、まったく効果なし。もはや末期症状だ。

 
「王朝」の店内 店内の飾り 前菜

ふかひれ 魚介の炒め物 北京ダック

牛肉の炒め物 点心 デザート

 ヒルトン東京ベイ(公式サイト)
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