2010.04.04(日)小樽チャリティーディナー

例年だと私の3月はリサイタルの準備一色で、受験生のような緊張感、そして毎日が努力と苦悩の連続です。
今年は春のリサイタルをしないので、いつになく気持ちが軽いと言えなくもないのですが、なんだか物足りないというか、さみしいというか、やはり大事なことが抜けてしまっている感じが否めません。

でも、その分のエネルギーは、それぞれのコンサートにすべて注いでいくので、絶好調の神田将を見ていただくチャンスかもしれません。
今年に入ってからは、ひとつひとつのコンサートが、これまで以上に楽しくて仕方ないんです。
どんなに小さなコンサートでも、自分の人生を賭けるほど貴重なコンサートでも、同じ真剣さで、常にマキシマムで演じていくつもりです。

さて、今日のお知らせは北海道、小樽でのチャリティーディナーです。

このチャリティーディナーに、私はもう何年も連続で呼んでいただいています。もちろん演奏もしますが、ここで私が担っている大切な役割はプロデューサーです。

毎年、とっておきのステージをお届けするために、毎回素晴らしいエンターティナーをお迎えし、この日のためだけに趣向を凝らしたプログラムを企画。そしてすべてが順調に進むよう見届けるのが私の役目で、ステージ上の全責任を負っています。

これまでも、ジャンジェンホワさんや、いっこく堂さんなど、著名な方をお招きしましたが、ただ名が通っているだけでは私の企画らしくありません。高い芸術性を持ち、「他に代役を務められる人のいない」オンリーワンの実力を持った人を選びます。

更には、技術だけでなく、特殊なプランに対応できる柔軟性、観客をくつろいで楽しませることのできる人間性も重視します。つまりは、私の目から見て尊敬に値し、自ら共演してみたいと思える人しかお招きしないのです。

一方で、大きなリスクもあります。
公演内容がこの日のための特別なものですので、やもすれば企画倒れに終わるかもしれません。
いいステージにならなかったら、お客様をがっかりさせるばかりか、主催者の顔をつぶすことになります。
やるからには関わった方々全員に満足してもらわなければなりません。
さて、今回はどうなることでしょう。

今回私が自信を持ってお迎えするのは、韓国の伝統的な芸術を披露してくれるおふたりです。
お隣の近い国でありながら、その伝統文化については、あまり一般的に知られなないような気がします。
私もまったく詳しくないのですが、何の構えもなく彼女らのステージを見た時、圧倒的なパワーとパッションが感じられ、まるで感電したような衝撃がありました。

その後、初めて共演したのは下関で行われた日・中・韓の国際交流コンサートでした。

その時に指示された内容は、なんと「白紙」。
舞台で互いにインスピレーションだけでプレイしなさいというものでした。

いやはや、即興的なことは不得意な私。
下準備もなく、いったい何ができるのか・・・

この指示に対し、私は「できません」と一度お断りしました。
私がどうこうでなく、韓国の伝統文化に私が泥を塗ったということになれば、それこそ取り返しがつかないと考えたからです。

お互いを十分に知った上でないとできないと思ったのですが・・・

気がついたら結局、ステージでやってました。

最初は恐る恐るでしたが、次第に太鼓の音が心臓に直接響きだし、すると
自然に私の体や指が踊りだすような感覚に包まれました。その中で対話をし、熱狂的な雰囲気の中でステージを終えたのでした。

正直、この時は太鼓に誘われるがまま、支えられるがままのステージであったと思います。
それでも、音楽専門誌「音楽現代」の編集長さんが、このコンサートを取材して下さって、誌上でもいい評価を頂きいたことは、大きな励みになりました。

今回の小樽では、よりグレードアップし、ただ付いて行くだけではない、もっと濃密なコラボレーションをお届けします。
ぜひご期待下さい。

国際ソロプチミストマリン小樽 チャリティーディナーの夕べ

2010年4月4日(日) ディナースタート/18:00
グランドパーク小樽(旧:ヒルトン小樽) 樹林
北海道小樽市築港11番3 TEL:0134-21-3111

出演・・・李周熙(リ・チュヒ)[韓国舞踊・太鼓]、金芝淑(イム・ジスク)[パンソリ]、神田将[エレクトーン]

内容・・・華やかな五面太鼓、「韓国の吟遊詩人」とたたえられるパンソリが、神田将とスリリングなコラボレーションを繰り広げる。この日のためのスペシャルプログラムです。お見逃しなく!

料金・・・12,000円(卓上ブッフェ料理、お飲み物、コンサートを含みます。)

お問い合わせはメールで mgt@yksonic.com