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| ハイアットリージェンシー東京 Regency Club Room | |
| Hyatt Regency Tokyo | 2010.01.10（日） |
| 東京都新宿区 | 喜-４ |
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ARCHIVES ・ 1992 |
ミッシェル・トロワグロ チェックインの際、近くにたまたまいた顔見知りのアシスタントマネジャーに、館内にあるフレンチレストラン「トロワグロ」の予約を頼んだ。希望は翌日の正午から。料理は店に行ってから決めることにして、席の手配だけを求めた。 クラブラウンジで一服していると、見習いの若い女性が先ほどの予約に関する返答を伝えに来た。万事OKと告げられると思いきや、希望通りの手配はできないとのこと。見習いの彼女は上司に言われたことをしているだけだから、ひょうひょうとしゃべって戻っていった。 このことで、最初に依頼を受けたアシスタントマネジャーの責任感の程度が知れると共に、ホテルのプライドの低さに腹が立った。どうしても希望に添えないのなら、アシスタントマネジャー本人が来て遺憾を述べるべきである。だが、本当に不可能なのか。そもそも、そこが疑わしかった。 このホテルは過去にもレストラン予約で失態を見せてきた。コンシェルジュやマネジャーに頼むのは、店の受付係に直接電話を掛けるよりも便宜を図ってもらえると見込んでのことである。そして、腕のいいコンシェルジュなら、満足のできる対応をしてくれるものだ。たとえ希望に添えようと添えまいと、必ず納得させてくれる。 しかし、このホテルのコンシェルジュは子どもの遣い程度のことしかできない。予約を頼むと店に電話をし、満席であれば、ああそうですかと簡単に受話器を置く。「そこをなんとか」と踏み込んだ願い事はしないのである。 戻っていく見習いの後を追って、クラブフロアのレセプションへと行った。もう先のアシスタントマネジャーの姿はなかったが、かねてよりコイツはと見込んでいた男のコンシェルジュがいたので、つかまえて文句を言った。なぜ、受付係に満席だと言われただけで引き下がるのか。彼は意図が分からずきょとんとしていた。 もう一度トロワグロに電話をして、店のマネジャーを呼び出し、コンシェルジュとして自分の立場を名乗った上で、何とか席を融通してもらえないかと掛け合ってみて欲しい。そう頼むと、彼は受話器を取り、頼んだ通りのことをした。すると、あっさりと席は用意されることになった。むしろあまりにスムーズだったことに、彼自身が一番驚いている様子。彼に丁重に礼を述べ、顔を潰さない程度に散財してくると約束して部屋へ戻った。 翌日、予約通りの時間に店に出向くと、入口でマネジャーが待ち構えていた。そして、店内の最も奥にある席に案内され、ウェルカムシャンパンを振舞われた。前回、来店した際にデザートを散々待たせた詫びだと言っていた。 昼には手軽なランチコースもあるが、コンシェルジュの顔もあるので、アラカルトでディナーと同様の注文をすることにした。この店ではアラカルトを「自由な旅」と表現している。メニューを眺めているとアミューズが運ばれてきた。
これらをつまみながら料理を選び、注文を終えたら、ワイングラスを傾けながら料理に期待を膨らませる。注文した前菜が運ばれる前に、小前菜（濃厚なかぼちゃのヴェルーテ）が振舞われた。
前菜はグルヌイユ腿肉のソテー タマリンド風味。エキゾチックなスパイスが「旅」というキーワードを力強く物語る。
メインディッシュの前には豆腐のラヴィオリ。
メインディッシュは野生のコルベール鴨のロティ いちじく ジンジャーと松の実。
アヴァンデセール。
そしてお待ちかねのフランぼボワーズのスフレ ローズマリーのクレームグラッセ。
最後はコーヒーとともに小菓子。
料理はたいへん洗練されており、申し分ない。サービスは肩の凝らないフレンドリーな雰囲気がありながらも、上品な振舞いが心地よい。ホテル内レストランとしては間違いなく最高峰の一店である。 |
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