明日をはぐくむとくしまの調べ

第27回国民文化祭のプレイベントとして開催された「明日をはぐくむとくしまの調べ・親子のためのコンサート」に弟子のひとりが出演したので、そのサポートに行ってきました。

会場はフレアとくしま内ときわホール。142席と小さなホールですが、天井が高く雰囲気のいい空間です。

この日のソリストはエレクトーン、フルート、マリンバの3人。それぞれに約30分のステージを受け持ち、親子で楽しめる音楽をお届けするという内容です。

お客様は新聞や広報で開催を知り、整理券を求めて申し込みをして、当選した一般の方々。こうした公共性の高い催しに、エレクトーン独奏を取り入れてもらえたのは画期的なことと思います。

午前中から準備やリハーサルが行われ、私は演奏家としてでなく、ステージスタッフとしてサポートをしました。

いつもは私の手伝いをする弟子ですが、今日は立場が逆転。まだ場馴れしていない弟子に、少しでもよい演奏をさせるため、私は自分がそうして欲しいと思うことのすべてをしてやります。

まずは楽器のセッティング。持ち込んだスピーカーを程よい場所に設置して配線。響きを確認しながら、音量や音質を整えていきます。

リハーサル開始直後は、緊張のため精彩に欠ける弾き方をしていた弟子ですが、次第に調子を取り戻し、音楽が生き生きと変わっていきました。

やがて迎えた本番。コンクールや発表会とは違い、自分のためのステージではありません。お客様に音楽で満足していただかなければならないのですから、これまでとはまったく違う次元の成果が求められます。

それに確実に応える術はまだ習得していませんが、少なくとも違いをしっかり認識しながら誠実な演奏をしている弟子の姿に、よくぞここまで成長し貴重な第一歩を踏み出してくれたものだと誇らしく思いました。

もちろん私は演奏することが好きでたまりませんが、今日のように自分が弾かなくても、演奏会に関わることはとても楽しいものです。先月の山口コンサートや明日の坂出コンサートに関わる皆さんも、そんな思いを共有してくれていることでしょう。

徳島から香川へと向かう途中、ちょっとした迷い道に。御所という「たらいうどん」で有名な集落を通りました。若々しい青葉や水彩画のような空の色に見とれながら、今日の気分にぴったりだと思いました。

さて夜が明ければ坂出コンサート。もし、今回が私のラストステージだとしたらこれを弾きたい!という思い入れマックスのプログラムです。ぜひお越しください。