カルメンの音楽リハーサル

今日はカルメンの音楽稽古日。本音をいえば、合わせるよりも自己練習に時間を使いたいところですが、覚悟を決めて出掛けて来ました。初めての指揮者と初めて音楽的な対面をする時は、かなり緊張します。

楽譜やデータが仕上がったのが数日前ですし、曲によってはレジスレーションチェンジが非常に細かく、まだ流れを把握できていない部分もたくさん残っている状態。お世辞にも万全とは言えませんし、下手をすればエレクトーンの沽券にかかわる失態にもなりかねません。

プロデューサーやディレクターも集まり、リハーサルは粛々とスタートしました。元気よく前奏曲を弾きながらも、ソロで好きなように弾く時とは勝手が違うので、すでに戸惑いが。そして、音の立ち上がり方や、細かいニュアンスなど、たくさんのリクエストが浴びせられます。

内心「そうは弾きたくても、エレクトーンがそれに対応していない」と思いつつ、言い訳はしたくないので、求められるニュアンスに近づくよう精いっぱいの努力をします。すると、それがエレクトーンの限界を超えていることであっても、不思議とそのように聞こえてくるのです。

例えば、弦をこすった後に残るボディ内の共鳴音。これは弦楽のリッチな響きに欠かせませんが、エレクトーンでは泣いても笑っても再現できません。

他にもエレクトーンの弱点を次々と指摘されますが、指揮者にはまったく悪気はありませんし、音楽的にそれを求めて当然なのです。ということは、エレクトーンがまだまだ進化しなければいけないというわけです。

その後もリハーサルは続き、とりあえず全曲の演奏を終えました。危なっかしいところもありましたが、私は絶対に自分の都合で音楽を止めたりしませんし、私のイメージと実際の指揮がかけ離れている場合でも、無条件でついていきます。

そんな状態で弾いていても、やぱり楽しいもの。山のような課題が見つかりましたし、まだまだ稽古が足りません。早速楽器に戻って、じっくりと練っていきます。