東京ドームホテル Excellency Suite C  
Tokyo Dome Hotel
2009.02.26(木)
東京都文京区
哀-4

朝には東京にも雪が舞っていた
 
ヤニまみれの部屋 東京ドームホテルの特別階エクセレンシィフロアのチェックイン・アウトは、40階のラウンジでも可能だが、1階のフロントにも専用カウンターを設けており、どちらでも対応している。到着時、1階フロントの様子を見たところ、特に混雑してはいなかったので、今回は1階でチェックインすることにした。

専用カウンターの係は、レジストレーションカードを差し出すと、「お名前と電話番号だけで結構です」と言った。その通りに書き込んでいる間にルームキーが用意され、禁煙室がないため念入りに消臭したとの説明があった。

案内を辞退してエレベータホールへ。場合によってはエレベータ待ちの行列ができているが、この時はホテル全体に人が少なく、あらゆることがスムーズに進んだ。用意されたのは40階のエクセレンシィスイート。いくつかのタイプがあるが、以前にも利用したことのあるCタイプがアサインされた。

面積は51平米で、ワンルームタイプ。大きな窓が特徴の部屋だ。室内に入るなり、タバコの強いにおいにむせ返った。消臭したと言っていたが、一時的な処置では消え去れないほど、臭いが深く染み込んでいるに違いない。加えて、降り続ける雨によって、臭いが広がっているのだろう。

入口から居室までの間は廊下になっており、途中にバスルーム、トイレ、ウォークインクローゼットがある。内扉を抜けて居室に入った第一印象は、なんとだらしない部屋なのだろう、というものだった。それとも、気が付かない間に、この地域だけを大地震が襲ったのか。額という額はあらぬ方向に傾き、すでにターンダウンされたベッドは、今しがたまで誰かが寝ていて、慌てて整え出て行ったかのような乱れようだった。

とりあえず、額の向きやベッドを整え、クローゼットにあったベッドスプレッドを持ち出して、もう一度ターンダウン前の状態に戻してみた。他にも清掃の不備が目立つ。テーブルに残るグラスの跡、窓の手跡など、簡単に落ちるものを見逃しているのは、お粗末である。それらを拭き取り、家具の位置もバランスよく直してみたが、それでもなぜか居心地の悪そうな部屋にしか見えない。

これだという原因は見当たらないが、家具が元々安物である上に、乱暴に使われて傷んでいることや、ファブリックが薄汚れてくすんでいることなどが、陰気でだらしないという印象につながっているようだ。カラースキームは悪くないが、質感が伴わなければ、結局中途半端で終わってしまうのだろう。

デスクは窓を向いて置かれ、脇にはファックスの載ったワゴンが添えてある。デスクはレギュラールームのものと同じ大きさだが、この部屋に置くのなら、もう一回り大きなサイズでもよかったかもしれない。室内にコンセントが少ないのに、開業当時よりも電源を必要とする備品が増えているらしく、デスク脇のコンセントはぎょっとするほどのタコ足配線になっている。それでもデスク周辺に空コンセントはひとつしかなく不便だった。

ソファセットは3人分。ミニバーとテレビ台を兼ねたキャビネットも、ややコンパクト過ぎるようで、新調した32インチの液晶テレビがはみ出してしまっている。ベッドも古くなっており、以前より寝心地が悪くなったように感じた。この居室にはダウンライトの類はひとつもなく、すべてスタンド照明だ。明るさは控えめだが、暗くて不自由するほどではない。

独立したシャワーブースのあるバスルームは総大理石張り。立派に造られているのにパッとしないのは、平板な照明プランによるものだろう。アメニティはSOMOを中心にバラエティ豊富に揃うが、歯ブラシの質はよくない。トイレは完全に独立した個室になっており、こちらも床やベイシントップに大理石を使っている。

トイレットペーパーの質は最低レベルで、タオルも古く黒ずんでいるものばかり。石鹸泡や便座の拭き残しがあるなど、清掃の不備も気になったが、一番驚いたのは扉の汚れだった。飛び散った泡を拭き取ろうと思い、扉をタオルで軽くぬぐったら、タバコのヤニでまっ茶色になった。これほどになるまで放っておくとは問題である。

ラウンジはあまり混雑することはなかった。ラウンジに入る際も、いちいち部屋番号や名前を尋ねることをしないので、気軽に利用できていい。

夕食は「ピアビュー」でディナーブッフェを利用した。コーヒー付きで3,300円と手頃なこともあって、この店は混雑していた。団体利用が多く、あちこちで盛大に騒いでいる。一応ホテルレストランなのだから、もう少し周囲に気を配ってもらいたいもの。料理はというと、ローストビーフやタラバガニなど目玉商品もあるが、それ以外はお腹を満たすためだけに用意されたものばかり。美味しいものはまったくなかった。質より量と割り切るにも限度があり、安いというのにまず元は取れないだろう。

朝食はラウンジで。東北から来たという気さくなおじさんとの話が面白かった。おじさんは、ここのベッドがとても気に入った様子。これほど心地よいベッドは初めてで、起き上がるのがもったいなかったという。ニューオータニよりずっといいと絶賛。ペニンシュラやリッツ・カールトンのベッドに寝たら、もう二度と起き上がれなかったりして。

 
大きな窓が印象的な室内 ワンルームタイプで広く使える ソファからベッドを見る

窓を向いたデスク テレビが台と合わずはみ出している ベッドからソファを見る

布張りのソファ 冷蔵庫内 クローゼット内

ベイシントップは大理石 シャワーブースとバスタブが並ぶ 独立したトイレ

タコ足配線 エクセレンシィフロア廊下 エクセレンシィフロアエレベータホール

ラウンジの営業終了後はシャッターが閉じる 夜のラウンジ カクテルは自分で作って楽しめる

昼のラウンジ 昼のラウンジ ラウンジのPCコーナー

ロビー階エレベータホール フロントカウンター フロントロビー

 東京ドームホテル(公式サイト)
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