京王プラザホテル Superior Twin Room
Keio Plaza Hotel
2009.02.23(月)
東京都新宿区
楽-2

館内を賑せる吊るし雛
 
吊るし雛 毎年この季節になると、京王プラザホテルのロビーやコンコースには、つるし雛がディスプレイされる。端切れやちりめんで縫われた数々の雛たちは、遠目に見れば日本情緒のある民芸であるが、ひとつひとつをしみじみ見ると、大変愛嬌があり、作り手の個性がよく滲み出ている。鞠や野菜、ねずみにゾウなど、モチーフも自由自在に、それぞれが子供たちの健やかな成長を祈っている。こうした季節ごとの風物詩を演出するのは、このホテルが得意とするところである。

雨の夕方。フロントカウンターはひっそりとしていた。チェックインの印象もよく、張り切ってサービスに当たっているように感じられた。用意された客室は本館高層階にある、改装済みのスーペリアルームだった。33平米の面積があり、通称「うなぎルーム」。横幅が窓3面ある36平米のデラックスルームと比較して、窓2面のスーペリアルームは奥行きが長く取られており、ウナギの寝床のように細長いので、勝手にそう呼ばせてもらっている。

改装に際しては、コンラッド、ストリングス、メトロポリタンなどを担当したGAがインテリアデザインを手掛け、個人宅的なぬくもり感と都会的なスタイリッシュさに、思い切ったカラーアクセントを添えたテイストに仕上っている。照明の配置など、均整の取れたバランス感も大切にしているようだ。

この部屋は、比較的後期に改装されたらしく、同じデザインの部屋でも初期に改装されたタイプとは、若干仕様が異なっている。ドアから居室までの間には、バスルーム扉と姿見しかなく、単純な廊下という空間。そこにはハロゲンのダウンライトを3箇所設け、壁にできる照明の陰影をアクセントとしている。

客室の幅が狭いので、居室もベッドとデスクの間が窮屈だ。デスクはシンプルなカウンター式で、中央に照明付きポップアップミラーがある。両脇に冷蔵庫や収納を設置し、26インチ液晶テレビは壁のボードに取り付けてある。テレビ下にはCD/MDプレイヤーもある。デスクの照明としては、スタンドの他に、天井からのハロゲンダウンライトと蛍光灯もあり、好みの雰囲気に調節できるのがいい。

ベッドは120センチ幅が2台並び、中央にナイトテーブルとコントロールパネルを設けているが、ベッドボードは連続しており、両脇にナイトランプを設置している。このベッドボードが、一番GAらしいデザインだ。中央のナイトテーブルにはハロゲンのダウンライトが当たり、両脇のナイトランプとともに、バランスのよいシンメトリックな照明配置としている。

ベッドは、台の下が空間になっており、片方にはトランドルベッドが収納されている。マットレスは13センチ厚と薄いが、シモンズ製なので、薄い割には快適だった。

しかし、シーツの質やメイクの仕上がりはひどいものだった。ゴワゴワの感触もイヤだったが、見た目にもシワシワで、折れ目や筋が多数入っている。これはクリーニング業者にクレームをつけて改善してもらうべきだ。また、ベッドリネンの交換は、基本的に3泊に1回しかしないと書いてあった。

窓際にはひとり用ソファをふたつ置き、中央にテーブルとフロアスタンドを設置。カーテンの両脇にもそれぞれハロゲンのダウンライトがあり、このハロゲンと中央のスタンドもシンメトリーなバランスを保っている。

クローゼットはベッドとバスルームの間にあって、白い扉と、内部の紫の壁紙が印象的だ。クローゼット内に、バゲージ台と引き出しがある。この部屋は基本的に3名仕様らしく、バスローブやスリッパは3人分セットしてある。だが、クローゼット内をよく見たら、スリッパがあとふたつ隠れて落ちており、都合、5つものスリッパがあった。ウナギルームより、ムカデルームの方がいいかも。

バスルームは以前のままで、アメニティにも変化はない。電球型蛍光灯を使っているが、スイッチを入れてから明るくなるまで、非常に時間がかかるのが気になった。

それにしても、改装からまだそれほど経過していないのに、早くも部屋はボロボロだ。家具は傷だらけ、ファブリックはシミだらけ、ナイトランプにいたっては重傷を負って痛々しい。

部屋を乱暴に使う客層にも原因がありそうだが、清掃のレベルもビジネスホテル並みに低く雑である。今回は破格の安さで泊まったが、それが妥当だと思わせるようなクオリティに成り下がったのは残念。これでは、せっかくの季節の演出や、フロント係の努力が無駄になりかねないので、客室のメンテナンスと清掃は、しっかりとやってもらいたい。

スムーズだったチェックインとは違い、チェックアウトタイムに重なった出発は大変な混雑。10:50から様子を眺めていたが、行列がなくなったのは11:15だった。

 
メインロビーの吊るし雛 吊るし雛の中にはお雛様 ゾウの吊るし雛

レストランフロアの吊るし雛 廊下の両脇が賑やかだ ここにもゾウの吊るし雛

メインロビー フロントカウンター前のイス フロントカウンター

モダンなインテリアの改装済みルーム 照明の配置が巧みだ デスク周辺もすっきりとしている

ボードに取り付けてあるテレビ 照明付きポップアップミラー 窓際のイスもシンメトリーを意識している

インスタントコーヒーセット 冷蔵庫内 都庁側の眺め

マットレスは薄いが一応シモンズ 壊れかけのライト 入口ホワイエ

ベイシン バスタブ バスアメニティ

 京王プラザホテル(公式サイト)
 以前のレビューはこちら→ 940826 960127 971004 980102 980115 980324 000909 001015 010120 010220 010123 010502 010623 010710 010828 010908 010930 011019 011117 020125 020523 020607 020610 020705 020809 020913 020922 021007 021010 021206 030518 030607 030630 030803 030809 030905 030929 050402 050810 050817 051011 060122 060228 061211 070702 070924


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