ホスピタリティ

今日は意を決して和歌山から東京へ移動。帰り路は失意の分だけ遠く感じました。結局、何の成果もあげられず、容体を悪化させるだけに終わった今回の和歌山ですが、体力の限界を知ることができましたので、今後に活かしたいと思います。

泊まっていたホテルはJR和歌山駅前のグランヴィア。設備やサービスは限られていますが、ホスピタリティは本物でした。

昨晩、私の部屋の周囲に中年男女のグループ客がチェックインし、それまで静かだった環境が、急に観光バスの車内のような賑わいに。おばちゃんやおじちゃんたちは旅行を楽しんでいるのでしょうから水を差したくはありませんが、これではちょっと参ってしまいます。

電話口にホテルの責任者を呼び出し状況を説明すると、丁寧に詫びがあって、静かに過ごせるよりよい部屋を用意すると提案されました。でも荷物をまとめて部屋を移る元気は到底ありません。そのように告げると、苦しそうな声から察したのか、ずいぶんと心配してくれました。

体調を崩して臥せっている者がいるので、廊下では少々静粛にしてもらえるよう、丁重に頼んでくれないかと言ったところ、しばらくして廊下にはまた静けさが戻りました。

その後も、おばちゃんたちはひそひそ声を保ってくれていましたが、おじちゃんたちは三歩あるくと忘れちゃうのか、また豪快な声をあげていました。それでも、ずいぶんと助かりました。

また、アイスノンの交換や、追加の毛布を頼んだ時も、常に3分以内の対応。これは見事です。アイスノンの交換は、午前4時に頼んだ時もありましたから。

チェックアウトの最は体調を案じてくれ、責任者が玄関まで見送ってくれました。これで、また次もグランヴィアに泊まろうと思うわけですね。

ホテルとホスピタリティが切っても切れない関係にあることはよく知られています。では、鉄道会社はどうでしょうか。

和歌山駅から乗ったくろしお号は、定刻通りに発車したものの、途中、朝の路線トラブルの影響で、新大阪到着が15分遅れるとのこと。このアナウンスは西九条に到着してから入りました。

すでに乗り継ぎの新幹線に間に合わないことは確定していますが、朦朧とした私には、もう窓口の列に並んでチケットを変更する体力の余裕はありません。

通り掛かった若い車掌にそのことを相談しました。最初のアドバイスは、変更せずに後続列車に乗り、空いている席に座れば、新幹線車掌が対応するというもの。

できればそうしたいが、体力が限界で、座席のことでうろうろしたくはないので、チケットを変更してから乗りたい。でも、窓口で呼ばれるのを座って待てるならいいが、列をなすのは難しい・・・。

若い車掌は少し考えて、自分がホームの待合室まで案内し、その先は駅係員がサポートできるよう、連絡を取ると提案。新大阪駅では荷物まで持ってくれました。

駅係員は、後続列車のチケットを幾通りか用意して待機。必要なら駅の休憩室も用意するとのこと。

少しでも早く東京へ向かいたいと告げると、新幹線のドアまで荷物を持って案内してくれたのです。これは期待していなかっただけにとても嬉しい出来事でした。

裏返しに言えば、今の私は明らかに手助けが必要な風に見えているということかもしれませんね。