グランド ハイアット 東京 Grand Club Room
Grand Hyatt Tokyo
2009.01.03(土)
東京都港区
楽-3

ロビー
 
六本木の正月 高輪のプリンスホテルで、いかにも日本の正月らしさと、いかにも日本のホテルらしさを感じた直後に、シックなホテルの代表格とも言えるグランドハイアットに来ると、東京という世界に冠たる大都市が許容する文化の幅広さを感じずにはいられない。もちろん、グランドハイアットには縁日も餅つきもない。メインエントランスの松飾りだけが季節を物語っているが、それとて外国人の羽織袴姿のように、どこかぎこちない。

ところが、館内の客層はやっぱり日本の正月だった。プリンスでよく見かけた三世代ファミリーよりも、お父さんが30代から40代くらいの単一家族が多いようだ。

チェックインは1階のフロントカウンターでおこなった。手続きの途中、係が奥に引っ込んだまま、しばらく戻らなかった。何をしに行くのか聞かされないまま姿だけが消えたので、理由もなく待たされているような気がして、いささか不愉快だったが、やがて戻ってきた係は、長らく待たせたことを丁重に詫びた。その様子からすると、これほど時間を要することになるとは本人も考えていなかったようだ。

そして、部屋が仕上がるまであと10分掛かると告げられた。ならば、ラウンジへ行って茶でも飲むことにしよう。荷物はあらかじめ部屋に届けておくと言われ、ラウンジへはほぼ手ぶらで向かうことになった。

場所や使い勝手は承知しているので特段案内は不要だったのだが、ベルがひとり案内役に付いてきた。せっかく付いてくるなら、しっかりアテンドをしてくれれば好印象だが、エレベータを降りた時に「あちらです」と指し示すだけで、ラウンジの係に引き継ぐでもなく、たいして役に立った感じがしなかった。

ラウンジでは、クールに思えた1階フロントとは打って変わり、明るく親しみのあるサービスだった。だが、正月の混雑でヘトヘトになってしまったのか、皆、にこやかな表情の奥に何かよからぬものを抱え込んでいるように見えた。ここで受ける印象は、着実に向上しており、以前と比べれば格段に感じがよくなった。

しかしまだ十分とは言えないし、言いたくない。おそらくここのスタッフはもっとよいサービスを実現できるはずと見込んでいるからだ。一層の礼儀正しさと、居住まいや振る舞いの美しさまでを求めるのは贅沢かもしれないが、いずれはそれが板に付くことを願いたい。

やがて部屋が用意できたとの知らせがあり、ルームキーを受け取ってラウンジを後にした。部屋に入ってみるものの、先に届けられているはずの荷物が見当たらない。到着からかなりの時間が経っているのに、いったい何処に行ってしまったのか。フライトでのロストとは違って、どこかとんでもない国に持っていかれてしまうことはなかろうが、あまりに遅いと粗末に扱われているような気分になってくる。

しばらく待ったが一向に届かないので、電話で尋ねてみようと思ったところにチャイムが鳴った。係は明るく「お荷物をお届けに参りました」とだけ言い、この場合欠いてはならない「お待たせしました」の一言を聞くことはできなかった。

しかも、横倒ししないよう頼んであったフラワーアレンジメント入りの袋がトランクと一緒に横積みされ、水が滴り落ちている。そのために、袋より下にあったバッグ類は濡れてしまった。これだからバゲージの別便デリバリーはいやなのだ。やはり注意が必要な荷物は、目の届く形で運んでもらう方がいい。

部屋はいつものグランドルーム。高層階の富士山側で眺めは開放的だが、部屋が狭いという印象もいつも通り。大きく変わった様子はないが、目覚まし時計が新しくなったり、シャワーヘッドが交換されるなど、細かいメンテナンスは随時行なわれているようだ。また、これまでむき出しでセットされていた固形ソープが、和紙風の簡単なパッケージに入るようになった。周囲の部屋が騒々しくないか心配だったが、その点は案外気にならなかった。むしろ、客室係による清掃の音がうるさかった。

一方、クラブラウンジの混雑ぶりは凄まじかった。カクテルアワーのフードコーナーなど、活気というより殺気に近いものを感じるが、なぜそうまでして食べたいのか、不思議でならない。プールとフィットネスも、これまで有料だったクラブルームゲストとすべてのゴールドパスポートメンバーが無料で利用できるようになったため、時間帯によってはかなり混雑する。ゆっくりと自分だけの時間を満喫できるのは、もう客室とスパトリートメントルームしかなさそうだ。

 
照明効果の高い客室 デスクとテレビ デスク脇から窓を見る

木目色でまとめられたホワイエ ホワイエにあるミニバー 冷蔵庫内

ベイシンの奥はガラスで仕切られたウェットエリア ベイシンミラーに映るベッド バスアメニティ

夕暮れの風景 正面玄関へのアプローチ ホテル棟と森タワー

正面玄関 レストラン「フィオレンティーナ」のテラス レストラン「オークドア」のテラス

プールサイドのチェアは座り心地最悪 プールを見下ろす位置にジムがある 石造りのプール

ホテルへの入口のひとつ 石張りの通路 日本料理店脇の通路

チャペルへ続く通路 フロント脇の装飾 ロビーの一角

 グランド ハイアット 東京(公式サイト)
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