Electone Autumn Concert スガナミ経堂

早朝の新幹線で名古屋から東京に戻り、その足で経堂へ。久しぶりに全日本エレクトーン指導者協会の先生方との共同演奏会です。午前中の仕込みとリハーサルから楽器店の皆さんと力を合わせながら準備を進め、気持ちよく本番を終えることができました。

演奏会は午後からですが、音響セッティングやリハーサルなどは午前9時過ぎからスタートしました。私の役割は第2部のゲスト演奏なのですが、第1部で披露される指導者協会の先生方による演奏にも、何かしらお手伝いしたいと思い、朝一番から会場入りすることに。

特別何もできないかもしれませんが、スピーカーの位置やバランス感覚など、私がステージ経験で得た知識を役立てもらったり、先生方が安心して楽しく演奏できるような一声をお掛けするくらいはできると思ったからです。

準備とリハーサルは和気あいあいと進んでいきました。こうしてコミュニケーションを重ねるうちに、お互いの気持ちが融け合っていくので、たとえ一緒に演奏するわけではなくても、同じ演奏会を造り上げる仲間だという意識が芽生えます。

ステージ上には4台のステージアとフルコンサートピアノ。先生方の演奏は全曲アンサンブルです。そしてヴィオリラが登場する曲もあり、バラエティに富んだ内容。皆さん、ギリギリまで熱心に調整を重ねました。

最後に私もリハーサル時間をもらって響きなどをチェックしたのですが、楽器のコンディションがいまひとつだったので、他の楽器と替えてもらうハプニングも。まだ新品同様の楽器なのに、タッチレスポンスを始め、重要な機能が効かないというトラブルが重なりました。最近、新品でもこうしたエラーが多いように感じています。

そうこうしているうちに、開場時間となり、列をなして待っていてくれたお客様が会場へと入り始めました。今回の開場は、開演15分前からでしたので、本番まであっという間です。

まず第1部は先生方のアンサンブル8曲。それぞれに衣装も揃え、楽しそうに演奏する姿が印象的でした。

ベテランの先生になればなるほど、なかなか生徒の前で演奏を披露しなくなってしまいますが、ぜひ先生方にもチャレンジを続け、人前で弾く機会をたくさん持って頂きたいと思います。

生徒たちにとって、先生の演奏は特別な意味があります。ふだんご指導に当たる時とは違った表情を見せるだけでも、生徒たちは多くのことを感じとってくれるでしょう。

そんな意味でも、今日の先生方の演奏は素晴らしいものでした。音楽が好き、エレクトーンが好き、そして弾くのが好きという気持ちが強く伝わってきました。

先生方の演奏が終わり、20分の休憩を挟んで私のコンサートタイム。予定よりも早く順番が回って来たので、その分少し長く演奏する準備をしてステージに向かいました。

今日の演奏会は、先生方が主役ですので、私のことを知らない方も多くご来場だったと思います。それに、エレクトーンの指導に携わる方が多く集まる会場での演奏も久しぶりです。

でも、私はいつも通り、今できる最高のものを披露する決意で楽器に向かいました。客席の皆さんもそれを感じとってくれたのでしょうか、一礼してイスに座った時から、高い集中をステージに寄せているのが伝わってきます。軽くボタンを押す音でさえ、会場全体に響きそうな静けさでした。

ひとたび鍵盤に指を落としてからは、心のままに思い切り演奏しました。今回のような小さな会場だと、どうしても演奏も小ぢんまりとなりがちですが、数千人の大ホールにで弾いている時と同じ感覚で、たっぷりと間合いを取りながら、音の膨らみや広がりを自分でも楽しみました。

終演後は、ハッピーな表情でお帰りになるお客様を見送り、今日演奏した先生方や楽器店スタッフの皆さんと交歓会を。次のステージに向けて意欲を燃やす先生方を見て、これならエレクトーンの未来は明るいと確信しました。

スガナミ楽器の皆さんと別れてからは、私の後援会の方々、弟子の代表たちと会い、次回リサイタルの計画を。

ぜひ2013年にと提案してもらいましたが、もう1年しっかり練り上げて、2014年の春に満を持したリサイタルをさせて欲しいとお願いしました。20周年の記念を兼ねて、神田将のすべてをご覧いただけるリサイタルをと考えていますので、ご期待下さい。

2013年は東京でのアンサンブルコンサートを企画しようと思っています。米津さんとのコンチェルトもぜひ東京の皆様にお聞かせしたいですし、いろいろやってみたいことがたくさんあります。それを実現するために皆さんが力を貸して下さることに、深く感謝しています。