エレクトーンサマーコンサート 和歌山

しっとりと歌い上げる作品を揃えたプログラムは、コンパクトでムードのある空間にぴったり。フルパワーで演奏する歓びに、このまま永遠に弾き続けたい気分を久しぶりに実感しました。

午前中からもう一度ランスルーリハーサルをして、ギリギリまで最終調整をして迎える予定の本番第1回目。ところが、私が完全に勘違いして、開場時間を大幅に押してしまったのです。

慌てて着替えたりして、定刻通りにスタートすることができましたが、せっかく早く来て下さっていたお客様には、長らくお待たせをしてご迷惑をお掛けしました。

いつもなら着替えの前に全身のストレッチを欠かさないのですが、時間の関係で省略。蝶ネクタイも丁寧には結べず。それでも、舞台に立てば、慌てたそぶりをお見せするわけにはいきませんので、急いで気持ちを整えました。

演奏がスタートしてからは、落ち着いた照明にも助けられ、音楽の世界にフォーカス。90分があっという間です。

第2回目の演奏までは、3時間ほどのブレイク。差し入れのマカロンと共に、楽屋でのくつろぎタイムです。

サファリがテーマのマカロンとは何ぞやと思いましたが、箱から取り出して納得。動物柄でした。ナツメグやココナッツなど、エキゾチックな風味が効いています。

さすがに第2回目は開場時間を間違えることもなく、早めにリハーサルを切り上げましたが、実際のところ、第1回目の演奏だけでも体力をかなり消耗しており、このままでは第2回目が終わるまでもたないかもと、本気で心配したほどです。

そうした不安は、一時的に演奏意欲にすら影を落とします。でも、開場して客席にお客様が揃い始めると、私の中のスイッチもパチッとオン。第1回目にも増してパワフルに気分よく演奏することができました。

 

演奏前のコンディションは山の天気のように刻々と変化するので、ベストタイミングを本番にピタッと合わせるのはなかなか大変です。そんな時、助けになるのがお客様です。

お客様は両方の回ともに素晴らしく、夢中で鍵盤に向かう私に無限のエネルギーを注いでくれているかのようでしたし、遠路はるばるお越しいただいた方も多く、ぜひ満足してお帰りいただかなくてはと気合いも入りました。

小さな会場でも、広がりのあるリッチな音楽を届けられるのは、エレクトーンならでは。最近は大ホールに気持ちが傾き気味でしたが、サロンの醍醐味を改めて思い出させてもらった和歌山でした。

美しく青き薔薇が楽屋に届き、その鮮やかさからもインスピレーションが。そればかりでなく、もうすべてを出し切ったという気分で楽屋に戻った時も、また新しいパワーをすぐに呼び起こしてくれました。

終演後は楽器店のエグゼクティブや担当スタッフと共に、モダン創作料理店へ。演奏会の成功はもちろんのこと、子どもたちが主役となる将来に向けて、今私たちがすべきことについて、熱く話し合えたのがよかったです。