丁寧に仕上げてベストパフォーマンスを

1週間続いた「せんくら」のブログ当番も、今日で最終回。いつもトップバッターなので、依頼が入ってから締め切りまでの間が2~3日しかなく大慌てですが、人を気にせず好きに書けるので、むしろラッキーです。

さて、新潟の本番まであと10日。まだ10日あると言っても、出張に出掛けて稽古が出来ない日の方が多いので、残された時間はわずか。そろそろ総仕上げに掛かります。

ここまで、スコアリーディング、編曲、楽譜の作成、レジストレーションデータの作成、自分の稽古、指揮者合わせ、合唱との合わせと段階を踏んで来ました。

この後、詰めで主に行うことは、レジストレーションの編集と、本番モードでの稽古です。

レジスト編集に入る前に、もう一度スコアを細かく読み直したところ、数々の新しい発見が。合わせた時に修正すべきと感じた点と、新たな発見を踏まえて、じっくり時間を掛けてレジスト編集をした結果、よりシャープで立体的な音に生まれ変わりました。

せっかくカッコいい音色データが出来ても、それを十分に活かす演奏をしなければ意味がありません。あくまで楽器を操っているのは演奏者であると、誰の目からも明らかな演奏をする必要があります。

この先は、本番通りのテンポ感と勢いで弾き、仕上がりの状態をシミュレーションしていきますが、時折ニュートラルかつスローな弾き方をして、自分の動作のすべてを視覚的に把握する訓練を取り入れます。

今回、グローリア1曲に投じた時間は、約300時間。でも、本番はたった20分で終わってしまいます。次に演奏する機会は決まっていませんし、もしかすると最初で最後のチャンスかもしれません。

逆に何度でも弾けると思っていると、気持ちは弛んでしまうもの。唯一のチャンスかもという思いが、ベストな演奏へと駆り立てているのでしょうか。ともあれ、作品にのめり込めるのは、とても幸せなことです。