せめて周囲の迷惑になっていないかを常時心がけ、こうした空間ではどのような振舞いが望ましいのかを、子供たちにも体験させるようにしてはどうなのだろうか。大抵、そうした親たちは母親が整った身なりをしており、父親は似合いもしないハーフパンツですね毛丸出しというスタイルが多い。

こうした困った客にはホテルも頭を痛めているようだが、ただ指をくわえているのではなく、利用規定を定め、ムードを保つよう呼びかけるべきである。本来なら客が率先して気づくべきことだが、残念ながらもはや自浄効果は望むべくもない。

今回利用した客室は、低層階の一番奥にあるグランドクラブコーナーデラックスルーム。スイートを除いては最も広いタイプであり、クラブフロアとされているフロアには1室もないのに、クラブルーム扱いになっている。用意されたのは6階。レストランや森タワーへの通路にも通じているフロアなので、エレベータホールから客室フロアに進むには、ガラスドアに設置されたスロットにルームキーを挿し込む必要がある。

客室フロアに入った瞬間、むせかえるほどのタバコににおいがした。喫煙フロアである上に、換気が悪いらしい。こんなフロアで大丈夫なのかと心配になったが、室内はさほどではなかった。しかし、部屋からどこかに出掛ける度に、タバコくさい空気にさらされるし、夜になると寝具からタバコのにおいが湧き上がって来て、結局は我慢を重ねることになってしまった。

また、係はこの部屋が一番静かだろうと配慮してアサインしたと言っていたが、ちょうど部屋のドアの向いには「オークドア」のバックヤードがあるらしく、店が暇な時間帯になる毎に、けらけらと騒々しい笑い声が聞こえていた。

部屋の面積は60平米。標準客室の約1.5倍の広さがあり、全体にゆったりとしたレイアウトが特長だ。オットマン付きのキングサイズベッド、レザー張りと布張りのソファセット、窓に沿ったカウンターデスクというシンプルな設えに、観葉植物がアクセントになっている。窓は2面あり採光には優れているが、低層階であることと、片方の窓が建物の壁に面しているために、眺めはよくない。

バスルームは標準客室と同等である。内装の質も標準客室に準じているが、リビングセットやベッドボードなどスイートの仕様に近いものもあり、クオリティの面でもレギュラールームとスイートの中間に位置する客室だといえる。

夕食は「フレンチキッチン」のテラスでシャンパン付きのプロモーションメニューを。席について差し出されたのはグランドメニューのみだったので、プロモーションメニューはないのかと尋ねると、後からしぶしぶと持ってきた。そのメニューの料理はポーションが少なく、シャンパンのつまみのような感覚。

シャンパンはヴーヴクリコのイエローラベルだった。それにしても係の感じの悪さといったらこの上ない。態度はつっけんどんで、何かを頼む度にうんざりしたような顔をする。そんなに仕事がいやなら辞めればいいのに。また、テラスはグリーンに囲まれ雰囲気はいいが、かなり暗いので料理もメニューもよく見えなかった。

昼食には「旬房」の和食を利用した。ちょうど飛騨をテーマにしたプロモーションを開催していたので、そのセットメニューを注文した。「旬房」のサービスは丁寧で奥ゆかしい。料理も品があって、好印象だった。

クラブラウンジの朝食は、早い時間から賑わっていた。大好きだったデニッシュ生地のトーストがなくなって残念。早朝は比較的静かだが、係の靴音が騒々しかった。